鈴木優の留学便り Vol.11 噂の最先端施設・ドライブラインに行ってきた!
【写真:筆者撮影】
ドライブラインは2019年のオフシーズンに日本のプロ野球チームが多数の選手を派遣したことで有名になった。今年福岡ソフトバンクは選手10名と、コーチ、アナリストなどを派遣するとのことで、日本球界でも一番ホットな施設といえよう。
私自身も渡米する前の現役選手の頃から行ってみたいと思っていたところで、やっと実現できた。
シアトルは私が住むロサンゼルス近郊から飛行機で2時間半の距離にある。
国内線なので飛行機代は往復で200ドル少し(日本円で30,000円程)とそこまで高くない価格で行くことができた。
空港に着きタクシーで20分ほど行くと到着。周りに特に店などもない倉庫が並ぶようなエリアにあった。
入ってみるとまず受付があり、その後ろに大きなショップエリアがある。
【写真:筆者撮影】
その中でも冊子は500ドル(日本円で75,000円程)という高額で驚いた。
しかし日本や世界からわざわざここのトレーニングを受けにくる選手がいるほど、当然価値のあることが書いてあるだろうと考えると欲しくなる代物なのだ。
中に入るととても大きな室内トレーニング施設。
半分はウエイトトレーニングをするためのエリアで、もう半分はボールを使った練習をするためのケージのエリアになっている。
【写真:筆者撮影】
この数は異常なほど多く、通常の日本のジムなどでは2つか3つ程度である。
そのほかには背筋力や跳躍力を測るエリアがあり、選手の体について細かく測ってメニューを組めるようになっていた。
そしてその隣にはドライブラインで1番有名なプライオボールを使ったトレーニングをするエリアがあった。
【写真:筆者撮影】
【写真:筆者撮影】
ここではもちろんバッティングやピッチングができるようになっているのだが、全てのレーンにピッチングなら投げた球を測れるもの、バッティングなら打球を測れるものが置かれており、全て結果が出た数値を見ながら取り組めるようになっている。
これが最新の施設の良いところで、今まではコーチなどの感覚に頼った指導を行うしかなかったのが、数値という正解に近いものがわかるようになったことにより両者納得し、指導をできるようになった。
ここ数年まではピッチングの指導が特に有名であったが、最近はバッティングのメソッドも確立されてきた。今冬訪れる福岡ソフトバンク生海選手やリチャード選手らもここで得たデータをどう咀嚼して帰国するか楽しみなところだ。。
バッティングはピッチャーと違い自分発信のものではないため難しいとされてきたが、ここでは打球速度、方向などを数値で見てトレーニングすることで結果を出せている。
またそのトレーニング方法がとても面白かった。
5種類ほどの重さやバランスの違うバットを使い、ティーバッティングやマシンの球を打っていく。
【写真:筆者撮影】
理論はわかっているけど実際に自分の身体で表現するというのはとても難しいことで、このように勝手にその動きをしないとできないような矯正法は選手にとってわかりやすくありがたいなと思った。
ドライブラインは物販でもすごかった!
【写真:筆者撮影】
トレーニングで使われるプライオボール、バットなどを始めたくさんのものを世界各地に売っている。
そのためかここの施設の端にある3分の1くらいは物販の倉庫になっていて、とても多くの量を売っていることが分かる。
日本にも大谷翔平選手やバウアー選手がドライブラインのトレーニングを取り入れていることもあり、少しずつ広まっているこのドライブラインのメソッドは、近い将来日本にも入って来て主流になる可能性もあるだろう。
ドライブラインの会社も日本への進出を狙っているようなので、このような良いものがどんどん日本にも早く入っていってほしいなと思った。
文・鈴木優
1997年生まれ、東京都目黒区出身の元プロ野球選手。ポジションは投手。2014年にオリックス・バファローズにドラフト9位で指名され7年間所属、その後読売ジャイアンツに1年間所属し2023年に現役引退。都立高校から直接NPB球団に入団した選手としては、史上初の勝利投手となり「都立の星」としても注目を集めた。現在はアメリカ・ロサンゼルスに移住し、現地の語学学校に通いながら野球について勉強をしている。また撮影、編集を自ら行うYouTuberとしても活動。
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