センバツLIVE! 全32校アンケート分析

部員16人、少数精鋭で挑むセンバツ 別海の選手たちの「身近な」夢

毎日新聞

エース中心に粘り強さ発揮 最東端出場校が狙う初勝利

投手陣の柱である堺暖貴投手 【貝塚太一撮影】

 昨秋の道大会は、出場チーム中最少の選手16人で臨んだ。初戦は逆転サヨナラ、準々決勝は延長タイブレークを制し、準決勝は優勝した北海と終盤まで接戦だった。選手たちが胸を張る「一体感」を見せて粘り強かった。

 投手陣の柱は右横手投げの堺暖貴(はるき)投手。最速は130キロ台前半ながら、変則フォームからテンポよく投げ込む直球とスライダーで相手打者を苦しめる。昨秋は力の抜きどころと入れどころを整理できるようになり、3試合で完投した。マウンド上の冷静な振る舞いも仲間の信頼を得ている。中学までは野手だったが、入学後に投手に転向すると一気に力を伸ばした。「自分の投球がどこまで通用するのか試していきたい」と甲子園を見据える。

 チェンジアップが持ち味の右腕・立蔵諄介投手は負けん気が強く、一塁手と兼務しながら2番手投手として力を伸ばしている。二遊間の千田選手と影山選手、中堅の寺沢佑翔選手のセンターラインは堅く、投手陣を支えている。

「札幌ドーム高校生第1号」

捕手として投手陣を引っ張りながら、打力も持ち味の中道航太郎主将 【貝塚太一撮影】

 打線の鍵は、道大会2回戦で「札幌ドーム高校生第1号」となる逆転サヨナラ2ランを放った中道主将。1年秋から4番に座ったが、主将としての負担を考慮し、昨秋は主に7番だった。それでも、チームトップの10打点を稼ぎ、どの打順にいても怖い存在だ。

 思い切りのいい1番・波岡昊輝選手が出塁してチームを勢いづけたい。2番・影山選手がつなぎ、中軸の立蔵選手の前に走者をためられるか。長打力のある中道選手が7番を担うなら、その前の6番・鎌田侑寿紀選手の働きもポイントになりそうだ。

「別海町をひっくり返そう」。2016年に就任した島影隆啓監督は選手に入部を勧める際、こんな言葉をかけてきた。「誰も信じられないようなことを野球でやって、町の人をびっくりさせよう」との思いが込められていた。

 前回のセンバツは希望した選手と一緒に、甲子園で数試合を観戦した。選手には「憧れで終わったら駄目なんだぞ」と声をかけた。それから1年、史上最東端の出場校として、初の聖地に臨む。島影監督は「甲子園に出場することがゴールではない。まずは1勝だが、その先も狙っていかなければいけない」。今度は日本中をひっくり返しに行く。

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