「リング上で完全決着しないとボクの引退ロードも良いスタートを切れない。最高のスタートを切るためにも“完全決着”にしたい」“ファイナルロード”一発目！ 1.4東京ドームでEVILとの遺恨決着戦に挑む棚橋弘至にインタビュー！
撮影／タイコウクニヨシ
■『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム』
2025年1月4日(土) 14:45開場 17:00試合開始 ※第0試合は16:00開始
東京・東京ドーム
※「ロイヤルシート」「アリーナＡ」「バルコニースタンド」「逸材シート」「ソファーシート」「ファミリーシート」は完売、「アリーナB」は残りわずか。
2025年1月5日(日)11:00開場 13:00試合開始 ※第0試合は12:00開始
東京・東京ドーム
※「ロイヤルシート」「バルコニースタンド」「ソファーシート」「ファミリーシート」は完売、「アリーナA」は残りわずか。
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■やはりスリーカウントを取ったり、ギブアップを奪ったりとか、そういったプロレスのおもしろさや良さが出る闘いをボクらはやるべきだと思っている
棚橋 いや、そこはより腹がくくれたというか、残された時間をどう闘うかって方向に気持ちをもう完全に切り替えてますね。
――引退発表時には「残り1年2ヵ月」と発言されました。それからドンドンと時間が減ってきているわけですが、時間の経過につれて焦りを感じたりは？
棚橋 全然ないですね！（キッパリ）。（10.14）両国で「再来年のドームで引退します」って言ったときは「ああ、ついに言っちゃった」っていう感じでしたけど。まあ、言う覚悟は以前からしていたんですけどね。
棚橋 その気持ちはいまも変わらないですけど、実際に現行のシリーズがあったりとか、試合数であったりとか、そういうところを何も考えずに言ってしまったので。ただ、いろいろとゆかりのある選手や、（歴代の）付き人とはなるべくやりたいと思いますね。
――ご自身の中で引退ロードのポイントになる部分はイメージしていますか？
棚橋 そこも全然まだ何もないですね。でも、心の奥に「最後はアイツがいいかな……」っていう気持ちはありますけども（微笑）。
棚橋 そうですね。EVILとは、2024年からの流れを受けての1.4東京ドーム大会というカタチですね。もうホントに反則・乱入・介入で不透明決着が続いて、ボクのSNSにもたくさんご意見を頂いて、会社のお問い合わせフォームにもいっぱいご意見をもらって……。
コロナ渦が落ち着いて、ようやく声も出せるようになって、やっとプロレスに声援が戻ってきたタイミングがきて、みなさんが「さあ、声を出して楽しみたい！」「スッキリしたい！」って状況の中で、HOUSE OF TORTURE（以下、H.O.T）がやりたい放題で大暴れして……。もちろんH.O.Tのファンの方もいるので、そういう方にとっては良いのかもしれないけど。
――社長兼レスラーという立場である部分が、よりH.O.Tに向き合わなければいけなくなったということなんでしょうか？
棚橋 ただ、もともとレスラーというのは、会社が「こうしろ」って言って聞くような性分ではないですけど。個人としてはチャンピオンになりたいとか、優勝したいとか、活躍したいって想いの先に「新日本プロレスを大きくしたい」「プロレスを好きになってもらいたい」っていう大きい目標がないとダメだなと思っています。
そうした大きい目標を見据えての方向性だったら良いと思うんですけど、正直、いまの彼らからそういう部分は感じられないですしね。
棚橋 そこはムチャクチャ評価していますよ。スピードがあるし、技も正確ですし。とにかくミスが少ない。それは集中力が高いというのもあるし、パワーや、強靭な肉体もあるし……。まあ、現在のスタイルは、彼自身が選んだ道で、そこであってもトップを獲るということなんでしょうけど。
――EVILとして新日本マットに登場してから、かなり時間が経ちましたが、ここまで厄介な存在になる予感はありましたか？
――2024年は年間を通して激しい抗争がありましたし、今回の東京ドームはお二人とも“決着戦”と考えていると思います。
棚橋 ここはリング上で完全決着しないとボクの引退ロードも良いスタートを切れないので。最高のスタートを切るためには、完全決着したいんですけど、ただ、この東京ドームという場所は自分に分があるかなって思います。
■“H.O.Tヘイト”で一度は去って行ったファンを「やっぱり新日本プロレス、おもしろいじゃん」って年始から思わせたいですね
棚橋 毎回毎回、何をやっても乱入や介入があるんだったら、そこに頼らない闘いというか、「もう1対1で決着つけようぜ？」「おまえも言い訳が出来ないだろ？」ってことですね。
――EVIL選手を完全に追い詰める術ということで選んだと。この試合にネクストがあるとまた大変ですし。
棚橋 やっぱり、この1.4東京ドームでケリをつけて本当に完全決着……。何がどういう結果になってもその他のルールだったら、言い訳してきそうじゃないですか？ でも今回のルールで、1対1で勝負が決まれば、そこに言い訳を挟み込む余地はないと思うので。
棚橋 あの野郎、バッサリいきやがってね。前髪とか脳天をいかれなくて良かったです。たまたま、ボクが横を向いていたからまだ良かったんですけど……。
――“敗者髪切りマッチ”について言及もしていましたが、その点については？
棚橋 まあ、実行委員会がどう判断するかわからないですけど……2人の約束にするか、それともランバージャックにプラスで敗者髪切りマッチにするか。おたがいにロン毛なのでリスクは大きいですね。まあ、リスクはデカいほうがおもしろいですけど。
棚橋 それがまだハッキリとは固まっていなくて……。まあ、確実な部分でいくと、矢野通とボルチン・オレッグがいますよね。この2人はNEVER無差別級6人タッグ王座のパートナーですから心強いです。そもそも矢野って、凶器攻撃の達人ですからね。
――じつはそうなんですよね。
それにいざとなったらボルチンに向こうのセコンドを総ナメにしてもらいますから。あと、新日本にはたくましいヤングライオンたちがいますから。付き人の村島（克哉）を含め、ヤングライオンに棚橋の背中を見せるチャンスかなって。
とにかく今回はランバージャックという試合形式が最大限に活きるセコンドを準備して、ボク自身が納得するカタチでシッカリと勝ちたいなと。その結果、“H.O.Tヘイト”で一度は去って行ったファンを「やっぱり新日本プロレス、おもしろいじゃん」って年始から思わせたいですね。
棚橋 もうリミットの振り切り方については、ボクが自分でスイッチを入れてしまったので、あの熊本大会のように、最初からイスを乱打した時くらいの状態でいきますよ。「最初からクライマックス」でいきます。だから、「短期決戦になるかもしれないぜ？」って感じですね。
棚橋 ハイ。繰り返しになるかもしれないけど、この1年間でファンをガッカリさせてしまった部分があると思うんですよ。「新日本プロレス、こんな闘いするなら観に行かなくていいや」とかね。どうもスッキリしなかったって人にもう一回だけチャンスをもらって、「俺がEVILを成敗するから！」と。「もう二度とそんなことさせないから、また新日本プロレスを観に来てよ？」って、そういうメッセージを込めて、試合をしたいですね。
■棚橋が社長になって新日本プロレスが上向いているのか？ 横ばいなのか？ それとも下向きなのか？ そういう部分が如実に出てしまうので今回の東京ドーム2連戦はなんとか盛り上げて乗り越えたいですね
棚橋 いや、大変と思ったことは一度もないです。本当にやりがいと充実感しかなくて……全然休んでないですけどね。今年、数えたら休みが7日しかなくて。365分の7……ってコレはちょっと働き過ぎなんじゃないかなと思うんですけど、取締役は労働基準法の対象外ということで。だから今、棚橋弘至は使い放題。棚橋かサブスクかみたいな感じで（苦笑）。でも、全然大丈夫なんですよ、ボクは疲れないから。
――なるほど。社長として挑む東京ドーム2連戦は今回が初めてになりますが、レスラーだったときとは違う視点がありますか？
棚橋が社長になって新日本プロレスが上向いているのか？ 横ばいなのか？ それとも下向きなのか？ そういう部分が如実に出てしまうので今回の東京ドーム2連戦はなんとか盛り上げて乗り越えたいですね。
――最後にこの東京ドーム2連戦、レスラーとして何を見せたいか？ 社長として何を見せたいか？ それぞれお聞かせください。
「まだまだ出来るじゃん？」「辞めるなよ」ってファンに惜しまれながら去っていく。そんなヒーローみたいな去り方をしたいかな……。社長としても1年間全力で走ってきて、会議だったり、会社の収益を見たり。どこで利益を得ていて、どこで損出があって、どこが見込みアリとか数字の部分も……ボクは算数や数学が超苦手だったんですけど、もう背に腹は代えられないんでね。
（了）
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