連載:WBCに挑む侍ジャパンのベストオーダーは?

ファンが選ぶ! WBC・侍ジャパンの外野手は? 常連組に近本&塩見の俊足コンビが割り入るか?

前田恵
 11月初旬の「侍ジャパンシリーズ2022」では近藤健介(日本ハム)、周東右京(ソフトバンク)以外、NPB選手として世界大会に出場経験のない選手が選ばれた外野陣。新顔組も含め、それぞれが持ち味を生かし、本戦に向けてアピールできたといえるだろう。とすれば本戦の外野争いは、ますます激戦になりそうだ。

ファンが選ぶ! WBCベストメンバーポジション別ランキング 外野手編

1位:鈴木 誠也(カブス)      得票率 68.20%
2位:吉田 正尚(オリックス)    得票率 63.42%
3位:柳田 悠岐(ソフトバンク)   得票率 50.98%
4位:塩見 泰隆(ヤクルト)     得票率 20.19%
5位:近本 光司(阪神)       得票率 18.25%
6位:秋山 翔吾(広島)        得票率 6.39%
7位:松本 剛(日本ハム)       得票率 6.31%
8位:近藤 健介(日本ハム)      得票率 5.81%
9位:佐野 恵太(DeNA)      得票率 5.78%
10位:筒香 嘉智(ブルージェイズ3A) 得票率 4.98%
11位:岡林 勇希(中日)       得票率 4.83%
12位:佐藤 輝明(阪神)       得票率 4.73%
13位:西川 龍馬(広島)       得票率 4.25%
14位:丸 佳浩(巨人)        得票率 4.02%
15位:周東 佑京(ソフトバンク)   得票率 3.19%
16位:牧原 大成(ソフトバンク)   得票率 1.53%
16位:島内 宏明(楽天)       得票率 1.53%
18位:桑原 将志(DeNA)      得票率 1.46%
18位:大島 洋平(中日)       得票率 1.46%
20位:青木 宣親(ヤクルト)     得票率  1.21%

世界を知るメジャーリーガーが堂々の1位

メジャー1年目でコンスタントに試合に出場した鈴木誠也。その経験を評価するファンが多かった 【写真は共同】

 「ファンが選ぶ!2023WBC侍ジャパンベストメンバー」外野手部門では、今回の強化試合に出場しなかった選手が、トップ3に並んだ。

 得票率68.2%の1位は、鈴木誠也(カブス)。今季、広島からMLBカブスへ移籍。負傷者リスト入りするアクシデントもあったが、最終的に111試合出場、打率.262、打点46、本塁打14の成績を残した。かつてプレミア12や東京五輪で侍ジャパンの四番を務めた経験もある上でのこの成績に、「メジャーでそれなりの対応を見せているので、外せない」「世界を知っていることと、肩の強さや一発を打てる怖さがある」(以下、「カギカッコ」内はファンのコメント)と、鈴木推しをさらに強めたファンが多い。脂の乗り切った28歳。来春、また「神ってる」が流行語になるか。

 2位には得票率63.42%で、日本一・オリックスから吉田正尚。ヤクルトとの日本シリーズ第5戦で放ったサヨナラ2ランも、強烈だった。「勝負強く、パワーがあるから」「ミート力が高く、毎年打率3割。あのフルスイングをしていて三振数が少ないのが本当にすごい」と、鈴木に迫る票を得た。今オフ、ポスティングシステムによるMLB移籍を希望しており、今後の動向が注目されている。ちなみに吉田応援グッズとしておなじみの「正尚チャンスダンベル」は、アメリカでもかなりウケると筆者は思うのだがどうだろう。

スモールベースボールに欠かせない2人がランクイン

侍ジャパン強化試合で栗山監督へアピールした塩見泰隆(左)。近本光司とともにスモールベースボールを体現する2人のスタメンはあるか? 【写真は共同】

 3位の柳田悠岐(ソフトバンク)は得票率50.98%と、上位2人よりやや数字を落とした。走攻守すべてにおいてケタ外れの実力は認めながらも、故障で世界大会出場をたびたび逸したことも要因か。とはいえ、「あのパワーとバットコントロールは、世界を相手にしても戦える」「今季こそ成績を落としたものの、“何かやってくれる”と思わされる選手」と“規格外”の活躍に今も期待する声が大。「ガッツ最高!」のコメントも、柳田ファンらしくていい。

 さて、侍ジャパン新顔組トップの得票率20.19%を集めたのは、塩見泰隆(ヤクルト)だ。“ベテラン侍”トップ3には離されたものの、4位は立派。先の強化試合では巨人戦で本塁打、オーストラリアとの第2戦で先制打を含む猛打賞と躍動した。「塁に出て足を生かす野球ができそう」「大舞台でも打ちそう」と、ファンの中では次期侍ジャパン当確か。

 もう一人、得票率18.25%で5位に入った新顔組が、近本光司(阪神)。今季盗塁王の足を、侍ジャパンシリーズでもアピールした。「スピードと動く球対応力」「守備範囲と盗塁」と、世界を相手に点を取るために欠かせないピースとして、高く評価されている。

最後にトップ10圏外ながら、熱いコメントが寄せられた選手を一人、紹介しよう。来春WBC大会時には41歳となる、青木宣親(ヤクルト)。「ベテランとして必要不可欠」「精神的支柱」――このファンの声が届くか。


<企画構成:スリーライト>
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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