外国産馬の重賞成績を振り返る
NHKマイルC優勝馬と外国産馬出走数
しかし2001年に日本ダービーが外国産馬に開放されたのを皮切りに、2002年に皐月賞、2003年にオークス、そして2004年には桜花賞にも外国産馬が出走可能となった。これにより、NHKマイルCは「外国産馬のダービー」から、「3歳マイル王決定戦」という位置づけへと変化していった。
平地重賞における外国産馬の成績(日本調教馬)
ただ表2にあるように、平地重賞における外国産馬の好走確率は上昇傾向にある。昨年はモズスーパーフレア(高松宮記念)、モズアスコット(フェブラリーS、根岸S)など9勝を挙げ勝率は11.5%。そして今年はシヴァージ(シルクロードS)、カフェファラオ(フェブラリーS)、エリザベスタワー(チューリップ賞)、そしてシュネルマイスター(NHKマイルC)と既に4勝。勝率の14.8%は、1996年以降で最高だった1997年の13.4%を今のところ上回っている。新型コロナの影響は未知数だが、このまま活躍馬が増えれば今後輸入される馬も増えていくと考えるのが自然だろう。
平地G1競走における外国産馬の成績(日本調教馬)
このG1への出走数が増加してくるようなら本格的な外国産馬復権もありそうだが、果たしてどうだろうか。現役時に日本で活躍した馬の産駒が好結果を残す今の競馬がおもしろいという面も当然あるが、その一方で、多様な血統の馬が出走・好走してくれたほうがレース検討時の楽しみが広がるという面もある。そういう意味では1990年代後半〜2000年代初頭のような事態には至らない程度で、外国産馬のさらなる活躍も期待したいところだ。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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