マイナビ仙台レディース 2023-24シーズンインタビューvol.3

マイナビ仙台レディース
チーム・協会

「胸に秘め続ける日本代表への夢。ピッチの中でも外でも、自分をアップデートし続けたい」 DF 高平美憂選手

【©mynavisendai】

WEリーグカップを戦うマイナビ仙台レディース。左サイドバック(SB)のポジションでプレーするDF高平美憂選手は、仙台で6シーズン目を迎えています。長い脚から繰り出されるクロス、サイドで攻守にハードワークを惜しまない姿勢はチームの大きな武器でもあります。ピッチ内外で、自身の成長にフォーカスし続ける23歳に、今の思いを聞きました。


――WEリーグカップが8月に開幕。残暑の厳しい中、試合も進んできましたが、ここまでの戦いはいかがですか?

高平「シーズンが始まって、なかなか結果が出ていないということが、今の自分たちの現状です。それは一人一人がしっかりと受け止めなければいけないことです。課題についてももっとチーム全体で共有していかないと、なかなか前には進めないのかなと思います。全てができていない訳ではなく、できていることもあるので、そういうところは伸ばしていくこと。個の力も大事になってくるので、それぞれがもっと特長を出せば、チームになった時にもっと大きな力になると思います。」


―昨季とはチーム全体のメンバー編成も変わりましたが、佐藤楓選手や國武愛美選手、松永未衣奈選手など、DFラインは主に昨シーズンからプレーしている仲間たちです。

高平「そうですね。昨シーズンは個人としてはなかなか出場機会がなかったので、すごく悔しい思いをしたシーズンでした。特にSBでチャレンジしたいということはずっと思っていました。今季は、そのSBでチャレンジできています。DFラインの他の選手たちは昨年も多く試合出場していた選手たちなので、共通理解は私より進んでいます。そこに私も入り、更に周りの選手をどう巻き込んでいけるかが、今の自分にとって大事だと思っています。今試合に出ている選手たちが安泰という訳でもないので、練習から勝負は始まっていますし、そこで勝ち取った選手が試合に出られると思います。」

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――今季から秋本真吾さんがスプリントコーチに就任して、走りの面で特別なトレーニングが行われていますね。

高平「私は小学生の時に駅伝をやっていて、陸上のメニューにも取り組んでいたんです。懐かしいなという感じもありますし、やったことのない新しいメニューもあります。もっと速く走りたいという思いがあるので、こういう機会を頂けて嬉しいです。昨シーズンだったら(宮澤)ひなたが、一番スピードがあったのですが、そこに負けない、食い込めるようなスピードを持つために取り組みたいです。地味なトレーニングも多いですが、一つ一つ丁寧にやって、結果が得られるようにしたいです。」

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――少しサッカー以外の話を伺うと、高平選手は大好きな美容のことを学び、専門的に取り組んでいますね。SNSでも積極的に発信していますが、以前から勉強してきた「日本化粧品検定」は受験したのですか?

※日本化粧品検定とは…「化粧品に関する幅広い知識を身につけることができる文部科学省後援の検定試験。美容関係者をはじめ生涯学習を目的とする一般や学生など、幅広い年齢層を対象に、化粧品・美容に関する知識の普及と向上を目的とする。」

高平「2級と1級を同時に受験して、両方合格しました。午前に2級の試験があって、午後からは1級というテストでした。出題された問題が、勉強していたものとは違っていて不安はありました。終わった直後に自己採点と復習をしたんですが、絶望的な気持ちになりました。その時、ひなたと、(船木)里奈さん、(西野)朱音が送迎をしてくれたのですが、帰りに迎えに来てくれた時は、彼女たちの顔を見て『もう、だめだー!』と弱音を吐いてしまいました(笑)でも、オフ期間に実家へ結果が届いていて、母に聞いたら、『合格』だということでした。」

――おめでとうございます。更にステップアップも考えていますか?

高平「先日は、この検定の特級でもある『コスメコンシェルジュ』という資格の試験をオンラインで受けました。結果はこれからですが、結構難しかったです。テーマが『相手の真のニーズを引き出す』というところで、相談に来た方のお肌に関する悩みを聞いて真のニーズを引き出すために、必要な情報を箇条書きするというものでしたが、難しかったです。はたして合っているのかどうかわからないですが、とにかく解答を書いてきました(笑)」
(その後、無事に合格の知らせが届きました。高平選手おめでとうございます。)

――サッカーとは全く別の好きなことや強みを磨いていますね。オンとオフの切り替えもでき、生活に張り合いも出てきますね。

高平「はい。ピッチではしっかりサッカーのことを考えて取り組む。ピッチ外では、自分の好きなことや趣味に時間を使うということできています。今までは、オフにピッチ外でも筋トレをするということはあったのですが、それ以外で好きな化粧品のことを勉強し、新しいきっかけが作れました。いろいろな面でプラスになっていると感じています。」

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――高平選手ご自身にとってはどのようなテーマを持って取り組むシーズンですか?

高平「自分の成長を考えたいと思います。今代表で活躍している選手は海外でプレーしている選手が多いですよね。私も最終的には、なでしこジャパンのメンバーに入りたい、そこで活躍したいという思いを持っています。そう考えた時に、今WEリーグで活躍している選手だけでなく、海外でプレーしているような相手に対して通用するかという、先のところまで考えたプレーを身につけたいです。自分の特長はクロスなので、その精度にこだわりたいです。海外の映像を見ると、ふんわりしたボールよりは、速いクロスが多い。そういうところを磨いていきたいです。」


――高平選手の速いクロスからチャンスを生み出すシーンが楽しみです。クロス以外の面ではいかがですか?

高平「攻守において連続的に駆け上がることも特長ですが、今は守備で力を使うことが多くなってしまっています。それを攻撃面で発揮できるようなポジショニング。そして1対1のところでは、クロスは私の良さですけが、それだけではないというところを見せたいと思うので、自分でしかけてシュートまでいくという選択も持ちたい。守備では1対1で負けたくないので、簡単に背後は取られないとか、最後まで粘り強く守るというところは高めていきたいです。」

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――代表への思いも聞かせて頂きましたが、今年のFIFA女子ワールドカップはどうご覧になっていましたか?

高平「日本の良さも出ていましたし、他のチームの良さも知ることができました。優勝したスペインのサッカーもすごく良かったと思いますが、スウェーデンのサッカーが魅力的でした。縦に速いし、強い。日本もカウンターが結果につながっていたということは、みんなの自信につながっていたのではないかと思います。」

―勝ち上がっていく度に、なでしこジャパンの選手たちは堂々とプレーしていましたね。大きな刺激になったのではないですか?

高平「すごく刺激になりました。代表チームがプレーで見せていることは、私たちが目指すベースにもなると思います。なでしこジャパンの選手たちが素晴らしいプレーを見せてくれたので、WEリーグの選手たちもそこに達することができるようにやっていかなければいけないと感じています。」


 代表選手たちから受けた刺激を、今度は自分たちが「WEリーグの舞台」で表現する。厳しい戦いの中でも、自分自身と向き合って進化していく高平選手のプレーを見に、そしてマイナビ仙台レディースを応援しに、ユアテックスタジアム仙台へ足を運んで下さい。
(マイナビ仙台レディース・オフィシャルライター 村林いづみ)
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著者プロフィール

東日本大震災により休部した東京電力女子サッカー部マリーゼが移管し、2012年ベガルタ仙台レディースが発足。2017年に株式会社マイナビとタイトルパートナー契約を締結しマイナビベガルタ仙台レディースとなりました。 2020年10月にWEリーグへの参入が正式決定。2021年2月より「マイナビ仙台レディース」とクラブ名を改め、活動をスタート。選手達の熱いプレーが多くの方に届くような盛り上がりをともに作っていきます。仙台、東北から日本全国、全世界に向けて、感動や勇気を与え、WEリーグ優勝を目指し活動しています。

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