知られざる「WBC激闘の舞台裏」 ブルペン捕手・鶴岡慎也と五十嵐亮太が語る、侍ジャパン世界一奪還への軌跡
栗林良吏の感動的なスピーチ
離脱が決まった栗林(前列中央)を囲んで行われた記念撮影 【写真:共同通信社】
最大の見どころは、栗林の離脱にまつわるエピソードだろう。クローザー候補として期待された栗林だが、腰の張りが原因で1次ラウンドの4試合で登板機会はなし。準々決勝を目前に控えた3月13日に、無念の離脱となった。
忸怩(じくじ)たる思いがあったはずなのに、気丈に振る舞う栗林の人間性を鶴岡さんは絶賛する。「思わず泣きそうになった」と語る、チームメイトに向けた栗林のスピーチに関する話は必見だ。
ダルビッシュ不調の原因とは?
五十嵐さんはダルビッシュが不調だった原因を「合同合宿からいろんな選手に気を遣ったことで、自分の練習がそんなにできなかったのではないか」と指摘する。
また、自身の調整以上にチームや若手投手のサポートに力を尽くしたダルビッシュの姿を間近で見ていた鶴岡さんは「彼は決して弱音を吐かないが、しっくりきていない仕草は感じていた。実戦で投げることができなかったのが、一番辛かったと思う」と言い、今大会の“影のMVP”とも称されるダルビッシュの献身性を称えた。