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新庄剛志  もう一度、プロ野球選手になる。
僕が47歳でプロ野球現役復帰宣言したワケ
すべてはインスタから始まった
日本ハム時代の試合前、ゴレンジャーのマスクをかぶり、ベンチを飛び出す新庄さん(左から2人目)
日本ハム時代の試合前、ゴレンジャーのマスクをかぶり、ベンチを飛び出す新庄さん(左から2人目)【写真は共同】

 プロは結果がすべてと言われる。ぼくも、その通りだと思う。だからいつも、なにかやるときは周到に準備を進めて、成功の確信をつかんでからトライしていた。

 結果はとても大事。でも同時に、ぼくが心がけていたことがある。

 結果にしばられちゃいけない、ということだ。結果にしばられると、心も身体も縮こまってしまう。そんなふうに生きていたら、人生がもったいない。のびのびと生きて、過程も存分に楽しまなくちゃ。その姿勢は、結果を出す近道にもなると思う。


 ぼくが日本ハム時代にやったパフォーマンスだって同じさ。

 ゴレンジャーのかぶりものや、天井から降りてくるパフォーマンス。あんなこと、野球選手で誰もやったことがない。

 でもぼくは、思いついてしまった。「こんなのやったら、みんなびっくりするだろうな」って。だけど、ほとんどの人は思いついたところでやめてしまう。

 でもぼくは前例がないと、むしろやる気が出てきてやってしまう。

「やる」と決めたら、意外となんとかなるものなんだ。


 日本にいたとき、前例にしばられず思ったことをすぐにやっちゃうぼくは、良くも悪くも「天然だ」「なにも考えてない」なんて言われた。

 でもメジャーに行ったら、チームメイトのアメリカ人や中南米出身の選手は、みんなぼくみたいなヤツばかりだったよ。まわりの目を気にせず、言いたいことを言って、やりたいことをやる。それで失敗しても、クヨクヨしない。なんて言えばいいのかな、心の中の風通しがいいんだ。

 でも、そうでしょ? どんなにいいアイデアが浮かんでも、実行しなければ意味がない。だからね、答えを出すことよりも大事なことは試すことなんだ。

 試してみて失敗したら、それはそれ。むしろ前進かもしれないよ。


「このやり方で失敗したから、次は違うやり方で試してみよう」


 そう、トライしてトライしてトライする。そうやって失敗をくり返していけば、自然と成功が近づいてくるでしょ? だからね、失敗してもいいんだよ。失敗したら、やり直せばいいだけのこと。

 みんなは「失敗したら、どう思われるだろう……」なんて思うかもしれないけど、これだって大したことない。本人が思うほど、まわりは気にしていないんだから。

「思い立ったら、すぐにやる。思いついたことを、すべてやる。そう、ぼくは自分の気持ちに素直に生きているんだ」と、プロ野球復帰に向けた気落ちをつづった新庄さん
「思い立ったら、すぐにやる。思いついたことを、すべてやる。そう、ぼくは自分の気持ちに素直に生きているんだ」と、プロ野球復帰に向けた気落ちをつづった新庄さん【写真:京介】

 ぼくはなにかアイデアを思い立つと、すぐに「こういうことをやります!」と宣言して実行に移していた。

 ただぼくの場合、多くの人と違うのは、みんなの目に見えないところで入念に準備をして実行に移したところ。やるからには絶対に成功させる。そんな強い決意があるから、いつもパーフェクトな準備をする。すべての可能性を考えて、そのひとつひとつを完璧に抑えるんだ。例えばパフォーマンスを思いついたときは、大事な人にちゃんと根まわししておく、というような。

 パーフェクトな準備をなくすのは、“たられば”をなくすため。人間、失敗すると「あれやっておけばなあ……」ってよく言うけど、そういうのはカッコ悪いからね。

 でも、ここでみんなに伝えたいのは、準備よりも試すこと。思いついたらすぐに、そしてすべてやってみるんだ。


 やりたいことにトライして、人生思う存分楽しむことが、いちばんの仕事なんだぜ。

 その結果がどうのこうのより、大事なのはまず試してみること。

 答えが出るときより、そこに向かっているときが、いちばん楽しかったりするんだから。

新庄剛志

1972年生まれ。福岡県出身。1990年、阪神タイガース入団。1999年の巨人戦で敬遠球を打ったことは大きな話題となる。2001年、米大リーグ球団メッツに移籍し、日本人選手で初めて投手以外の野手として登録。2002年に移籍したジャイアンツでは、日本人選手で初めてのワールドシリーズ出場を果たす。2004年、日本球界に復帰し、北海道日本ハムファイターズに入団。試合前のパフォーマンスが「新庄劇場」と呼ばれ、北海道に移転直後の日本ハム人気を盛り上げる。2006年、シリーズ開幕直後に引退宣言。日本ハムを日本シリーズ優勝に導いた。2019年11月、プロ野球選手として現役復帰を目指すことを宣言する。著書に『わいたこら。』(学研プラス)など。

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