パトリック・リードのバンカー脱出法 ゴルフレッスン〜トッププロの技から学ぶ〜

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【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 パトリック・リードは2013年にプロデビュー。翌年には「WGCキャデラック選手権」を制し、WGC(世界選手権)最年少優勝という称号を手に入れてトッププロの仲間入りをします。さらに、2018年には「マスターズ」でメジャー初優勝も成し遂げました。

 今回は、バンカーショットの名手と呼ばれるパトリック・リードから、バンカーショットを一発で脱出するためのバンスの使い方を学びます。

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クラブを加速させ、バンスを滑らせる

 バンカーショットの名手と知られるリードは、クラブヘッドを加速させながらバンスを使うことで柔らかいバンカーショットを打ちます。リードがバンカーショットを得意としている理由は、ショットでもヘッドの遠心力をうまく使ってスイングするタイプだからです。バンカーショットでもヘッドを走らせながら、適切な入射角でバンスを滑らせることができるため、距離感を合わせることができるのです。

 アマチュアの中には「バンカーショットはオープンに立って上から砂に打ち込め」と教わった人がいると思います。硬い砂ではその打ち方で対応できますが、柔らかい砂ではクラブが深く砂に潜ってボールが飛ばなかったり、ボールを直接打ってトップしてしまうトラブルを招いてしまいます。

フェースを開き、グリップエンドを支点に

 リードのように、バンスを滑らせてやわらかいバンカーショットを打つためのポイントを2点ご紹介します。

 1点目はアドレスです。スタンスはスクエアに構え、ボールの位置は左足の内側にセットし、フェースはできるだけ開きます。ボールはクラブを振り抜く方向に飛び出しますので、フェースの向きは目標の右側を向いても問題ありません。グリップの位置はハンドファーストにせず、左足の内側でややハンドレート気味に構えます。

 2点目は、グリップエンド支点にしてスイングするイメージを持つことです。抵抗のある砂の上でバンスを滑らせるために、ヘッドを加速させることが重要になります。腕や手でグリップエンドを大きく動かすと、ヘッドの運動量は少なくなり、バンスも滑りにくくなります。そのため、グリップエンドを支点として、「手元は小さく、ヘッドは大きく」動かす必要があります。

 その動きを体感するために、グリップエンドの位置を動かさないでクラブを振ってみましょう。バックスイングとフォロースルーはシャフトが地面と平行のポジションまで上げ、グリップエンドを支点にして、ヘッドを加速させながらバンスを接地させて素振りをしましょう。その際、支点のグリップエンドが動かさないよう気をつけてください。

 クラブヘッドを加速させて、バンスを滑らせるスイングをマスターすれば、一発でバンカーから脱出することができるだけではなく、ピンに寄せることも可能でしょう。余談ですが、リード選手は2019年12月の「ヒーローワールドチャレンジ」で、バンカーショットの前にヘッドが何度か地面に触れたとして2打罰を受けてしまい、ちょっとした話題になりました。アマチュアの人も、バンカー内でのルール違反には気をつけましょう。

(監修:吉田洋一郎/ゴルフスイングコンサルタント)

■吉田洋一郎プロフィール
シングルプレーヤーを目標達成に導くゴルフスイングコンサルタント。世界で最も有名なゴルフインストラクター、デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回ゴルフ先進国アメリカやヨーロッパに渡り、PGAツアー選手を指導する一流インストラクターに直接学ぶなど、心技体のゴルフ最新理論に関する情報収集と研究活動を行っている。実際に教えを受けた著名ゴルフインストラクターの数は100名を超える。監修した書籍「ゴルフのきほん」は30,000部のロングセラー。ゴルフ雑誌、スポーツ新聞にて連載を3つ持ち、世界のゴルフティーチングに関する情報発信を行っている。公式サイト:http://hiroichiro.com/

【クラブセッティング】パトリック・リードの使用ウェッジを紹介

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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