岩井千怜が抜群の集中力で単独首位に躍り出る!

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【Photo:Masterpress/Getty Images】

 JLPGAツアー2023シーズン第13戦『リゾートトラスト レディス』(賞金総額1億4000万円/優勝賞金2520万円)大会第2日が5月26日、静岡県浜松・グランディ浜名湖ゴルフクラブ(6500ヤード/パー72)で行われた。通算12アンダーまでにスコアを伸ばした岩井千怜が単独首位。1打差の2位タイにはツアー初優勝を狙う佐久間朱莉と、2週連続優勝を目指す山下美夢有が並ぶ。さらに2打遅れての4位タイに神谷そら、菊地絵理香が並んでいる。
(天候:晴れ 気温:23.7℃ 風速:3.5m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/3フィート コンパクション:24mm》

 4連続を含む9バーディー(1ボギー)を奪い、大会コースレコードと同時に自己ベストとなる64をマークした岩井千怜。しかし、ホールアウトした岩井自身にはそれだけのビッグスコアを残したという達成感はなかったのかもしれない。「コースレコードとかも知らなかったですし、途中4連続バーディーを取っていたことも気がつきませんでした」。ただ単に目の前のバーディーパットを入れることだけに集中していたという。

 当然、自分が今何アンダーで何位にいるのかもラウンド中は把握していない。ラウンド中に風の強さすら感じなかったというのだから恐れ入る。いかに納得のいくショットを放ち、パットを決めるのか、その一点だけに全神経を注いでいた。ただ、今大会の開催コースとなるグランディ浜名湖GCは林でセパレートされておらず、視界を遮るものが無い分、ターゲットを絞りにくい。なかなか集中しにくい状況で岩井が取った作戦は、ホールのどこか1つを目標にすることだった。

 「例えば、グリーンのそばにある木だとか、バンカーの右端、クラブハウスの左端とかですね」。エリアではなく、ピンポイントで目標をつくったほうが集中力は増すのかもしれない。事実、飛ばし屋の岩井だが、この日はフェアウェイを外したのも、グリーンに乗せることができなかったのも、わずかに2回ずつだった。

 周りのスコアを気にするよりも、自分のゴルフだけに集中するのが千怜流だが、今季はRKB×三井松島レディスで優勝した以外に、2位タイが2回あるなど優勝争いに絡んだ回数も少なくない。当然、緊迫した中で集中力を維持すると精神的にも身体的にも疲労が溜まる。いくら20歳とはいえ、どのようにリカバリーしているのだろうか。

 「自分でマッサージしたり、ビタミン、乳製品をとるようにしています。でも一番は早く寝ることですね」。ちなみに前日は夜の10時にベッドに入り、朝の8時半までぐっすり眠ることができたという。それでも眠いし、疲れも溜まっているという岩井。いくら20歳とはいえ、やはりそう簡単には疲労が抜けないのだろう。それでも自分のスタイルを変えるつもりはない。

 3日目は今季何度も死闘を繰り広げている山下美夢有、ジュニア時代のライバル・佐久間朱莉と最終組でラウンドすることになるが、目の前の1打に集中する岩井にしてみれば、誰とラウンドしても影響を受けることはない。残り36ホール、岩井のコースとの戦いはまだまだ続く。(山西 英希)
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