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敦賀気比、接戦で増した粘り強さ 2度目の頂点へ

毎日新聞

経験豊富な左腕・竹下投手が軸 初戦の壁突破しさらに上へ

敦賀気比のエース左腕・竹下海斗投手 【三村政司撮影】

 昨秋の北信越大会は準々決勝から3戦連続でタイブレークを経験し、息詰まる接戦の連続で粘り強さが増した。星稜との決勝こそ惜敗したが、東監督は「厳しいゲームを勝ちきったのは素晴らしいこと」と成長を感じている。

 1年夏から甲子園を経験してきた最速140キロ左腕、大黒柱の竹下投手も自信をつけた。先発した日本航空石川との準決勝はタイブレークの延長十回、味方が1点を奪った直後に1死満塁のピンチを招いたが、「これまでのピンチの場面と違い、周りが見えた。緩急を使って自分の投球をすれば、打たれないと思えた」。フルカウントから臆せず投げきり、2者連続三振で締めた。

 昨秋の公式戦は9試合中7試合に登板し、4試合で完投した。高校に入ってから習得したチェンジアップで打者の打ち気をそらす投球が持ち味で、防御率は1.45と安定感がある。昨年のセンバツは初戦の2回戦で大阪桐蔭の前田悠伍投手(ソフトバンク)と投げ合って敗れ、レベルの高さに衝撃を受けた。「球の質もそうだが、落ち着いたマウンドさばきなど全てが負けていた。今回は自分もあれぐらい堂々と投げたい」と闘志を燃やす。

 打線は計31の犠打飛と16盗塁を絡め、堅実に得点を重ねてきた。本塁打はなかったことから、冬場は速球派の投手にも力負けしない打力をつけることをチームの課題に掲げてきた。

打撃の力強さ、確実に増す

秋季大会で打率、打点ともチームトップの西口友翔主将 【高橋隆輔撮影】

 降雪でグラウンドが自由に使えない中、室内練習場で黙々とバットを振り込む伝統の練習法は健在だ。昨秋にチームトップの打率5割1分5厘を残した主将の西口選手は「室内でどれだけ意識を高く持って振り込むかが大事。みんな体重も増えてきていて、秋に比べて確実に打撃の力強さは増していると思う」と手応えを感じている。

 就任から10年以上が経過し、東監督は昨夏、結果にかかわらず「一区切り」として退くつもりだった。福井大会後に退任の意向を示したが、学校側の要望もあり続投した。西口主将は「全員が一枚岩になって、監督を胴上げしたい。そういう気持ちが一層強くなった」。センバツは3大会連続で初戦敗退が続いているが、その壁を突破し、2015年以来の頂点を目指していく。

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