「部内部活動」や週休2日など斬新な取り組み 甲子園初勝利に挑む中央学院
走力を武器に粘りの野球 春夏通じ初勝利を狙う
最初の危機は秋季千葉大会予選代表決定戦だった。四街道に1-4で敗れ、甲子園どころか千葉大会本戦すら危うくなった。「前チームから出ていた選手もいて自信はあった。それがいい方に出なかった」。遊撃手で、リリーフも務める颯佐選手はそう振り返る。
敗者復活戦を経て迎えた千葉大会準々決勝の東海大市原望洋戦では、二回に7点を先取されたが、七回に11点を奪い逆転。準決勝の習志野戦も、先発の蔵並龍之介投手が一回に連打を浴びて4失点。救援した颯佐選手が好投し、逆転に結び付けた。主将の中村選手は予選の敗戦が転機になったと振り返る。
「みんながやるしかないと気づいた。それから気持ちの浮き沈みが少なくなった」
相馬監督に宿る「野村の教え」
1年生の時から走塁を徹底して鍛える。走者を置いてのノック、シート打撃は毎日行う。「まずはそれができてから。できないとメンバーに入れない」というのが相馬監督の方針。
投手陣は長身から速球とフォークを投げ分ける蔵並投手、安定感のある颯佐選手、サイドハンドの臼井夕馬投手の右腕3人をそろえており、継投策で抑える。
相馬監督は社会人野球のシダックスに在籍当時、監督だった野村克也さん(故人)の指導から多くを学んだ。組織論のほか、野村さんが「無形の力」と呼んだ相手バッテリーの配球やカウント別の打者心理、さらには準備の大切さまで内容は多岐にわたる。「それらを少しずつ選手に還元できることは大きい」と話す。
春夏通じて初出場だった2018年センバツは初戦で明徳義塾(高知)に逆転サヨナラ負け。その年の夏も1回戦で済美(愛媛)に競り負けた。「粘り強く接戦をものにするのが自分たちの戦い方」と中村主将。甲子園初勝利を目指す。