角田裕毅が肌で感じた“凄すぎるF1の世界” 独占インタビュー
やっぱりアロンソはうまい!
「チームメイトに負けたら明日はない」とは、F1の世界でよく語られる言葉だ。同じクルマに乗るガスリーに対して、角田がどれほどのパフォーマンスを見せるのか 【Red Bull Content Pool】
角田 レースに向けた準備はそれぞれ自分に合ったやり方があると思うんですけれど、ピエールのやり方はもちろん参考になります。一番感じたのは、シーズン前の過ごし方ですね。しっかり身体を作ってきていて、それには驚きました。F1は、そこまで身体を鍛えないとダメなんだと。正直、F2から上がってきたときの僕は、そこまでの必要はないと思っていました。だからたいしたトレーニングもせずに臨んだわけですが、いざF1に乗ったら、こんなにキツイのかと。しかも、気づいたときにはもう手遅れで……。1レースで3〜4キロも体重が減るなかで自分の甘さ、経験を積んできたドライバーとの差を痛感しました。
──コース上で実際にバトルしてきたドライバーのなかで、印象に残った存在は?
角田 アロンソのスタート1周目の巧さは、やはり印象に残っています。全ドライバーがあれだけアグレッシブに行く状況で、しかもグリップレベルは低い。スタート直後にクラッシュしてしまったら、チームに大損害を与えてしまう。そんなプレッシャーのなか、誰よりも「前に行くんだ」という意気込みの強さは本当に凄いと思いました。他の誰よりも、やはり(フェルナンド)アロンソですね。
──去年は何度もアロンソとバトルを繰り広げました。
角田 そうですね。負けたり勝ったり……いや、負けたほうが多かった。だからこそ最終戦アブダビGPで彼とバトルをして勝てたことはうれしかったです。あの歳になっても「誰にも負けない」という強い気持ちで走っている彼には本当にリスペクトしかありません。少しでも近づけるような意気込みでレースしたいですね。アロンソ選手にはまだまだかなわないですけれど、気持ちで勝てたと思えるレースがあったのは良かったです。
──最後の質問です。DAZNで配信中の自身のドキュメンタリーは観ましたか。
角田 はい。まだ全部を見終わってはいないのですが、5話くらいまでは観ました。自分のバックグラウンドが、まるまる描かれていて、親がたくさんコメントしていましたね。親が自分のことを話している内容を聴くことって実はなかなか機会がないので、びっくりもしたし、面白くかっこよく作っていただいているのでうれしい限りです。ピエールとの関係とか、去年の自分を振り返るときに、自分自身が忘れていたことをいろいろと思い出させてくれる。それぐらい事細かく、要点を押さえて作ってもらっていますね。いいドキュメンタリーだと思います。