【Road to Rice Bowl 78 パナソニック編①】秋季リーグ序盤の不安をかき消すミスのないフットボールと圧倒的なターンオーバー率

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2021年シーズンから続くでレギュラーシーズン無敗を維持し、第4節で早々とプレーオフ・ライスボウルトーナメント(RBT)出場を決めた今季のパナソニック インパルス。秋季リーグ戦の連勝は24に伸びたが、それがもう少しで途絶えそうだったのが第2節のSEKISUIチャレンジャーズ戦だった。

パナソニックは結果的に勝利を得たものの、SEKISUIがタッチダウンの後のトライフォーポイントのキックを失敗したための1点差での薄氷の勝利だった。わずか1試合ではあるが、この結果をもって今年のパナソニックに不安を持つ向きがあったことは否定できない。

今季インターセプトを喫しておらず、抜群のボールセキュリティを誇るパナソニック インパルスQB荒木優也 【X LEAGUE】

今季からオフェンスコーディネーター(OC)を担当する矢部寛之コーチも今季一番つらかった試合としてこのSEKISUI戦をあげた。矢部OCは、「今年やろうとしていたことから外れていた。やらなくていいことまでいろいろやりすぎてしまった。そこから絞ってここまで来た」と、ライスボウル直前に開催されたインタビューセッション・メディアデーで語った。「もともとパナソニックは荒木(延祥)前監督のころからフィジカルとファンダメンタルにはいいものを持っていた」(矢部OC)から、シンプルにそこに立ち返ったことが功を奏したということか。

パナソニックが安定してリーグ戦を勝ち続けてきた理由には、致命的なミスを極力抑えてきたということもある。レギュラーシーズンの6試合で、ターンオーバーによるボールの所有権喪失はわずかに1回。これは驚異的な数字だ。クオーターバック(QB)荒木優也も被インターセプトがなかった。これもまた快挙である。

今季リーグトップの4インターセプトを記録したパナソニックDB山元耀 【X LEAGUE】

一方で、ターンオーバーを獲得した数も13(レギュラーシーズン)と多いのがパナソニックの特徴だ。開幕節のPLEIADES福岡SUNS戦では6インターセプト、第4節の富士フイルム海老名Minerva AFC戦では5つのターンオーバーを記録するなど容赦なかった。ターンオーバーを獲得した数と失った数の差を表すターンオーバー率はプラス12で、X1 Superでダントツのトップだ。高山直也HCも「ターンオーバーバトルでは負けない」と自信を深める。

パナソニックの今季のサードダウンコンバージョン率(サードダウンでファーストダウンを更新する確率)は32パーセントで、RBT出場の8チームで最も低い。にもかかわらずリーグ3位の得点力とオフェンスによるタッチダウン数を誇るのはターンオーバーバトルに強いことが大いに関係している。

パナソニックはリーグ戦終盤には相手のミスを逃さずにチャンスにつなげていくしたたかさを発揮するようになり、第5節の川崎遠征で東京ガスクリエイターズを破り、第6節には難敵のノジマ相模原ライズを下してRBTへと突入していく。
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