FC町田ゼルビア 2024シーズンレビュー
【これはnoteに投稿されたりんぐさんによる記事です。】
おはこんばんちは。
今シーズンを振り返りましょうというやつです。最後までお付き合いいただければと思います。
FC町田ゼルビアは、周囲の期待を大きく上回る活躍で、最終的にはリーグ3位でしたが、最終節まで他力ながら優勝争いに絡めたのはひいき目でもすごいことだなーと思ってます。
個人的な意見ですが、シーズン通してフットボール以外の話題があまりにも多すぎで、FC町田ゼルビアがどういうサッカーをやっているのか?みたいな話がほとんどメディアから出てこなかったのは残念でした。(監督がおしゃべりすぎて火に油を注ぎまくっていたのは否めない)
ということで、フットボール面で振り返ろう!というのがこのシーズンレビューです。よろしくお願いします!
今シーズンを振り返りましょうというやつです。最後までお付き合いいただければと思います。
FC町田ゼルビアは、周囲の期待を大きく上回る活躍で、最終的にはリーグ3位でしたが、最終節まで他力ながら優勝争いに絡めたのはひいき目でもすごいことだなーと思ってます。
個人的な意見ですが、シーズン通してフットボール以外の話題があまりにも多すぎで、FC町田ゼルビアがどういうサッカーをやっているのか?みたいな話がほとんどメディアから出てこなかったのは残念でした。(監督がおしゃべりすぎて火に油を注ぎまくっていたのは否めない)
ということで、フットボール面で振り返ろう!というのがこのシーズンレビューです。よろしくお願いします!
プレビューとの答え合わせ
シーズン前にプレビューを書いたので、まずはその答え合わせからしましょう。この機会に、あいつこんなこと言ってたのかーと読み返すのもいいかもしれないですね。
※リンク先は外部サイトの場合があります
黒田監督からは「5位以上、勝ち点70を目指し、ACL出場権争いに食い込んでいきたい」という趣旨の発言が聞こえてくる。(中略) 個人的にはあり得なくもないが、まずは残留が目標。選手が39人いても、J1で1シーズン試合に出続けた選手も少ないし、そう簡単に行かないでしょ、と思う。(中略) ので、今年は手を使ったファウルが増えそう。これだけは予想できる。
成績は勝ち点66で3位。勝ち点70は達成できなかったが、ほぼ達成したといって良さそうです。私は、残留目標と言っていましたが、実際昌子なんかも同じように残留争いだろうなー的なことを考えていたみたいなので、みんな半信半疑だったのは間違いないですね。あとは「選手が39人いても、J1で1シーズン試合に出続けた選手も少ないし、そう簡単に行かないでしょ、と思う。」と言ったが、J1で出続けた経験者が少ないのは優勝争いに大きく響いた感じでしたね。最後は、実際にシーズン序盤はスピードに追い付いていけず、余計なファウルが多かったのは事実としてあったと思います。特に4月の広島戦とか。
成績は勝ち点66で3位。勝ち点70は達成できなかったが、ほぼ達成したといって良さそうです。私は、残留目標と言っていましたが、実際昌子なんかも同じように残留争いだろうなー的なことを考えていたみたいなので、みんな半信半疑だったのは間違いないですね。あとは「選手が39人いても、J1で1シーズン試合に出続けた選手も少ないし、そう簡単に行かないでしょ、と思う。」と言ったが、J1で出続けた経験者が少ないのは優勝争いに大きく響いた感じでしたね。最後は、実際にシーズン序盤はスピードに追い付いていけず、余計なファウルが多かったのは事実としてあったと思います。特に4月の広島戦とか。
今シーズンも4-4-2が軸と予想。3-4-2-1や3-5-2もできそうな選手たち。なんなら、3-5-2の方がハマりそうな試合もありそう。
続いて、フォーメーションと序列の話をしています。これは予想通り、というか前年からの継続と考えると、この2つの形しか思い浮かばなかったです。実際、シーズン初めは4-4-2でスタートして、夏場以降勝てなくなって3-5-2(3-3-2-2)に変えてもう一回勝つという流れは今季も似ていたかなと。とはいえ、同じ3-5-2でもやり方は全然異なっていたので、そこはきちんとアップデートできているんだなと感心しました。
続いて、フォーメーションと序列の話をしています。これは予想通り、というか前年からの継続と考えると、この2つの形しか思い浮かばなかったです。実際、シーズン初めは4-4-2でスタートして、夏場以降勝てなくなって3-5-2(3-3-2-2)に変えてもう一回勝つという流れは今季も似ていたかなと。とはいえ、同じ3-5-2でもやり方は全然異なっていたので、そこはきちんとアップデートできているんだなと感心しました。
ただ、プレスがハマらなかったり、蹴ってこられると後ろが晒されたり、背後取られての失点は昨シーズンもあったので、そこのリスク管理はしかりしておきたい。
(中略)
神戸とか福岡みたいにゼルビアの上位互換みたいなチームが多いので、そういうチームに勝てるかどうかが順位が決まってきそう。
次に大まかな試合展開の予想をしています。これもほぼほぼ予想通りでしょうか。後ほど細かく書きますが、平河離脱後からよりプレスがハマらなくなったり、町田対策がリーグ全体に浸透した結果、背後を取られて失点という形はどんどん増えていったのは事実としてあります。また、J2ではいわきや秋田、栃木のような「強度!徹底の徹底!」みたいなチームや徳島や甲府のようなある程度ボールを動かせるチーム(主に3バック採用)に勝てませんでした。J1でも神戸や湘南のような強度系チーム(中後鹿島もこっちかな)、広島や新潟、木谷鳥栖など競り勝てない、プレスもハマらないと攻撃がお手上げになってしまい、守備も一瞬ひっくり返されたところを仕留められるみたいなのは今シーズンも見られました。
要は、人は代わったけど、同じような課題が今年も付きまとっていたわけで、人がアップグレードされてハマった時は昨シーズンと同じように強いけど、ダメな時も同じようにダメだったということです。つまりコーチ陣は解決策を持ち合わせていなかったということです。しんどい。
残念ながら、私のネガティブな予想が当たっていたことになりますが、きっと来シーズンはもっと苦しいだろうなと思っております。
(中略)
神戸とか福岡みたいにゼルビアの上位互換みたいなチームが多いので、そういうチームに勝てるかどうかが順位が決まってきそう。
次に大まかな試合展開の予想をしています。これもほぼほぼ予想通りでしょうか。後ほど細かく書きますが、平河離脱後からよりプレスがハマらなくなったり、町田対策がリーグ全体に浸透した結果、背後を取られて失点という形はどんどん増えていったのは事実としてあります。また、J2ではいわきや秋田、栃木のような「強度!徹底の徹底!」みたいなチームや徳島や甲府のようなある程度ボールを動かせるチーム(主に3バック採用)に勝てませんでした。J1でも神戸や湘南のような強度系チーム(中後鹿島もこっちかな)、広島や新潟、木谷鳥栖など競り勝てない、プレスもハマらないと攻撃がお手上げになってしまい、守備も一瞬ひっくり返されたところを仕留められるみたいなのは今シーズンも見られました。
要は、人は代わったけど、同じような課題が今年も付きまとっていたわけで、人がアップグレードされてハマった時は昨シーズンと同じように強いけど、ダメな時も同じようにダメだったということです。つまりコーチ陣は解決策を持ち合わせていなかったということです。しんどい。
残念ながら、私のネガティブな予想が当たっていたことになりますが、きっと来シーズンはもっと苦しいだろうなと思っております。
昨シーズンからの継続効果でスタートダッシュ
ここからは、ちゃんとした振り返りをしたいと思います。タイトル通り、昨シーズンから監督、コーチ、屋台骨となる選手たちがそのまま残ったので、新戦力の融合がスムーズにいった結果、前半戦は町田旋風に近い状況だったと思います。
フットボール的には4-2-4の形で前線からハメていくプレッシングと、4-4の強固なブロックを敷く撤退守備で、最終的に最多クリーンシート、最少失点を達成しました。これは昌子がここ数年苦しんでいたコンディションを試合に出ることでベストに持ってこれたことと、谷の加入が大きかったのではないかなと当たり前ですが、感じる部分ではあります。もちろん、チャンミンギュがJ1でもフィジカル的に通用したこと、ドレシェビッチが日本に適応できたことも大きいと思います。
攻撃は、デュークから新加入のオセフンがターゲットマンの中心になり、序盤は空中戦勝率はかなり高く、ロングボールからSHや藤尾が裏を取っての疑似カウンターは結構見られた形でした。それ以外の攻撃の形は、平河悠、バスケスバイロンの両SHの質を活かした仕掛けと鈴木準弥のクロスくらいで、ファイナルサードの崩し方の整備は相変わらず質に頼ったものであるなという感じでした。
攻守ともにSHに運動量と貢献度を求めた代償は夏以降に表に出てきますが、それは後ほど。
そして、セットプレー。ロングスローのスロワーが右は鈴木準弥、左は林幸多郎で、中央にオセフンがいるというのは、相手としてはかなり怖かったのではないでしょうか。とはいえ、鹿島はスロワーに対して1人立たせる警戒用で、さすがは鹿島、要点を掴んでいるなと感心しました。コーナーキックでも、昨年以上に難しいトリックを仕込んできましたが、それを得点に結びつけられる精度を持ったキッカー(ナサンホ、下田北斗など…)がいたのも大きいなと思いました。
良かったところをつらつらと上げてきましたが、もちろん悪いところもありました。
先述の通り、強度で上回られたり、空中戦勝率が下がった瞬間に何もできなくなる試合があったのは見逃せません。4月の広島、神戸、磐田との対戦がそれに該当します。特に、磐田には「J1の皆さんに町田攻略法をお教えしますねー」という感じで町田対策をバラされてしまった感じがします。6月の新潟戦は強度や空中戦という町田が得意としている土俵ではなく、あくまでも自分たちの土俵の上で、町田を完全に攻略していたので、気持ち良かっただろうなあという感じです。あの試合は全然プレスがハマらなくて、印象としては昨シーズンの10/1いわき戦に近いやられ方だったかなと思います。(7/22の千葉戦も似たような感じかも)
それでも、中途半端な町田対策を強いてきたチームには、しっかりと上回ることができていたので、そこはJ1残留と1ケタ順位を確信できたポイントでした。
フットボール的には4-2-4の形で前線からハメていくプレッシングと、4-4の強固なブロックを敷く撤退守備で、最終的に最多クリーンシート、最少失点を達成しました。これは昌子がここ数年苦しんでいたコンディションを試合に出ることでベストに持ってこれたことと、谷の加入が大きかったのではないかなと当たり前ですが、感じる部分ではあります。もちろん、チャンミンギュがJ1でもフィジカル的に通用したこと、ドレシェビッチが日本に適応できたことも大きいと思います。
攻撃は、デュークから新加入のオセフンがターゲットマンの中心になり、序盤は空中戦勝率はかなり高く、ロングボールからSHや藤尾が裏を取っての疑似カウンターは結構見られた形でした。それ以外の攻撃の形は、平河悠、バスケスバイロンの両SHの質を活かした仕掛けと鈴木準弥のクロスくらいで、ファイナルサードの崩し方の整備は相変わらず質に頼ったものであるなという感じでした。
攻守ともにSHに運動量と貢献度を求めた代償は夏以降に表に出てきますが、それは後ほど。
そして、セットプレー。ロングスローのスロワーが右は鈴木準弥、左は林幸多郎で、中央にオセフンがいるというのは、相手としてはかなり怖かったのではないでしょうか。とはいえ、鹿島はスロワーに対して1人立たせる警戒用で、さすがは鹿島、要点を掴んでいるなと感心しました。コーナーキックでも、昨年以上に難しいトリックを仕込んできましたが、それを得点に結びつけられる精度を持ったキッカー(ナサンホ、下田北斗など…)がいたのも大きいなと思いました。
良かったところをつらつらと上げてきましたが、もちろん悪いところもありました。
先述の通り、強度で上回られたり、空中戦勝率が下がった瞬間に何もできなくなる試合があったのは見逃せません。4月の広島、神戸、磐田との対戦がそれに該当します。特に、磐田には「J1の皆さんに町田攻略法をお教えしますねー」という感じで町田対策をバラされてしまった感じがします。6月の新潟戦は強度や空中戦という町田が得意としている土俵ではなく、あくまでも自分たちの土俵の上で、町田を完全に攻略していたので、気持ち良かっただろうなあという感じです。あの試合は全然プレスがハマらなくて、印象としては昨シーズンの10/1いわき戦に近いやられ方だったかなと思います。(7/22の千葉戦も似たような感じかも)
それでも、中途半端な町田対策を強いてきたチームには、しっかりと上回ることができていたので、そこはJ1残留と1ケタ順位を確信できたポイントでした。
平河悠の離脱と急ぎすぎた代償
前半戦は、昨シーズンからの継続と人の質が上がったことで案外上手く行ったのは、先述の通りです。
しかし、それがあるきっかけで一気に歯車が狂ってしまいました。それが、平河悠の離脱です。平河悠は、藤尾翔太と一緒に、パリ五輪のメンバーに選ばれましたが、その後イングランドのブリストル・シティとの契約のため、代表招集よりも一足先に旅立ってしまいました。そもそも、彼はシーズンが始まる前は、代表の中でも当落線上の選手でしたから、まさかオリンピックに行くどころか、ヨーロッパへ旅立ってしまうとはシーズン前に誰も予想していなかったのでしょうか。
それだけでなく、オセフンが韓国代表に選ばれたり、望月ヘンリー海輝がA代表に選ばれたりと、J2の牧歌的な環境に慣れ親しんできた私の想像をはるかに超えるような人数がインターナショナル・ウィークに抜かれ始めます。一番多い時で6人とか?これだけ主力が抜かれると、トレーニングで課題を潰すなんてことが難しくなります。
話を平河の離脱に戻すと、やはり優勝争いに絡むチームのエースがいなくなったわけですから、補充ではなく、名実ともに補強をする必要が出てきました。そこで白羽の矢が立ったのが相馬勇紀でした。その他、目の前の優勝、そしてその先に見据えるビッグクラブ化に向けて、中山雄太ら東京五輪世代の代表クラスを獲得します。
キラキラした加入の話題もあれば、暗い別れの話も多く、7月下旬をピークに11人が夏のマーケットでクラブを離れました。開幕前は40人近くいたところから30人のスモールスカッドになりました。その中にはケガ人も多く、まともに紅白戦が組めない時期もあったと推測します。そのため、日常のレベルが少し落ち、夏の新戦力の融合がスムーズにいかない事態に陥ってしまいました。
既存の4-4-2に新加入の選手を組み込むのに時間がかかり、その間に相馬、中山の負傷もあり、9月以降は上手く行かない時間の方が多かったと思います。そもそも、ゼルビアのSHのタスクがかなりの運動量と攻守への貢献を求めるものだったために、平河以外務められるものがいなかったというのは大きかったです。そして、外国籍枠の問題でバスケスバイロンがメンバー外になる試合が多く、相馬、ナサンホ、藤本一輝と左SHが主戦場の選手ばかりで、右SHができる選手がいなくなったという編成上の失敗?もありました。
そして、守備の原理原則を徹底的に叩き込む黒田サッカーですが、それがなかなか新加入選手にインプットできなかったのは痛恨の極みでした。特に杉岡、白崎あたりが守備で全然ダメだったのは痛かったです。
という感じで、夏の移籍市場で、シーズンオフかというくらいに選手を入れ替えてしまった結果、チームの歯車がかみ合わなくなってしまいました。去年も似たようなことはありますが、バイロン - 鈴木準弥の右サイドだけの修正だったので、攻守の課題は質で何とかしてしまった感がありました。ただ、今季は控え選手含めてガラッと変えてしまったので、相当なダメージがありました。
忘れてました、フットボールの話をしょう!というのがこのレビューのテーマでした。やります。
ということで、平河離脱後に4-2-4プレスをやっても全然ハマらないので、4-4-2のミドルブロックにして、1stプレッシャーラインを後ろに下げることで、SHの運動量の問題と、柴戸海負傷後の若干運動量に難ありのCHのカバーエリアを狭めようとしました。そして、攻撃では左は藤本のドリブル、右は望月ヘンリーの高さを活かした形になります。そこにケガから復帰した相馬を組み込む作業に取り掛かるのですが、なかなかハマらない…
守備では、ボールの奪いどころがはっきりしなくなり、そしてSHが守備をサボることで、SB(WB)に背中を取られ、引っ張りだされたSBが空けたスペースをFWに使われ…という負のスパイラルに陥ることが後半戦は増えていきました。広島、川崎、鳥栖、柏、鹿島と思い当たる試合はいくつもあります。
攻撃では、SHの質からのクロスという再現性のある攻撃が出来なくなり、結局セットプレー頼みになってしまいました。SHの質を担保できそうな藤本は監督が辛抱して使い続けたものの、鳥栖戦で相手のコーナーキック時にマークしている選手に簡単に外され失点してからは全然試合に絡めなくなり、チャンミンギュがケガから復帰してナサンホもバイロンもベンチ入りすらできなくなりました。9月以降に流れの中から点取ったのって、川崎戦の中島裕希と、FC東京戦の白崎くらい?やばすぎ。
オセフンはメンタルにムラがありすぎて、上手く行かない時にすぐに悪質なファウルして流れをさらに相手に渡したり(すぐに相手の誘いに乗ってしまうのも難)、J1がフィジカルゲーになりすぎて、小柄でトップフォームとは程遠いエリキ、五輪の疲労と水掛け論以降にコンディションを落とした藤尾と、FW陣が後半戦はまったくもってダメだったのも痛恨でした。一番元気だったのが40歳の中島裕希という異常さ。
ということで、攻守両面でそれなりに課題を残しての3位フィニッシュでした。
しかし、それがあるきっかけで一気に歯車が狂ってしまいました。それが、平河悠の離脱です。平河悠は、藤尾翔太と一緒に、パリ五輪のメンバーに選ばれましたが、その後イングランドのブリストル・シティとの契約のため、代表招集よりも一足先に旅立ってしまいました。そもそも、彼はシーズンが始まる前は、代表の中でも当落線上の選手でしたから、まさかオリンピックに行くどころか、ヨーロッパへ旅立ってしまうとはシーズン前に誰も予想していなかったのでしょうか。
それだけでなく、オセフンが韓国代表に選ばれたり、望月ヘンリー海輝がA代表に選ばれたりと、J2の牧歌的な環境に慣れ親しんできた私の想像をはるかに超えるような人数がインターナショナル・ウィークに抜かれ始めます。一番多い時で6人とか?これだけ主力が抜かれると、トレーニングで課題を潰すなんてことが難しくなります。
話を平河の離脱に戻すと、やはり優勝争いに絡むチームのエースがいなくなったわけですから、補充ではなく、名実ともに補強をする必要が出てきました。そこで白羽の矢が立ったのが相馬勇紀でした。その他、目の前の優勝、そしてその先に見据えるビッグクラブ化に向けて、中山雄太ら東京五輪世代の代表クラスを獲得します。
キラキラした加入の話題もあれば、暗い別れの話も多く、7月下旬をピークに11人が夏のマーケットでクラブを離れました。開幕前は40人近くいたところから30人のスモールスカッドになりました。その中にはケガ人も多く、まともに紅白戦が組めない時期もあったと推測します。そのため、日常のレベルが少し落ち、夏の新戦力の融合がスムーズにいかない事態に陥ってしまいました。
既存の4-4-2に新加入の選手を組み込むのに時間がかかり、その間に相馬、中山の負傷もあり、9月以降は上手く行かない時間の方が多かったと思います。そもそも、ゼルビアのSHのタスクがかなりの運動量と攻守への貢献を求めるものだったために、平河以外務められるものがいなかったというのは大きかったです。そして、外国籍枠の問題でバスケスバイロンがメンバー外になる試合が多く、相馬、ナサンホ、藤本一輝と左SHが主戦場の選手ばかりで、右SHができる選手がいなくなったという編成上の失敗?もありました。
そして、守備の原理原則を徹底的に叩き込む黒田サッカーですが、それがなかなか新加入選手にインプットできなかったのは痛恨の極みでした。特に杉岡、白崎あたりが守備で全然ダメだったのは痛かったです。
という感じで、夏の移籍市場で、シーズンオフかというくらいに選手を入れ替えてしまった結果、チームの歯車がかみ合わなくなってしまいました。去年も似たようなことはありますが、バイロン - 鈴木準弥の右サイドだけの修正だったので、攻守の課題は質で何とかしてしまった感がありました。ただ、今季は控え選手含めてガラッと変えてしまったので、相当なダメージがありました。
忘れてました、フットボールの話をしょう!というのがこのレビューのテーマでした。やります。
ということで、平河離脱後に4-2-4プレスをやっても全然ハマらないので、4-4-2のミドルブロックにして、1stプレッシャーラインを後ろに下げることで、SHの運動量の問題と、柴戸海負傷後の若干運動量に難ありのCHのカバーエリアを狭めようとしました。そして、攻撃では左は藤本のドリブル、右は望月ヘンリーの高さを活かした形になります。そこにケガから復帰した相馬を組み込む作業に取り掛かるのですが、なかなかハマらない…
守備では、ボールの奪いどころがはっきりしなくなり、そしてSHが守備をサボることで、SB(WB)に背中を取られ、引っ張りだされたSBが空けたスペースをFWに使われ…という負のスパイラルに陥ることが後半戦は増えていきました。広島、川崎、鳥栖、柏、鹿島と思い当たる試合はいくつもあります。
攻撃では、SHの質からのクロスという再現性のある攻撃が出来なくなり、結局セットプレー頼みになってしまいました。SHの質を担保できそうな藤本は監督が辛抱して使い続けたものの、鳥栖戦で相手のコーナーキック時にマークしている選手に簡単に外され失点してからは全然試合に絡めなくなり、チャンミンギュがケガから復帰してナサンホもバイロンもベンチ入りすらできなくなりました。9月以降に流れの中から点取ったのって、川崎戦の中島裕希と、FC東京戦の白崎くらい?やばすぎ。
オセフンはメンタルにムラがありすぎて、上手く行かない時にすぐに悪質なファウルして流れをさらに相手に渡したり(すぐに相手の誘いに乗ってしまうのも難)、J1がフィジカルゲーになりすぎて、小柄でトップフォームとは程遠いエリキ、五輪の疲労と水掛け論以降にコンディションを落とした藤尾と、FW陣が後半戦はまったくもってダメだったのも痛恨でした。一番元気だったのが40歳の中島裕希という異常さ。
ということで、攻守両面でそれなりに課題を残しての3位フィニッシュでした。
さいごに
気づいたら5000文字を超えておりました…
最後までお付き合いいただけた方はありがとうございました。そうでない方もありがとうございました。
来シーズンもどうぞよろしくお願いします。
最後までお付き合いいただけた方はありがとうございました。そうでない方もありがとうございました。
来シーズンもどうぞよろしくお願いします。
※リンク先は外部サイトの場合があります
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