【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】

佐々木朗希投手は「投げるかぐや姫」？剛速球投手をめぐる激しい争奪戦が展開されたが、昨季の世界一球団ドジャースへの移籍が決まった。獲得を希望した各球団には宿題が提示されていた。それは球速の再生プラン。23歳右腕が「求婚者」にどれだけの本気度かを試した形だ。そのしっかりした考えに脱帽するしかない。

ロッテからポスティングシステムで念願のメジャー球団への移籍が決まった。1次面談にあたっては、ある宿題の提出を求めた。内容は佐々木投手が昨季に球速が落ちた原因を調べて、再び起こらないための解決策だ。

これまで佐々木選手をじっくり追ってきた球団ならば、原因は分かっているはずだ。その上で球速が再び落ちないように解決策を提示できるだろう。

ただ、佐々木投手の実績や球速について上っ面のことしか把握していなければ、この宿題は無理難題のように思われるかもしれない。

現存する日本最古の物語とされる竹取物語。主人公のかぐや姫は求婚者に対して、仏の御石の鉢や蓬莱の玉の枝など現実的でないものを持ってくるように伝える。

佐々木投手のリサーチが甘い球団にとって、今回の宿題は、かぐや姫の求めた条件のようだろう。

かぐや姫は元々結婚するつもりはなかったので、無理難題を出した。しかし佐々木投手はメジャー球団への移籍を熱望していた。相手側の本気度を知りたかったのだ。

23歳が自らの問題点について深く考えて、一緒に解決してくれるパートナーを求めている。夢に浮かれることなく、しっかりと現実を見据えた上で、前へ進もうとしている。その姿勢に脱帽だ。

アメリカでは早くも佐々木投手のトレーディングカードが発売されている。ドジャースのユニホーム姿の合成写真。1枚８ドル（約1400円）で24時間限定だ。

佐々木投手の獲得を巡っては、最終的にドジャース、パドレス、ブルージェイズの3球団に絞られていたようだ。各球団ともに、佐々木投手獲得の資金を調達するために、トレードを行うなどしていた。

周囲が「朗希狂騒曲」で沸く中、本人の落ち着きぶりには大物感が漂っている。夢を追いながら、しっかり現実を見据える。それが獲得を希望した球団への宿題に如実に表れたように思える。

100マイル（160キロ）右腕はリアリストだ。これまでのように、しっかりと足元を固めていけば、メジャーのマウンドに立つ日も早く訪れるだろう。佐々木投手の「メジャー第一球」が楽しみだ。

見出し画像：久保田牧土