知られざる「WBC激闘の舞台裏」 ブルペン捕手・鶴岡慎也と五十嵐亮太が語る、侍ジャパン世界一奪還への軌跡

柴山高宏(スリーライト)

栗林良吏の感動的なスピーチ

離脱が決まった栗林(前列中央)を囲んで行われた記念撮影 【写真:共同通信社】

 第2回は、侍ジャパンの綿密な継投策とブルペンを支えたコーチたち、栗林良吏のまさかの離脱とそれがブルペンに与えた影響、大会を通じてダルビッシュが不調だった原因などについて明かしている。

 最大の見どころは、栗林の離脱にまつわるエピソードだろう。クローザー候補として期待された栗林だが、腰の張りが原因で1次ラウンドの4試合で登板機会はなし。準々決勝を目前に控えた3月13日に、無念の離脱となった。

 忸怩(じくじ)たる思いがあったはずなのに、気丈に振る舞う栗林の人間性を鶴岡さんは絶賛する。「思わず泣きそうになった」と語る、チームメイトに向けた栗林のスピーチに関する話は必見だ。

ダルビッシュ不調の原因とは?

 ダルビッシュは今大会で3試合に登板し、6イニングを投げて防御率6.00。被安打7、被本塁打3と痛打を浴びるシーンが散見され、奪った三振の数は2と、マウンドを支配する姿は見られなかった。そのことを気にかけたファンは多いのではないだろうか。

 五十嵐さんはダルビッシュが不調だった原因を「合同合宿からいろんな選手に気を遣ったことで、自分の練習がそんなにできなかったのではないか」と指摘する。

 また、自身の調整以上にチームや若手投手のサポートに力を尽くしたダルビッシュの姿を間近で見ていた鶴岡さんは「彼は決して弱音を吐かないが、しっくりきていない仕草は感じていた。実戦で投げることができなかったのが、一番辛かったと思う」と言い、今大会の“影のMVP”とも称されるダルビッシュの献身性を称えた。
 動画はこの後、準決勝のメキシコ戦を振り返る第3回(21日公開予定)、決勝のアメリカ戦を振り返る第4回(26日公開予定)へと続いていく。「この2試合については聞きたいことがたくさんある」と目を輝かせる五十嵐さんと鶴岡さんの対談は、次第に熱を帯びていくことになる。期待してほしい。

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