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「激戦ブロック」も願ったり叶ったり? 神村学園の選手たちがしたためていた思い

毎日新聞

中軸中心に強力打線は健在 昨夏4強超えの日本一狙う

素振りする神村学園の今岡拓夢選手 【吉田航太撮影】

 昨夏の甲子園で3試合連続2桁得点をマークし、4強入りしたメンバーが10人残る。昨秋の公式戦は1試合平均9得点で、チーム打率3割8分は出場校中5位。強力打線は健在で、チーム2度目の夏春連続出場だ。

 左打者が多く並ぶ中、右打者の3番・今岡拓夢選手の存在が光る。タイミングを合わせやすいすり足の打撃フォームにしたことで、5割1分7厘と高打率を残した。昨夏と同じ5番を務めた副主将の岩下選手は三振が少なく、「溜まった走者を還していく」と勝負強い打撃が魅力。2人が甲子園全5試合で安打を放った不動の4番・正林輝大(こうだい)選手の脇を固める。

 下位打線も、木下夢稀選手がチームトップタイの10打点を挙げ、小田大介監督は「木下選手と上川床選手はクリーンアップを打つ力がある」と太鼓判を押す。選手の口からは「(次に)つなぐ」という言葉が飛び交い、長打にこだわらない切れ目のない打線に仕上がっている。

昨夏に「悔しい思いした」 エースの仕上がり鍵に

キャッチボールする神村学園の今村拓未選手 【吉田航太撮影 】

 投手陣はエース左腕・今村投手の出来が重要になる。ダイナミックなフォームから最速141キロの直球で強気に攻めつつ、得意のスライダーにカーブやフォークも交えて打者のタイミングを外す。昨夏の甲子園では先発したが、四死球三つを与えて1イニングもたずに降板。「悔しい思いをしたので、自分の力をどれだけ出せるかにこだわりたい」と、冬場は上からたたいてリリースする感覚を極め、直球の質を上げてきている。課題は2番手以降の投手陣を含めた控え選手。経験豊富な選手たちに次ぐ戦力アップが必須だ。

 夏の甲子園準決勝の1週間後には、秋の鹿児島大会に臨んだ。その後、かごしま国体もあるなど慌ただしく、国体中に正林選手が疲労骨折。小田監督も「選手はギリギリのコンディションだった」と振り返る。冬場は手でボールを転がし捕球するなど基礎練習に取り組む一方で、ウエートトレーニングの回数も増やした。新基準の金属バットに慣れるため、打ち込む量も増やした。

 前チームの主将で今岡選手の兄となる歩夢さんからは「日本一の土を持って帰ってほしい」と託されている。今年のスローガンは「継勝~with気愛」。「同じ甲子園で昨夏の結果を超える」と語る岩下選手。勝利を継続して日本一を狙う。

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