【試打計測】キャロウェイ「パラダイム」vs. 「パラダイム X」ドライバーを打ち比べてみた

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ティーチングプロの石井良介さんに、キャロウェイ「パラダイム ドライバー」と「パラダイム X ドライバー」をそれぞれ試打比較していただきました。

パラダイム ドライバーの特徴

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スタンダードモデルである「パラダイム ドライバー」は、フェース面がAIフェースで反発性能も高く、ボールの曲がりもAIの力で収束させて曲がりにくくなっています。360°カーボンのボディで後ろ側にもウェイトがあります。

ヘッド側の金属と後ろ側のウェイトの位置だけで、本来のゴルフクラブとしてのパフォーマンスは決定できますが、ボディはクラブの形を作らなければいけないため、カーボンで覆うことで真ん中の余剰重量を減らして、重さをフェース側と後ろ側に集めたクラブです。そのおかげで実際にボールが飛んで、曲がらない、ボールも上がりやすいドライバーに仕上がっています。

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パラダイム ドライバーの特徴的なのは、ペリメーターウェイトでしょう。ウェイトを動かすことで、つかまりをよくしたり抑えたり、打ったときに左右にいく弾道を調整することができます。おなじみのネックのカチャカチャでロフトを増やしたり、つかまりを変えたりすることももちろん可能です。

パラダイム ドライバー試打:ペリメーターウェイトノーマルポジション (ロフト:10.5 シャフト:VENTUS TR 5 for Callaway(フレックスS))

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ウェイト位置はノーマルポジションからスタートしていきます。

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何発か打ってみましたけど、ボールとしてはニュートラルな球が出やすくて、つかまりもそのスイングに由来しています。少しつかまえられる人にはつかまえてくれるし、つかまらない人はつかまらない。ボールが素直に出やすいのがニュートラルポジションの性格なのかなと思います。

私が打つとほんのりつかまり、意図的に意識すると真っ直ぐ打てる感じがしました。

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ドローニュートラルポジションでつかまりすぎる人は、スタンダードでフェードポジションにするか、パラダイム トリプルダイヤモンドを選ぶのも1つの方法だと思います。

パラダイム 試打:ペリメーターウェイトドローポジション (ロフト:10.5 シャフト:VENTUS TR 5 for Callaway(フレックスS))

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ドローポジションにウェイトを設定しました。僕がレッスンしている生徒さんの中で、パラダイム ドライバーを購入して前回のローグST MAXやEPICシリーズも使っていた方から「パラダイムを使うと右にいくことがある」と聞いたことがありました。実際に僕が打ってもローグST MAXと比べると、左にいく度合いが通常のパラダイムの方が抑えられているかなと思います。

パラダイムが一番ニュートラルで少し右にいきやすいくらいの位置づけとするなら、ニュートラルよりちょっとつかまるのがローグST MAX。その横にパラダイム Xがいて、一番つかまるところにローグST MAX Dがいる。そんな位置づけでつかまり具合が違う印象を持っています。

では、ドローバージョンでどのくらいつかまるのか、打ってみたいと思います。

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試打①

ちょっとつかまります。実際にデータで見てもらうと、フェースアングルは若干クローズに入っているのですが、スピン軸が-11°左に傾いていて、ボール自体はフックする弾道になっています。

フェイストゥパスとフェイスアングルの差は-1.9°しかないので、そんなに大きなフックになるような数値ではないのですが、わりと大きなフックが出やすそうな、しっかりつかまっていることは確認できるかなと思います。

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試打②

フェースが少しかえってしまいました。フェイスアングル3.1°クローズとなっています。それに対してスピン軸-8.3°になっていますが、ギュンと左に曲がる程の変化でないと思います。スタンダードバーションのウェイトが真ん中にあるときと比べると、球がフックしてくれるのは確認できるでしょう。

ドローポジションは、スライスに悩んでいる方がウェイト位置を変えれば助かるというよりは、少しつかまらない人がウェイト位置をずらすと少しつかまると思っていた方が良いのかなと思います。

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試打③

ちょっとつかまるという感じですね。その代わり、逆に右にいかないという安心感はあります。右が怖い人がしっかりウェイトをずらしていて、自信を持って打つとしっかりドロー回転フック回転を得られるのかなと思います。

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右に飛ぶ人はドローポジションにするとしっかりドロー回転してくれるクラブと言えるでしょう。

パラダイム 試打:ペリメーターウェイトドローポジション (ロフト:10.5 シャフト:VENTUS TR 5 for Callaway(フレックスS))

意図的にドローにした状態で、アウトサイドインでスライスをかけてみようと思います。

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スライスのスイングで試打①

先程とは逆に、クラブパスがインサイドアウトだったスイングを少しアウトサイドイン。フェースアングルが少し開き気味になったスイングをしてみましたが、やはりちょっとスライスはするので、右に曲げることができないことはないです。つかまりはちゃんとあるけど、右に曲げることはできます。

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スライスのスイングで試打②

これは典型的なアウトサイドインに入っています。フェースアングルは若干クローズに入っていますけど、フェーストゥパスが少し開いているので右に曲がっています。実際にボールも軽くフェードボールになっていますが、おそらくペリメーターウェイトのおかげでそんなに極端に曲がる球でなくて、直線的なボールになっているといえるでしょう。

ほんのりスライサーの人がコースでこれを打つと、こんな感じの「ナイスショット」と言われるようなボールが得られると思います。

パラダイム Xの特徴

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パラダイム Xの方が、前作のローグST MAX Dに近いモデルに位置付けられていると思います。真ん中の360°カーボンのボディで軽量化できているおかげで、後ろを長くする必要が無くなったというのが一番の特徴だと思います。

ローグST MAX Dと比べると、パラダイム Xの方が上から見たときのヘッドサイズが少し小さくなっています。顔としてはパラダイム Xの方が少しシュッとしていると思います。パラダイムと比べると後ろに長い感じになりますが、その辺の位置づけが性能として分けられているのでしょう。

なお、Xにはペリメーターウェイトがないので、イジれるところはネックだけです。ヘッドとしてきちんとつかまえる機能が内蔵されていると考えたらいいと思います。

パラダイム X 試打 (ロフト:10.5 シャフト:VENTUS TR 5 for Callaway(フレックスS))

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試打①

いきなり違いが出てますね!先程までパラダイムを打っていましたが、同じ感じでスイングするといきなりボールがポンと左に出るような、ヘッドが返りやすいという結果が出ています。

今度はあまり意識しないで普通に打ってみます。

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試打②

これがこのクラブの性格をあらわしていると思います。クラブパスとフェースアングルは、パラダイムを打っているときとそれほど変わらない数値になってますが、スピン軸が倍以上左に傾いています。

ボール自体が打ったときにバックスピンがかかりますが、バックスピンがかかっている回転軸が左に傾いています。飛行機の羽根が左に傾けば左に旋回するように、ボールの回転軸が左に傾いているので左の方に行きやすいと理解していただければいいと思います。それほどフェースを極端に返しているわけではないのに、スピン軸が大きく左に傾いているので、実際にボールは大きいフックボールになっているのがわかります。

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試打③

クラブが真っ直ぐ入ってくれたおかげで、あまりフックがかかっていません。ちゃんと真っ直ぐ打てれば真っ直ぐな球も出やすいけど、どちらかと言えば、フックの方に球が曲がるようにクラブ自体は作られていて、右にいく心配は少ないと思いました。

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スイング中にフェースの開閉が大きかったりとか、開いたまま打ってしまったりといったような人は、ボールが右に出てしまうかもしれませんが、多くの人にとってパラダイム Xはつかまりやすい性能を感じると思います。

パラダイム X 試打 (ロフト:10.5 シャフト:VENTUS TR 5 for Callaway(フレックスS))

先程のパラダイムと同じように、スライスをかけるように打ってみたいと思います。アウトサイドイン3°くらいを目指して打ってみます。

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スライスのスイングで試打

先程のパラダイムのフェードボールを打った状態に近いと思うのですが、アウトインというクラブパスでフェースアングルが若干閉じています。クラブに対してフェースが若干開いている状態になると思います。

クラブは左に振っています。フェースも左に向いています。しかし、クラブパスに対してはフェースは2°開いてますと表示されているのです。ボールは右回転が入ってきれいなフェードボールになっています。

このクラブ自体がつかまる性能が強いので、右に大きく曲がることはなくストレートに近いような弾道になっています。後ろから線で追うと少し右に曲がっているのはわかりますが、このボールを実際にコースで打ったら結構真っ直ぐに見える弾道になるのではないかと思います。

パラダイムとパラダイム Xを試打比較した印象

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パラダイムとパラダイム X を打ち比べてみましたが、ほとんどのアマチュアの方は基本的にこの2本のどちらかに集約されるのではないかと感じるくらい、完成度の高いモデルだと言えます。

パラダイムより少しつかまるのがローグST MAX、その横にパラダイム Xがいて、XよりつかまるのがローグST MAX Dという位置づけになるのではないかと思いました。

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スライスする、フックする、球が上がる、上がらないという観点で選ぶなら、ほとんどの人は通常のパラダイムでいいのではないかと思います。ただどうしても右にいくのが嫌でスライスの悩みが深い人は、パラダイム Xにしておくと安心なのかもしれません。

また、ヘッドの開閉が大きい人はパラダイムだとつかまらないと言われる人もいるので、ペリメーターウェイトを動かしたり、シャフトを変えたりとアジャストの仕方はあると思います。

上から見たときの顔がローグSTと比べたときに、少し小顔に見える通常のパラダイムと、似てる顔だけどちょっとシュッとしているパラダイム X。この顔の好みで選んでもいいんじゃないかと思います。もちろんパラダイム MAX FASTという選択肢もあります。

ちなみに僕はパラダイム トリプルダイヤモンドを買いましたが、皆さんはどのパラダイムになるでしょうか?パワーやスイングに合わせて選んでいただければと思います。

キャロウェイのドライバーをチェック

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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