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「諦めない」野球でセンバツへ ミラクルな勝負強さの東海大福岡

毎日新聞

粘り強いミラクル勝利連発 過去最高の4強入り目指す

打撃練習をする東海大福岡の藤本塁守選手 【平川義之撮影】

 昨秋の福岡大会準決勝では、九回1死から4連打で1点差を追いつき、延長十回にサヨナラ勝ち。続く九州大会1回戦でも4点差を追う九回2死走者なしから、途中出場の唐崎選手の3点本塁打を含む4連打で追いつき延長戦を制した。ミラクルな勝ち方を含め、終盤に得点することが多く、中村監督は「一つのパターンになっている」と粘り強さが売りだ。

 打線の中心となるのは4番の藤本塁守選手だ。昨夏まで消極的だった打撃は影を潜め、積極的にバットを出していくことが功を奏し、九州大会準々決勝では本塁打も放った。今冬はウエートトレーニングで背筋力などを強化し「打球の強さを感じるようになった」。持ち味の長打力も磨かれている。

 5番の野上夕輔選手は、出場選手トップとなる打率6割をマーク。コースに逆らわず広角に打ち分ける打撃スタイルには非凡さがあり、チームトップタイの11打点を挙げた。下位打線には同じく11打点をマークし、勝負強い主将の井上選手が控えており、中村監督は「どこから始まってもみんな走れるし、打線に途切れはない」と言い切る。

大黒柱のエース フォーム改良で増した球威

ピッチング練習をする佐藤翔斗投手。見守るのは東海大福岡の安田大将コーチ(左) 【平川義之撮影】

 投手の大黒柱は佐藤投手。昨秋の公式戦9試合に登板し6試合で完投したスタミナ十分の右腕だ。長身から投げ下ろす最速142キロの直球に加え、スライダーやカーブでカウントを稼ぐ。昨秋は四死球からリズムを崩す場面が目立ったために、冬場に左膝が崩れないようなフォームに改良。2017年センバツ出場のエースだった安田大将コーチの存在も大きく、佐藤投手は「ボールに力が伝わるようになってきた。甲子園を経験されているので、信じてやっていきたい」と信頼を寄せている。九州大会準決勝で先発した右腕・西村壮投手も投げっぷりがよく、強気で押すスタイルが持ち味で楽しみな存在だ。

 新チームは主将や副主将の他にも、打撃、走塁など部門ごとにリーダー制を敷いた。責任ある立場を増やしたことで、主体性を身につけた選手も多く、終盤の粘り強さにもつながった。今年のチームスローガンは「前人未到」で、「前回の安田先生がベスト8だったので超えていきたい」と井上主将。チーム甲子園最高成績となるベスト4を目指していく。

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