守田英正所属のサンタ・クララ、首位スポルティングCPを追い詰める。下位2クラブでは試合後に監督交代【リーガNOS第22節 結果まとめ】

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【©LigaPortugal】

【ポルティモネンセ(安西幸輝&中村航輔所属) 3-0 トンデラ】

 ポルティモネンセは23歳の長身FWベトが大爆発し、前節ジル・ヴィセンテを破っていたトンデラに3-0の快勝を収めた。序盤からエンジン全開のストライカーは、14分に背後からの浮き球パスをバイシクルシュートでゴールネットに突き刺してポルティモネンセに先制点をもたらす。35分にはFWアイウトン・ボア・モルチが追加点を奪い、2点リードで後半へ。そして54分、ベトは1点目をアシストしたFWアンデルソン・オリヴェイラからのパスを冷静にゴールへ流し込んだ。Bチームから昇格して2シーズン目のFWに導かれたポルティモネンセは3-0の快勝。同クラブに所属する日本代表DF安西幸輝は左サイドバックとして先発起用されフル出場、GK中村航輔はベンチ外だった。

【ジル・ヴィセンテ(藤本寛也所属) 0-2 ポルト】

 序盤からポルトが主導権を握り、開始7分でMFマテウス・ウリベが先制点を奪う。ゴール前の混戦でこぼれ球を豪快にゴールに叩き込んだ。その後も再三チャンスを作っていたポルトは、60分にMFセルジオ・オリヴェイラが今季10得点目となる強烈なミドルシュートを突き刺し、追加点を奪った。ポルトのMFがリーグ戦で年間二桁得点を記録するのは2005/06シーズンのルチョ・ゴンザレス以来のことで、何度もレンタルを繰り返してきた生え抜きのセントラルMFがいよいよ本格開花の時を迎えている。ジル・ヴィセンテに所属する日本人MF藤本寛也は76分から途中出場したが、大きな見せ場は作れなかった。

【スポルティングCP 2-1 サンタ・クララ(守田英正所属)】

 無敗で首位のスポルティングCPに挑んだサンタ・クララは、22分に自陣でのパスミスからカウンターを食らってMFペドロ・ゴンサウベスに先制ゴールを許した。しかし、懸命な戦いで主導権を相手に完全に明け渡すことなく1点差のまま終盤へ。そして84分、スポルティングCPのDFズハイル・フェダルが自陣ゴール前で犯したクリアミスを逃さず、途中出場のルイ・コスタが同点弾を突き刺す。それでも底力を発揮したスポルティングCPは、後半アディショナルタイムの94分に前線に攻め残っていたDFセバスティアン・コアテスが、MFジョアン・マリオの高速クロスに頭で合わせて勝ち越しゴールを奪った。2-1で勝利したスポルティングCPの無敗は「22試合」に伸び、リーグ記録を更新している。サンタ・クララに所属する日本代表MF守田英正はデビューから8試合連続の先発フル出場を果たし、中心選手としての評価を確立している。

守田所属のサンタ・クララを破ったスポルティングCP 【©LigaPortugal】

【マリティモ 0-2 モレイレンセ】

 4試合ぶりの勝利を目指すモレイレンセは23分、先制に成功する。MFヤン・サントスのミドルシュートに反応したMFフェリペ・ソアレスが、頭でコースを変えてゴールネットを揺らした。その後は互いにチャンスを作りながら、両GKの好セーブもあってなかなかゴールが生まれない展開に。83分にはフリーキックのこぼれ球にDFレオが詰めてマリティモに同点ゴールかと思われたが、VARのチェックにより直前に味方のオフサイド(わずか11cm!)があったことが判明して得点は取り消された。すると89分、FWデリック・ラセルダのスルーパスに抜け出したフェリペ・ソアレスがダメ押し。今季初得点と2得点目を挙げた21歳の若手MFの活躍により、モレイレンセが0-2で勝利を収めた。前節で公式戦7連敗の泥沼を抜け出したかに思われたマリティモだったが、今節の敗戦で9試合未勝利と状況は変わらず。試合後にかつて柏レイソルを率いた経験もあるミルトン・メンデス監督が辞任を表明した。

【リオ・アヴェ(食野亮太郎所属) 2-0 ファレンセ】

 リオ・アヴェは2-0の勝利で連敗脱出に成功した。26分にMFペレのPKで先制に成功すると、その後も主導権を握って攻め続ける。多くの決定機を作り、70分にはMFラファエウ・カマーチョが追加点を奪った。敵陣内でボールを奪ってショートカウンターに転じると、カマーチョは右サイドに開いていたFWジェルソン・ダラからスルーパスを受け、GKとの1対1も制してゴールネットを揺らした。敗れたファレンセは4試合連続勝利なし、年明けから11試合でわずか2勝、さらに降格圏内とは勝ち点差なしという状況で苦しんでいる。リオ・アヴェに所属するU-23日本代表MF食野亮太郎は2試合ぶりにベンチ入りするも、出番なしに終わった。

【ボアヴィスタ 3-0 ファマリカン】

 ともに降格圏に沈んでいたクラブ同士の対戦は、ボアヴィスタが3-0で制した。17分、コーナーキックの流れからDFリカルド・マンガスが2試合連続となるゴールを挙げてボアヴィスタに先制点をもたらす。65分にはMFパウリーニョが果敢なドリブル突破で相手ディフェンスラインを攻略し、豪快なフィニッシュで追加点。一方、反撃のチャンスをうかがっていたファマリカンは75分にMFマヌエル・ウガルテが相手を踏みつけるようなタックルで一発退場となってしまい、万事休す。後半アディショナルタイムにはMFセバスティアン・ペレスにもゴールが生まれ、快勝を収めたボアヴィスタは一気に14位まで浮上した。2月に就任して以来、リーグ戦6試合でわずか1勝しか挙げられていなかったファマリカンのジョルジュ・シーラス監督はボアヴィスタ戦後に解任され、今季3人目の指揮官としてイヴォ・ヴィエイラ新監督の就任が発表されている。

ボアヴィスタが下位争いを制す 【©LigaPortugal】

【ベレネンセス 0-3 ベンフィカ】

 ベンフィカは圧倒的にボールを支配していたが、なかなかゴールを奪えず。前半はベレネンセスにより多くのシュートを放たれ、スコアレスのまま折り返す。すると55分、DFアレハンドロ・グリマルドの鋭いクロスにFWハリス・セフェロヴィッチがワンタッチで合わせて先制ゴールを挙げると、一気に畳み掛ける。直後の58分、右サイドバックのDFジオゴ・ゴンサウヴェスが繰り出したスルーパスにセフェロヴィッチが抜け出し冷静なフィニッシュで2点目。65分にはコーナーキックの流れからグリマルドのクロスにDFルーカス・ヴェリッシモが詰めて3点目。エンジン全開のゴールラッシュで勝負を決めた。ベンフィカは約2ヶ月半ぶりとなるリーグ戦連勝を飾っている。

【ブラガ 3-0 ヴィトーリアSC】

 リーグ戦3連勝を目指すブラガは、冬の新戦力MFルーカス・ピアゾンのゴールによって開始5分で先制に成功する。DFブルーノ・ロドリゲスがコーナーキックからゴールネットを揺らした場面は、VARのチェックによって味方にわずか8cmのオフサイドがあったことが見破られて取り消しに。それでも40分にバルセロナ育ちのスペイン人FWアベル・ルイスが見事な突破から追加点を奪う。ヴィトーリアSCが圧倒的にボールを支配しチャンスも多く作っていたが、流れはブラガにあった。最後は85分に自陣からのロングカウンターを、冬に新加入のFWアンドラス・シュポラールが締めて3点目。3-0でヴィトーリアSCに勝利した2位のブラガは、これまでと変わらず9ポイント差で首位スポルティングCPを追いかけている。

【パソス・デ・フェレイラ 2-1 ナシオナル】

 欧州カップ戦出場圏内の5位と躍進中のパソス・デ・フェレラは、ホームに3連敗中のナシオナルを迎えて2-1で競り勝った。勝利の立役者となったのは南アフリカ代表FWルーサー・シンだ。15分、シンはコーナーキックのクリアのこぼれ球を狙い、ダイレクトボレーシュートでゴールネットを揺らした。鋭いドライブ回転がかかったボールにナシオナルのGKリカルド・ピスチテッリは一歩も動けなかった。33分にもフリーキックのこぼれ球に反応したシンが地を這うようなミドルシュートを放ち、リードを2点に広げる。後半はナシオナルに攻め込まれる時間が長くなり、最終盤の94分には途中出場のホンジュラス代表FWブライアン・ロチェスに1点を返されたが、パソス・デ・フェレイラはシンのスーパーゴール2発で逃げ切った。

南アフリカ代表FWルーサー・シンのスーパーゴールを以下のリンクでチェック! 【©LigaPortugal】

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ポルトガル・リーグはポルトガルのプロサッカーリーグです。プリメイラ・リーガ(またはリーガ・NOS)とも呼ばれる1部リーグは1934年に開設され、現在18クラブで構成されています。

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