内海哲也「論ずるに値しない」からの歩み 上原、菅野らと違う「エース」像へ
【写真は共同】
6度のリーグ優勝、2度の日本一、09年のWBCでは世界一も経験するなど順調すぎるキャリアを重ねたが、まさかの人的補償で西武へ移籍。失意の中、ある先輩から掛けられた言葉が内海を奮い立たせていた。内海は何を想い、マウンドに挑み続けたのか。今初めて明かされる。内海哲也著『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』から、一部抜粋して公開します。
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PNFで変わった“世界観”
ジャイアンツの選手会長に就任したのに思うような成績を残せず、悔しい気持ちを抱えたまま突入したこの年のオフ、僕は大きな問題を抱えていました。
「左肩が痛くてどうしようもない……」という状態だったのです。左肩の痛みは東京ガス時代にも悩まされた問題ですが、深刻化して長期離脱になる事態はなんとしても避けなければいけません。
そんなタイミングで出合ったのが、PNF(固有受容性神経筋促通法)というトレーニングでした。
もともとジャイアンツの先輩投手である久保裕也さんが取り入れていたのですが、最初に聞いたときには「そんなトレーニングがあるんですね」というくらいの受け止め方でした。僕にもパーソナルトレーナーとして見てもらっている方がいたので、その人と一緒にトレーニングに取り組んでいこうと考えていたからです。
でも肩の状態がいよいよ深刻になり、チームのトレーナーに相談したときに紹介してもらったのがPNFでした。
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