プロ野球「新人王レース2024」最前線レポート

同級生ライバル「川上憲伸×高橋由伸」が初対談 「今季の新人王予想」「歴代最強新人王は誰か?」徹底討論!

オグマナオト

「歴代新人王」を憲伸&由伸が語りつくす

歴代新人王の中でもひときわ輝きを放つ成績を残した長嶋茂雄氏。川上・高橋両氏も驚嘆するとともに、“ミスター伝説”の話で盛り上がった 【写真は共同】

 第2回のテーマは「歴代最強新人王」。新人王が制定された1950年以降、70年以上に及ぶ歴代新人王選手たちの「成績」「イメージ」「言動」などさまざまな観点を元に「史上最強の新人王」は誰かを語り合ってもらった。

 第1回同様、やはり気になるのは古巣球団の歴代新人王。川上さんは中日の大先輩、権藤博さん(※1961年受賞)にまず注目。「35勝19敗 防御率1.70」という成績について、川上さんは「35勝ってどういうこと?」と驚き、高橋さんも「防御率1.70なのに19敗するの?」とこれまた驚愕。「中日は当時から打線の援護に恵まれなかったのでは?」という仮説を二人そろって提示していたのが面白い。

 一方、高橋さんが熱く語ったのは、新人時代の恩師でもある長嶋茂雄元監督(※1958年受賞)。「打率.305、29本塁打、37盗塁」でトリプルスリーにあと一歩及ばずだった点に着目する。

 実は長嶋さん、「ベースを踏み忘れたための幻の本塁打」というウッカリがなければ「新人でのトリプルスリー達成」だったのは有名な逸話。ただ、高橋さんが語る「長嶋茂雄伝説」はこれで終わらない。ベース踏み忘れ事件があったからこそ生まれた別の記録をはじめ、プライベートで遭遇した“規格外伝説”など、「数字以上に何かを残すのが長嶋監督」と至極のエピソードをいくつも披露してくれている。

 続いて、同時代を生きた元巨人の上原浩治さん、元西武の松坂大輔さん(※ともに1999年受賞)の新人時代もプレイバック。上原さんの伝説シーン「ペタジーニ敬遠事件」を二人はどう見たのか? 松坂さんがルーキーイヤーに残した名言「自信が確信に変わった」を二人はどう感じたのか? 平成プロ野球名場面が見事に蘇る。

 また、二人が野球少年時代だった頃のヒーロー、清原和博さんや野茂英雄さん、与田剛さんたちの新人時代を熱く語るシーンも必見。最終的に選んだ「最強新人王」は、球団レジェンドの大先輩か、同時代を生きた仲間か、少年時代のヒーローか……正解はぜひ、動画で確認いただきたい。
(企画構成:株式会社スリーライト)

川上憲伸(かわかみ・けんしん)

1975年6月22日生まれ。徳島商高から明治大へ進学。東京六大学リーグ通算28勝をあげ4年時にはエース兼主将として活躍した。1997年ドラフト1位で中日に入団。1年目から14勝をあげ新人王を獲得。2002年8月1日、プロ野球史上70人目のノーヒットノーランを達成。2004年には最多勝(17勝)でリーグ優勝に貢献し沢村賞・MVPを受賞。2006年にも17勝で最多勝に輝きチームを優勝に導いた。2009年、MLB(ブレーブス)に移籍し7勝をマーク。2012年中日に復帰し、2014年には球団最多となる7度目の開幕投手を務めた。2017年3月に現役引退を表明。引退後は野球評論家として活動。YouTubeチャンネルを開設するなど活躍の場を広げている。

高橋由伸(たかはし・よしのぶ)

1975年4月3日生まれ。桐蔭学園高から慶応大へ進学。4年時に主将としてチームをけん引し春季リーグ優勝を達成。リーグ通算23本塁打は今も破られていない東京六大学記録。1997年ドラフト1位で巨人に入団。1年目の開幕からスタメンを勝ち取り、セ・リーグ新人としては長嶋茂雄以来の打率3割を記録。し烈な新人王争いを繰り広げ新人特別賞を受賞した。以降7年連続で100安打以上、うち6シーズンは3割超えと打線の中核として活躍。2004年にはアテネ五輪に出場し銅メダルを獲得。2015年限りで現役引退と同時に読売巨人軍第18代監督に就任し3シーズン指揮を執った。現在は巨人の特別顧問を務める傍ら野球評論家としても活躍を続ける。

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著者プロフィール

昭和52年、福島県生まれ。『ざっくり甲子園100年100ネタ』や『大人も知らない! ? スポーツの実は…』、『スポーツ伝説超百科』シリーズ、『Leo the footballのしゃべくりサッカー部』シリーズなど、スポーツ書籍の執筆や構成を務める。また、『週プレ』『昭和40年男』『野球太郎』等の雑誌での記事執筆やインタビュー、テレビ朝日『報道ステーション・スポーツコーナー』やニッポン放送『スポーツ伝説』などテレビ・ラジオ・YouTubeのスポーツ番組での構成作家も担当。水島新司漫画研究家としてもメディア出演多数。

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