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丁寧なチーム作りで2年連続の大舞台へ 作新学院、快進撃の裏に「人間的成長」

毎日新聞

直球が魅力の主戦小川哲平 神宮の借りは甲子園で返す

明治神宮大会決勝で力投する作新学院の小川哲平投手 【北山夏帆撮影】

 謙虚に団結した「力のない」チームは、昨秋の関東大会で7年ぶりの頂点に立った。決勝では前回センバツ王者の山梨学院から28安打、13得点を奪い、投手陣も踏ん張って大勝。投打に力を見せた選手たちを、小針監督は「コツコツ階段を上ってくれた」とたたえた。

 投手陣の中心は本格派右腕の小川投手だ。最速147キロの速球とカットボールを軸に投球術も兼ね備えており、丁寧にコーナーをつく。直球は冬の間にさらに磨きをかけた。

 サイド右腕の石毛投手も「2番手」から「柱」の一人へと力を伸ばしている。最速135キロながら、スライダーなど多彩な変化球を制球良く投げる。タイプの違う2人の継投が必勝パターンとなっている。

打線をけん引 注目は小川亜怜

明治神宮大会準決勝で適時打を放つ小川亜怜選手 【北山夏帆撮影】

 左打者が多く並ぶ打線は関東大会でチーム打率4割3分をマークした。バントを使わずに打ってつなぎ、一気にたたみかける攻撃力がある。

 注目は2年生の小川亜怜選手。昨秋は打率4割4分8厘、10打点で本塁打も放つなど打線をけん引した。「甲子園でも注目されるような、チームに流れを引き寄せる打撃がしたい」と意気込む。関東大会決勝の集中打の起点となった斎藤健之介選手、広田選手も積極的な打撃で流れを引き寄せる。

 新チームが発足した当時、小針監督は「現時点で力はないが、地道にコツコツやれば、必ず結果はついてくる」と選手たちに語りかけた。小森主将は「個人の力がない分、結束力で勝たないといけないと思った」と「団結力」をスローガンに掲げた。メンバー外の選手も含めたコミュニケーションを重視し、一体感と士気を高めてきた。

 関東で頂点に立つと、明治神宮大会でも粘り強く戦い、準優勝を果たした。ただ、小針監督は「まだ力のない、発展途上のチーム」と語る。選手も過信することなく成長を続けようと、「徹底力」を新たなスローガンにして、冬の練習に取り組んできた。

 小森主将は「秋に(明治神宮大会で)日本一になれなかった分、春にもう一度チャンスをもらった。チーム一丸となって向かっていきたい」と力を込める。目指すのは62年ぶりとなる頂点だけだ。

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