筋トレ民は「亜鉛」もとるべし。亜鉛を多く含む食べ物、効果的な食材の組み合わせ
傷ついた筋組織の修復や新陳代謝をスムーズに促進するので、体内に亜鉛が十分に蓄積された状態であれば、筋トレの効果を感じやすくなります。
ところで亜鉛は1日にどれくらい摂取すればいいのでしょうか。亜鉛を多く含む食材や食べ合わせ、また食べるタイミングを、管理栄養士の深野裕子さんに伺いました。
【MELOS】
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亜鉛の1日の摂取量の目安
▲※妊婦の推奨量は+2、授乳婦は+4 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」 【MELOS】
牡蠣は大粒4個で1日の摂取量をクリアできてしまうほど大量の亜鉛が含まれています。そのほか魚介類、肉類、大豆製品、卵、種実類にも多く含まれています。
▲文部科学省「2019年における日本食品標準成分表2015年版(七訂)データ更新」をもとに監修者作成 【MELOS】
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組み合わせて食べたい食材
亜鉛×たんぱく質 … 肉類、魚介類、大豆製品、卵など
亜鉛はたんぱく質を多く含む肉類や魚介類、大豆製品に含まれていることが多いですが、たんぱく質とあわせて摂取することでたんぱく質合成が促進されます。
たんぱく質は大きく「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」に分けることができます。
動物性たんぱく質
肉類、魚介類、卵、乳製品などの動物由来のたんぱく質
植物性たんぱく質
米、小麦、大豆などの穀物類、野菜や果物など植物由来のたんぱく質
亜鉛×ビタミンA … レバー、にんじん、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤなど
ビタミンAは亜鉛の吸収を高める効果がある一方、亜鉛がビタミンAの代謝に関わり、ビタミンAの抗酸化作用を促進します。
ビタミンAは、豚レバー、鳥レバー、卵黄、ウナギの蒲焼などにも多く含まれています。
栄養をしっかり吸収するための注意点
亜鉛は水溶性なので、汁ものや鍋など、ゆで汁に溶けだした分まで摂れるようにしましょう。
加工食品は摂りすぎない
「亜鉛は、体内で不足のないように食事から摂取する必要があります。加工食品に含まれる食品添加物などで吸収が阻害されやすいため、加工食品の摂りすぎには注意が必要です」(深野さん)
プロテインに入っている人工甘味料は大丈夫?
規定量であれば問題ありません。気にし過ぎるストレスもボディメイクには悪影響! 一部では、毎日摂取しすぎると、インスリンの働きが悪くなり食事の栄養が吸収されにくくなるとも言われていますが、研究結果はまだはっきりと解明されていないのが現状です。
アルコールは摂りすぎない
亜鉛はアルコールを代謝する酵素の材料にもなり、アルコールが尿中への亜鉛の排出を促進するため、飲酒習慣のある人は摂取量に注意が必要です。
「お酒を飲むと筋トレ効果が低下する」ってホント?
アルコールによる筋トレへの弊害として挙げられるのが、ホルモンの一つ「テストステロン」分泌への影響。このテストステロンは、摂取したたんぱく質を合成させ筋肉を作るという働きを持っています。筋トレの刺激によって分泌されるのですが、アルコール摂取によりこのテストステロンの分泌量が減少するとされているのです。
また、筋トレやたんぱく質の摂取により、筋肉の合成を促す「mTOR(たんぱく質キナーゼ)」と呼ばれるシグナル伝達経路が活発になることが分かっています。しかしアルコールを摂取することで、mTORの活動が低下するという結果を発表している研究もあります。
他にも、アルコール摂取によって分泌される「コルチゾール」というホルモンには、血糖値をコントロールする働きがあります。このコルチゾールには、エネルギー源である糖を生み出すために、筋肉の分解を促進させてしまう作用も。
筋肥大を狙うなら、亜鉛はどのタイミングで摂ればいい?
「トレーニング前後の食事で亜鉛を補給し、カラダの中に常にある状態を作っておくことが重要」(深野さん)
汗などで流出しやすい亜鉛。常に体内にある状態をキープするには、日常的に食事で補給しておくことが理想です。
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