先発3本柱が2桁勝利&規定到達。リリーフ陣も安定し2位に躍進【北海道日本ハムファイターズ2024:投手編】

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北海道日本ハムファイターズ・山崎福也投手(左)伊藤大海投手(中)加藤貴之投手(右) 【写真:球団提供】

 新庄剛志監督就任3年目、2年連続最下位からの逆襲を目指して挑んだ2024シーズン。北海道日本ハムファイターズは75勝60敗8分、勝率.556で2位と大躍進を遂げた。本記事では投手編、野手編に分け、北海道日本ハムの2024シーズンを振り返っていく。

先発3本柱が2桁勝利。守護神&セットアッパーはキャリアハイの成績を残す

 今季は伊藤大海投手、加藤貴之投手、山崎福也投手が規定投球回到達&2桁勝利を達成。17試合に先発した2年目の金村尚真投手も136回を投げるなど、この4投手を軸に先発ローテーションを回した。

 リリーフでは、田中正義投手がキャリア初の50試合登板を達成し、河野竜生投手は自己最多52試合登板で最優秀中継ぎ投手賞を受賞。ほかにも生田目翼投手、マーフィー投手、杉浦稔大投手が40試合以上に登板し、ブルペンを支えた。結果的にはチーム防御率2.94(2年連続リーグ3位)をマークしている。

ルーキーイヤーから4年連続規定到達。最多勝利&最高勝率の2冠を達成したエース

 プロ4年目の伊藤投手は、初の開幕投手を務めた。6回9奪三振無失点で白星スタートを決めると、4月は4試合で26回を投げて2勝0敗、防御率1.73の好成績をマーク。その後は5月と8月に月間防御率4点台と不調に陥ることもあったが、9月は3試合連続で完投勝利(うち2完封)を挙げるなど、4試合で34回を投げて4勝0敗、防御率1.06と圧巻の投球を続けた。3、4月度、9、10月度は「大樹生命月間MVP賞」に輝いている。

 最終的には、26試合で14勝5敗、勝率.737で最多勝と最高勝率の2冠を獲得し、リーグ3位の176.1回(4年連続規定到達)、リーグ2位の161奪三振も記録。WHIPは1.07といずれもキャリアハイの成績を残し、チームの2位躍進に大きく貢献した。

左のエース・加藤貴之は自身初の2桁勝利を達成

 加藤貴投手も4年連続の規定投球回に到達。開幕から3連敗と出だしは苦しんだが、4登板目となった4月21日の千葉ロッテ戦で、9回9安打1四球5奪三振無失点で今季初勝利を完封勝利で挙げる。5月25日の東北楽天戦でも9回4安打無四死球4奪三振無失点で完封勝利をマークした。

 しかし、以降は白星を挙げられず、7月1日に登録抹消。同12日に一軍復帰を果たすと、7月は3試合で22回を投げ、防御率0.82と復調した。以降は再び先発として登板を重ね、9月22日のオリックス戦で9回5安打無四死球6奪三振2失点で完投勝利。この試合で10勝に到達し、自身初2桁勝利を達成した。最終的には27試合で10勝9敗、166.2回を投げて防御率2.70と安定した成績を残している。

FA移籍の山崎福也は自身初の規定投球回到達

 国内FA権を行使して今季から北海道日本ハムに加わった山崎福也投手は、4月2日の本拠地開幕戦で移籍後初先発。6.1回3失点(自責点2)で敗戦投手となったが、同9日に移籍後初勝利を挙げると、4月30日には自身7年ぶりの完投勝利をマークするなど5月にかけて負けなしの6連勝を記録した。

 6月に防御率5.24、9月に防御率6.63と波はあったが、それ以外の月は防御率2点台以下を記録。結果的には24試合で10勝6敗、防御率3.17で2年連続2桁勝利、147.2回を投げて自身初となる規定投球回にも到達した。

金村尚真は今季途中から先発転向

 金村投手は開幕からリリーフとして活躍し、5月1日時点で防御率0.63と好投すると、同8日の福岡ソフトバンク戦で今季初先発を果たす。先発転向後は好投しながらも7試合白星なしと援護に恵まれなかったが、7月2日の千葉ロッテ戦で今季先発初勝利をマーク。その後は順調に白星を挙げ、8月6日には完投こそつかなかったものの、9回6安打1死球3奪三振1失点の快投を見せた。最終的には29試合登板、うち17試合で先発して7勝6敗、6ホールド、136回を投げて防御率2.38の好成績を残している。

北山亘基、福島蓮も先発として一定の成績

 上述した4投手に次いでイニングを消化したのは北山亘基投手だった。

 北山投手は自身初の開幕ローテーション入りを果たし、4月20日に9回4安打2四死球7奪三振無失点でプロ初完投・初完封をマークするなど、4月は4試合で防御率1.29の快投を披露。しかし、5月は2試合で防御率10.13と調子を落とし、同16日に登録を抹消された。

 6月4日に一軍復帰したが、同7日に左第3趾中足骨疲労骨折と診断されて戦線離脱。8月16日に一軍復帰を果たし、以降は先発としてローテーションを支えた。結果的には14試合で5勝1敗、81.2回を投げて防御率2.31の成績。オフには「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の日本代表に選出され、リリーフとして登板した。
 2021年の育成ドラフト1位で入団した福島蓮投手は、開幕前の3月14日に支配下登録。4月17日のプロ初登板は、5回72球4安打1四球5奪三振2失点の内容だった。5月は3試合で15回を投げ、防御率2.40の成績も、プロ初勝利はならず。

 6月2日の横浜DeNA戦で7回100球5安打2四球2失点と初のQSを達成し、プロ初勝利をマーク。以降は先発として登板を続けたが、8月23日の福岡ソフトバンク戦で3.2回7安打5失点と崩れ、この試合を最後に一軍登板はなかった。結果的には、12試合で2勝3敗、61回を投げて防御率3.54の成績を残した。

リリーフでは田中正義、河野竜生がフル回転

 田中正投手は、キャリア最多の53試合に登板して4勝4敗、20セーブ、12ホールド、防御率2.17の成績を残した。今季は前半戦終了時点で37試合に登板し、防御率1.78と安定した投球を披露。しかし、8月4日にサヨナラ負けを喫して同6日に登録抹消。9月頭の復帰後は一軍で登板を続けた。セーブ数は前年の25から減らしたが、他部門ではキャリアハイの成績をマークしている。
 河野投手は田中正投手に次ぐ52試合に登板。開幕から15試合連続無失点を記録するなど、好スタートを切った。6月は防御率4.50、8月は防御率6.14と乱調も、1勝4敗、33ホールド、防御率2.13でシーズンを終え、自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞を受賞した。また、7月には自身初の球宴出場も果たしている。

プロ6年目の生田目翼がリリーフとして活躍

 2018年のドラフト3位で日本通運から入団した生田目投手。即戦力として期待されながらも2023年までの5年間で一軍登板は15試合と、苦しいシーズンが続いていた。プロ6年目の今季は開幕一軍入りを果たすと、リリーフ陣では唯一抹消されることなく、シーズンを完走。43試合で1勝1敗、9ホールド、防御率3.89の成績を残した。

2年連続最下位から2位に躍進。新庄剛志4年目の来季は2016年以来の優勝へ

 リリーフ陣ではほかにも、杉浦投手が40試合で防御率1.56、マーフィー投手が40試合で防御率3.26の成績をマーク。山本拓実投手は36試合で防御率1.82、17年目の宮西尚生投手も30試合で防御率2.10の好成績を残した。
 右ひじの違和感で離脱していた池田隆英投手は、7月2日に今季初登板を果たすと、そこから29試合に登板し、後半戦を支えた。3年ぶりに復帰したバーヘイゲン投手は7月13日に今季初登板し、計9試合で2勝2敗、防御率3.12の成績だった。

 2年連続最下位から2位に躍進した2024シーズン。投打でレベルアップを果たしたチームは、新庄剛志監督4年目の来季にどのような戦いを見せるか。2016年以来のリーグ優勝へ、期待が高まる。

文・東海林諒平
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