勝つためにどのようにオーダーを決めるのか? 監督・工藤公康が考えた現場でのデータ活用法
数値化されない部分に多くのヒントがある
工藤氏がソフトバンク監督時代に考えていたデータとの向き合い方とは? 【写真は共同】
先ほど書いたような、その日のバッティング練習の状態はもちろんのこと、ウォーミングアップの動きや、ダッシュの動き、細かい部分までしっかりと見ることで、分かる部分もたくさん出てきます。
データを活用する前提として、選手をしっかりと見ること。数値だけで評価してしまうことで、選手の日々の成長も、わずかな変化も見ようとしなくなってしまうことも考えられます。毎日しっかりと見ることで、選手へのデータの還元方法や、「どうすればこのデータが活きるのか」ということを、より深めていくことができると思っています。
何よりも大事なのは選手(人)です。データだけに頼れば起用法を見誤ったり、チャンスを逃してしまうことも少なくありません。データは非常に強力な武器になりますが、過信しすぎないことが大切です。選手のすべてを教えてくれるわけではないということを常に頭に入れておく必要があると私は思います。
データや科学というのは非常に奥が深いものです。今回、書き切ることができなかった部分を、次回にさらに深掘りさせていただければと思っています。
(企画構成:スリーライト)