今季のカープを予想してみる

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チーム・協会

【今季のカープを予想してみる】

【これはnoteに投稿されたガモさんさんによる記事です。】
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 新春一発目は今季のカープについて占ってみたい。新春の挨拶が「ですます調」で急に「である調」になると違和感があるが、今年もである調で行こうと思っている。

 さて、昨年のカープは9月に失速したもののほぼほぼ最終盤まで優勝争いをして面白い一年だった。春先にこの感じだと3位か4位だろうと思った記憶があるので最終的には実力通りの結果だったと思うが、途中まで「何でこのチームで勝ててるんだ?」という謎ムーブが大変興味深い現象であった。いや、最後、急激に結果も収束するわけだが、春先か最後の方まで緊張感あって面白く、おかげで熱心に試合を見ることができて、昨年はほとんど全ての試合(少なくとも120試合以上)を見て、カープの戦力と運用方針をかなり把握出来ているのではないかと思う。というわけで、長くなるが今季がどうなるか予想してみたい。

【2024年のブレイク選手】

 ここで今シーズンの戦力を考える意味でも、昨年新たに戦力化した選手をまずは振り返ってみる。

野手

 まず野手から言うと何と言っても矢野だろう。守備寄りの選手だったが後半は打力も上がって今季にも期待が持てる。特にショートながら終盤でも衰えなかったので亜大出身はやはり体力があるのかもと感じさせられた。野手は他に、二俣石原、かろうじて宇草が戦力化したぐらいか。全体の成績通り、全般的にあまり上手くいかず、若手も思ったように伸びなかった。

投手

 続いて、投手を見ると何と言っても黒原だろう。2021年のドラ1だが、これで森下、栗林と3年連続ドラ1を当てた事になる。これは今後の大きなアドバンテージになるだろう。他には高卒で早くから活躍したアドゥワ玉村もようやく軌道に乗ってローテ入り。特に玉村は終盤に完封も果たして再飛躍の年だったと言えるだろう。他、近年のドラフト組で言うと河野長谷部が戦力化。リリーフでは森浦塹江が再ブレイクし、外国人のハーンも活躍した。栗林の状態は心配だが今年もリリーフ層にはかなり期待できるのではないか。

【2024年に成績の落ちた選手】

 逆に残酷だが昨年、成績を落とした選手も挙げておこう。

野手

 まずは何と言っても、松山田中上本堂林のベテラン四人組だ。一気に衰えて層が薄くなった。このうち堂林は隔年傾向があるのでワンチャン復活する可能性はあるのかもしれないが、他の選手はほとんど今年の戦力には見込めないだろう。ベンチ入りメンバーを考えても、内野の控えで田中か上本が入れるかどうか。しかも、山足を獲ったのでこちらが優先される可能性が高い。他にベテランでは會澤磯村も昨年イマイチだった。これが今年も同傾向だと捕手層が薄くなる。

 他で気になるのは小園の守備と本塁打数の劣化だ。結果的に全試合出場して指標が悪くなったのでマネジメントの問題もあるように思うが、いずれにしても、春先サード守備が改善せずチーム成績も悪ければ、またコンバートになる可能性がある。また期待の末包も最後、壁にぶち当たって不透明な立場になってしまった。坂倉は後半まくったが前半が誤算。主力が思うように伸びなかったのも最終的には痛かった。

投手

 投手は割と順調で大道がイマイチだったぐらい。矢崎も微妙だったが現役ドラフトでトレード。あとは終盤の栗林島内の悪い時期にこだわったのも目立ったといえば目立った。しかし、それぐらいでむしろ順調にいきすぎたのが今年に反動として出なければ良いが、というレベル。

【2025年の新戦力候補】

 次に2025年に期待したい選手を挙げたい。

野手

 野手は、モンテロファビアンの両外国人に期待せざるを得ない。ついで、田村末包がどうなるか。あとはルーキーの佐々木と若い内田佐藤啓あたりも戦力になるかもしれない。もちろん、二俣も候補の一人になる。全般的に内野の方が期待できて外野の期待値が薄い印象だ。中村(三人とも)も今年よりは打つんじゃないかとは思うが。

投手

 投手の方は、まずは常廣をローテの軸として期待したい。ついで高橋昂也を推したい。高橋は昨年最終登板のみであったが、良い投球に見えたし。実績もあるので今年は期待できる。他は九里が抜けたのでの登板機会も増えるだろう。

 新戦力のドミンゲス鈴木健矢は主力に怪我や不調がなければ、コルニエルの代わりにロングリリーフからの起用になりそう。ルーキーの佐藤柳、昨年加入の滝田も先発陣が崩れれば可能性がある。

【2025年の戦力予想】

 以上を踏まえて、2025年の基本戦力を考えてみる。と言っても、広島はレギュラーが決まってるので、あまり考えるのが難しくない。

太字が昨年実績のない選手だが、基本線はこれだろう。

野手

 坂倉/モンテロ/菊池/小園/矢野/ファビアン/秋山/野間

 野手はこのところの外国人の傾向から代替選手をあらかじめ決めておくべきだが、田村、末包がそこに当てはまる。あとは怪我人や不調の状況とルーキーを見極めてどうなるか。怪我がちの選手が多いのでシーズン通すとチャンスは山のようにあるだろうが、春先を考えると意外と競争は少ないように見える。

先発

 床田/大瀬良/森下/玉村/アドゥワ/常廣

 先発は、常廣に実績がないので、森も含めて思ったより競争になるかもしれない。しかし、春先はこれが濃厚だろう。九里は抜けたが、そもそも昨年終盤は中継ぎをしていたので大きな変更はないはずだ。

リリーフ

 栗林/ハーン/島内/黒原/森浦/塹江

 リリーフも大きな変更はないはずだ。栗林が手術明けだが、ひとまず勝ちパ級が六枚いて、これに長谷部、河野が続き、遠藤益田松本あたりがどうなるか。あとは調子の良し悪しと新戦力で厚みが出るかどうかだろう。もちろん、この辺は先発との兼ね合いになるが、ドミンゲスがきっちり入ってくれば、かなり楽になる。

【2025年の予想】

 以上を踏まえた今年の予想だが、昨年は印象も指標も悪いので今年も下馬評が低くなるだろうと思っていたら、新春の評論家の予想が意外と高くて驚いた。しかし、個人的にもセンターラインが強くレギュラーが固まっているのでそれほど悪くないのではと思っている。

期待

 悪くないと思う理由としては、そもそも外国人が昨年いなかったに等しいので外国人がWARマイナスで足を引っ張らない限り普通に戦力アップが期待できる。

 また既存戦力で一番上積が見込めるのは小園の三塁守備ではないか。ショートながら一昨年は悪くなかったし。普通にいけば今年は春先からポジションが決まっているので改善できるように思う。また長打力も一昨年と代表での活躍を見るに改善できる可能性がある。若手では、田村、二俣が順当にいけば、昨年より戦力になると予想する。

 投手は昨年順調すぎて、あまり言う事がない。強いていえば、斉藤と日高に頑張って出てきてほしい。

課題

 最後に上記を踏まえて、広島の課題を書く。

 まずレギュラーが決まっている割に長打寄りの選手が少なく外国人頼みになってしまう。これは普通の見立てだが、これを改善できるかが最も重要な課題となる。末包、田村の成長も大きな鍵となるのではないか。

 またレギュラーでは、菊池、秋山が年齢的に若干の不安があって、矢野が実質二年目でどうなるか。おそらくここが崩れるのを想定して、ドラフトで宗山を指名、結果、サードの佐々木を獲ったのだろう。このへんのマネジメントがうまくいくかも鍵だろう。

 センターは秋山、野間に続いて、大盛が筆頭となるが、現状レフトの打力が弱いので、この辺はファビアンが戦力になるかどうかで状況がかなり変わるはずだ。外野は薄いのでまた二俣が外野を守る機会も今年も増えるかもしれない。羽月などは内野からのコンバートも一考の余地ありかと。

 投手陣は昨年、同じ選手を使いすぎてバテたと思うので、それも踏まえて春先は多めの選手起用を考えて層を厚くするように動くのではないか。また、昨年は先発が良すぎて、河野、コルニエルが暇化するなど勿体無い感じがあった。しかし、今年は九里も抜けたし。リリーフの登板機会も増えて、いろいろな選手に出番が多く回ってくる可能性が高い。というより、マネジメントとして多く回す必要があると思う。

 いずれにしても、投手は現状ギリギリ優秀な選手のみでシーズンが回せそうなぐらいの適度なラインナップになっている。新戦力と怪我、不調、マネジメント次第でかなり結果が変わりそうな気がするが、裏を返せば、ドミンゲスを筆頭に新戦力が出てくれば、かなり楽になるはずだ。

まとめ

 以上。最後に課題を置くと若干暗くなるが、二年連続、下馬評を覆して優勝争いしているので、これが三年目も続いて三年連続期待値より順位が上になるか、本格的に今年指標と順位の乖離が収束するのか。そんな所もまた今年のカープの見どころの一つになるだろう。
 まだこの先、カープは人的補償の選手が追加されるかもしれないが、年も越えたのでキャンプまでは後少し。今年もカープのみならずプロ野球全体、MLBも含めて野球を楽しんでいきたい!

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