車いすラグビー、鬼門の準決勝突破なるか 久下真以子が語る金メダルへの鍵と家族愛

C-NAPS編集部

アスリートの夫を支える羽賀真以子としての日々

東京大会後に結婚した久下真以子さんと羽賀選手の2人。夫婦を1つのユニットとして機能できるよう努めてきた 【本人提供】

 東京パラリンピックを一区切りにして、羽賀選手と結婚してから3年が経ちました。結婚を公表する前はいち取材者といち選手という関係性を維持してきましたが、結婚を機に家族となりました。妻として、アスリートの夫を食事面やメンタル面で支えつつも、プロの取材者としては一定の線引きをしなければなりません。

 取材する立場のため、一般人の妻だったら知り得ないチーム事情や夫の調子なども分かってしまう面もあり、自分なりにアスリートの夫との距離の取り方を見つけるのは簡単なことではありませんでした。特に夫がパリ行きを決められるかどうかの当落線上にいたこの1年間は、“距離感探しの1年”でしたね。

 そうした時期を経験した私たちなりの答えは、「夫婦を1つのユニットとして考えること」です。夫はすごくシャイボーイなのですが、「車いすラグビーを広めたい、より多くの人に知ってもらいたい」という強い想いがあります。私のアナウンサー、ライターとしての立場を上手く活用して、情報発信をすることで、その想いを少しでも実現できます。夫婦としてどう上手く機能するかを踏まえ、1つのユニットになることを意識することで、お互いを支え合いながら同じ方向を向いていけると思ったんです。人生において大事なのは、家族がともに笑って過ごせることだと夫といることで気づかされました。

夫婦を1つのユニットとして考えることで同じ方向性を向いて歩みを進める羽賀夫婦。今後3人となる家族は、金メダルを掲げることはできるのか 【樋口勇一郎】

 最近は夫婦で出演する講演なども増えましたし、私のSNSを通して夫のファンの方からメッセージをいただく機会もあります。これからは夫婦共通アカウントを作って情報発信していくことも計画もしています。夫も今後、何年現役を続けるかは分かりませんが、夫婦が1つになり、お互いのやりたいことや知ってもらいたい競技の魅力や夢をもっと多くの方に届けることができる、そう信じられるようになりました。

 パリパラリンピック後の12月には私たちの第一子が産まれる予定です。「子どもに金メダルをかけさせてあげる」という夫婦の夢を叶えるためにも、後2戦をしっかり見届けていきたいと思います。夫もチーム内では島川選手に次ぐ古株になっただけに、そろそろ神様がご褒美に金メダルを与えてくれるのではないかなと期待しています!

久下真以子(くげ・まいこ)

【株式会社 セント・フォース】

大阪府出身のフリーアナウンサー、スポーツライター。四国放送アナウンサー、NHK高知・札幌キャスターを経て、フリーへ。2011年に番組でパラスポーツを取材したことがきっかけで、パラの道を志すように。キャッチコピーは「日本一パラを語れるアナウンサー」。2021年に車いすラグビー日本代表の羽賀理之と結婚し、現在はアスリートの妻として夫の活躍を公私ともに支える。

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著者プロフィール

ビジネスとユーザーを有意的な形で結びつける、“コンテキスト思考”のコンテンツマーケティングを提供するプロフェッショナル集団。“コンテンツ傾倒”によって情報が氾濫し、差別化不全が顕在化している昨今において、コンテンツの背景にあるストーリーやメッセージ、コンセプトを重視。前後関係や文脈を意味するコンテキストを意識したコンテンツの提供に本質的な価値を見いだしている。

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