【クラブフィッターが解説】男子プロ使用のクラブは、アマチュアゴルファーも使えるのか?

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【USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

クラブフィッターの小倉勇人です。私は普段店舗に立って、さまざまなゴルファーとコミュニケーションを取っているのですが、よくこんな質問をされます。「ツアープロの使っているドライバーって我々にも使える?」と。

結論から先にお伝えしますと……使えます!正確には「ヘッドは」ですが。本人が使用しているクラブそのものを打てといわれると、それは難しいです。トレーニングを積んで、果てしない練習量をこなしているプロが最大のパフォーマンスを発揮できるように組まれたクラブですから。

クラブのスペックを左右する要素は、主にふたつ。ヘッドの性能とシャフトの性能です。後は、どのくらいの長さで組むかによって変わってきます。

最近のツアープロは、操作性よりも直進性やミスへの強さを重視する傾向にあるため、それほど難しいヘッドは使っていません。ツアープロが使用するヘッドは多少のチューニングが施されているケースもありますが、基本は市販品とおなじもの。ミスに強いヘッドに、自分のパワーに見合ったタイミングの取りやすいシャフトを組み合わせて最大限のパフォーマンスを発揮しているのです。

松山英樹プロ:スリクソン「ZX7 ドライバー」

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2021年、メジャータイトルであるマスターズを制覇した松山英樹プロのドライバーは、スリクソン「ZX7」です。このヘッドは、操作性を重視しながら、ミスした時のスピン軸の傾きを抑えた設計になっています。つかまり性能はニュートラルなので、ドロー系のつかまえた弾道を安定して打つにはさすがにそれなりのテクニックが必要になりますが、それなりにミートできるスイングができるなら、シャフトしだいで誰でも安定した弾道を打つことはできます。

B・デシャンボー プロ:コブラ「RADSPEED ドライバー」

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世界的な飛ばし屋で知られるB・デシャンボー プロは、5.5度や7度といった恐ろしくロフトの立ったドライバーを好みますが、ヘッド自体は、コブラの重心が深めでミスの強いモデルを使用しています。テストを繰り返しているコブラの最新モデル「KING RADSPEED」は、3つのヘッドタイプがありますが、どれも重心が深く、ミスに強いモデルです。

C・キム プロ:PING「G425 MAX ドライバー」

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日本のツアーで賞金王になったC・キム プロはPING「G425 MAX」を使用。彼も飛ばし屋として有名ですが、使用ヘッドはアマチュアに人気のやさしいヘッドです。

プロ使用モデルと聞くと、とてもじゃないと打てない!なんて先入観も入りますし、わりとハードなスペックのシャフトが装着されていることが多いので、力んでしまいがちです。ですがシャフトのスペックさえ合わせれば、よほどの初心者の方でない限り打つことはできるはずです。

プロ使用モデルを使いこなすための注意点

では、プロ使用モデルをよりつかいこなすために、選ぶ時の注意すべき点をお話ししましょう。

まずはロフトです。ツアープロは、ヘッドスピードが速いため、ロフトの立ったスペックを使っています。余計なスピン量を抑え、適正な打ち出し角を得るためです。同じ仕様を打ちこなしたいという欲求はあると思いますが、そこは実をとり、グッとこらえて自身のスイングに合ったロフト角を選んでください。

次にシャフトです。最近は、メーカーの初期設定にも豊富にシャフトのラインナップが用意されています。限定モデルとかになってしまうと難しいかもしれませんが、カスタムシャフトの設定があるなら、ハード過ぎるスペックを選ばないようにしましょう。

よほどの限定モデルではない限り、大きなショップに行けば試打はできるはず。使いこなしたいのであれば、ロフト角とシャフトのしっかり選定しましょう。

【スポナビGolf】

※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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