西川哲のゴルフ新理論 中級編~目指せ90切り~⑧ アイアン編「グリップとインパクトの関係性」
【スポニチ】
◆国内男子ツアー3勝・西川哲プロが「適正なインパクト」を解説
西川 確かに最近そのように言う人が増えていますね。自分の意見としては、正直お勧めしたくありません。そもそも、皆さんは何を根拠にハンドファーストインパクトがいいと言っているのでしょうか。
常住 私の生徒さんが言うには、ゴルフ雑誌などに掲載されている連続写真を見ると、ツアープロのインパクトはハンドファーストの形になっていると。
西川 果たしてそれは本当にインパクトの写真なんですかね。ひょっとしたら、まだクラブヘッドがボールに当たっていないインパクト直前の写真なのではありませんか。
クラブヘッドがボールをとらえる直前ならハンドファーストの形が正解 【スポニチ】
常住 両手の位置はそのままでヘッドが走ってボールをとらえるわけですからね。
アドレスではボールのほぼ真上に両手がある 【スポニチ】
インパクトでは両手がシャフト1本分ほど目標方向に動くだけ 【スポニチ】
常住 実際、インパクトで両手を前に出す意識はありませんしね。
西川 仮にインパクトで目標に対してクラブフェースをスクエアに戻せる人が、意識的にハンドファーストの形をつくろうとしたらどうなると思いますか?
常住 フェース面が目標の右を向いてしまいますね。
西川 正解です。そのままクラブを振り抜けば、ボールは目標の右に向かって飛んでいきますよ。
常住 ではなぜハンドファーストインパクトがいいと言われるのでしょう?
西川 フックグリップでクラブを握っている人や、フェースをかぶせて構えている人は、インパクトで両手を目標方向に出すことにより、フェース面が目標に対してスクエアになります。そのような人たちはむしろハンドファーストインパクトにしなければ、ボールを狙った方向へ打ち出せないので、ハンドファーストインパクトが推奨されたのでしょう。
常住 ということは、やはりインパクトでは両手を前に出さない方がいいわけですね?
西川 私はそう思います。アドレスの位置に両手とヘッドを戻すのが基本であり、アドレスのときよりも腰を開いている分、若干両手が目標方向に出る形が正解です。
(取材協力・バーディ赤坂24)
◇西川 哲(にしかわ・てつ)1968年(昭43)5月2日生まれ、東京都出身の55歳。12歳でゴルフを始め日体荏原高時代に日本ジュニア優勝。88年プロテストにトップ合格。91年マルマン・オープンでツアー初V。通算3勝。18年からシニアツアーに参戦。今季から女子プロの植竹希望を指導している。
◇ジミー・常住 本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれ、東京都出身の41歳。日本プロゴルフ協会(PGA)会員。
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