サプライズ アンシネ引退『日本で終わる』
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
第51回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント 利府ゴルフ倶楽部(宮城県)最終日
静かな、静かなエピローグ。ホールアウト後、アンシネが突然、引退宣言を行った。「ほんのわずかなチャンスに賭けた。もし、トップ3に入れれば、この先も出場チャンスがあったから…。ひとことでいえば、皆さんにはサプライズかもしれません」と、間をおいて、話をはじめる。
「これが最後の試合になります。引退? そういうことになるのでしょうか。まだ、推薦で試合出場も可能です。しかし、私は自力本願でチャンスをつかみたかった。本当に残念ですけど…」と、涙をこらえながらツアー生活の引退を語る。
理由は父・ヒョージュさん(71)の看病だった。「ツアーに出ると、一緒の時間を過ごすことができない。闘病中の父のそばにいたいから」。親孝行である。「ゴルフ人生を送ってこられたのは、両親が環境を整えてくれたからです。ゴルフと出会い、私はニュージーランドでナショナルチームへ入り、韓国ツアーでは優勝を飾ることができた。そして、あこがれの日本で引退することを決意していました」という。
コロナ禍でなかなか来日が叶わなかった。昨年、その日本で4年間の空白を経て、JLPGAツアーのQTを再受験する。口にこそしなかったものの、大きな決意を秘めていたのだ。
「最後は日本。そういう形にしたかった。QTから頑張って1シーズン戦おうと復帰。JLPGAツアーへ帰ってきたのは、たくさんの声援をいただいた日本のファンの皆さんへ、お礼を申し上げたかった。いつわりのない私の真実です。皆さんの前で、優勝を飾りたい。一生懸命に取り組んだけど、実力不足。それでも今シーズンは、充実した、いい思い出がたくさんありました。今年は韓国でも2試合に出場。それは、現役でプレーするところを父に見てほしかったからです。本当は、日本でプレーする姿も見てもらいたかったけど」。
この日は1バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの内容だった。特に最終ホールでは雨の勢いが激しく、パーパットをショートしてしまう。ファイナルプレーは、50センチのボギーパットはちょっとさみしい。そうはいっても、ホールアウトすると、まるで心のマッサージを受けたかのように表情は穏やかだ。
静かな、静かなエピローグ。ホールアウト後、アンシネが突然、引退宣言を行った。「ほんのわずかなチャンスに賭けた。もし、トップ3に入れれば、この先も出場チャンスがあったから…。ひとことでいえば、皆さんにはサプライズかもしれません」と、間をおいて、話をはじめる。
「これが最後の試合になります。引退? そういうことになるのでしょうか。まだ、推薦で試合出場も可能です。しかし、私は自力本願でチャンスをつかみたかった。本当に残念ですけど…」と、涙をこらえながらツアー生活の引退を語る。
理由は父・ヒョージュさん(71)の看病だった。「ツアーに出ると、一緒の時間を過ごすことができない。闘病中の父のそばにいたいから」。親孝行である。「ゴルフ人生を送ってこられたのは、両親が環境を整えてくれたからです。ゴルフと出会い、私はニュージーランドでナショナルチームへ入り、韓国ツアーでは優勝を飾ることができた。そして、あこがれの日本で引退することを決意していました」という。
コロナ禍でなかなか来日が叶わなかった。昨年、その日本で4年間の空白を経て、JLPGAツアーのQTを再受験する。口にこそしなかったものの、大きな決意を秘めていたのだ。
「最後は日本。そういう形にしたかった。QTから頑張って1シーズン戦おうと復帰。JLPGAツアーへ帰ってきたのは、たくさんの声援をいただいた日本のファンの皆さんへ、お礼を申し上げたかった。いつわりのない私の真実です。皆さんの前で、優勝を飾りたい。一生懸命に取り組んだけど、実力不足。それでも今シーズンは、充実した、いい思い出がたくさんありました。今年は韓国でも2試合に出場。それは、現役でプレーするところを父に見てほしかったからです。本当は、日本でプレーする姿も見てもらいたかったけど」。
この日は1バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの内容だった。特に最終ホールでは雨の勢いが激しく、パーパットをショートしてしまう。ファイナルプレーは、50センチのボギーパットはちょっとさみしい。そうはいっても、ホールアウトすると、まるで心のマッサージを受けたかのように表情は穏やかだ。
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
「感謝の言葉をひとこと、ギャラリーの皆さんへ直接、お伝えしたかった。それができずに、ちょっと心残りです。ツアー生活はすべて素晴らしいもの。悔いはありません。セカンドキャリアはまだ、決まっていないけど、ゴルフにかかわる仕事をしたいです」と前置きして、「私にとってゴルフは、パスポートのようなものです。世界でひとつのパスポートは更新が必要です。きょうが、その時になった。ゴルフがアイデンティティーです」。セクシークイーンの異名があるものの、外見とは対照的に、知的で淑女の雰囲気を常に忘れなかった。残念ながら、記録には残らなかったが、記憶には残る。
2017年のJLPGAツアーデビュー戦。2時間15分にわたって、ファン全員にサインを続けたことは永遠の伝説になった。(青木 政司)
2017年のJLPGAツアーデビュー戦。2時間15分にわたって、ファン全員にサインを続けたことは永遠の伝説になった。(青木 政司)
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