【Road to Rice Bowl 78 パナソニック編②】プレーオフでは相手に与えたTDはなし 相手を「零封」するディフェンスの真骨頂

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プレーオフ・ライスボウルトーナメント(RBT)の2試合でパナソニック インパルスが相手に与えた失点はセミファイナルのオービックシーガルズ戦での5点のみだ。もっとさかのぼると、秋季リーグ戦の第5節の第2クオーターで東京ガスクリエイターズにタッチダウンを許した後は14クオーター(3試合半)連続で相手によるタッチダウンを零(ゼロ)に封じていることになる。

スタッツを見ると、クオーターファイナルではエレコム神戸ファイニーズのオフェンスに計344ヤードを許している。セミファイナルのオービック戦では278ヤードだ。いずれもオフェンスとしては申し分ない数字で、タッチダウンを2~3本くらい挙げていてもおかしくない。しかし、実際はエレコム神戸を完封し、オービックにはセーフティとフィールドゴールによる得点しか与えていない。ゲインは許してもエンドゾーンはしっかりと守り切っているのだ。

エレコム神戸戦でインターセプトを記録したパナソニックDB清家大志 【X LEAGUE】

エレコム神戸戦では要所で2つのインターセプトが起きた。最初はランニングバック(RB)立川玄明のタッチダウンランで7‐0とリードした直後のエレコム神戸の攻撃だ。自陣20ヤードからランとパスを混ぜて順調にドライブを進めていたが、パナソニック陣内に入ったところでクオーターバック(QB)デイビッド・ピンデルのパスをディフェンスバック(DB)清家大志がインターセプト。このターンオーバーで得たチャンスをパナソニックはキッカー(K)佐伯眞太郎の28ヤードフィールドゴールにつなげて点差を10‐0とした。

オービックQBタイラー・クルカ(左)を後ろからタックルするパナソニックDL有村雄也 【X LEAGUE】

続くエレコム神戸の攻撃でも、DBワイズマンモーゼス海人のインターセプトによってポゼッションを奪い取った。

オービックとのセミファイナルではQBタイラー・クルカにサックの洗礼を浴びせ続けた。この試合ではディフェンスライン(DL)有村雄也やラインバッカー(LB)ジャボリー・ウィリアムスら7選手が計9個のサックを記録し、実に61ヤードものロスをオービックに強いたのである。これではレギュラーシーズンでリーグ2位の得点力を誇ったオービックもエンドゾーンを陥れることはできなかった。

昨今のNCAAフットボールやNFLではオフェンスが圧倒的にディフェンスを凌駕しているためあまり聞かれなくなったが、フットボールでは「ディフェンスこそが優勝を勝ちとる」とも言われる。今年のパナソニックはこの言葉を久しぶりに思い出させる強固なディフェンスを持っている。
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