連載:#BAYSTARS - 横浜DeNAベイスターズ連載企画 -

創設以来の大きな危機、球団の考えは? コロナと闘う横浜DeNAベイスターズ・前編

村瀬秀信

制約があろうと「野球の魅力はなくならない」

 その一方で、今年は横浜スタジアムが約3年掛かりの大規模改修を終え、3月7日のオープン戦では、新生ハマスタお披露目イベント「HAMASTA NEW GENERATION GAME」が大々的に行われるはずだった。ところが、“気合いを入れた企画ほど中止になる”なんてジンクスは今回も健在だったようで、オープン戦はすべて無観客試合に変更されたことで、このイベントは中止となってしまった。

3月7日の新ハマスタお披露目時に配布される予定だった「観戦証明書」 【(C)YDB】

「シーズンの開幕イベントは、未来的でエレクトリカル、壮大でど派手なセレモニーを予定していましたが中止。また、3月のオープン戦で初めてお客さまに入っていただくはずだった、ハマスタ完成お披露目イベントも残念ながら中止になりました。イベント当日は、侍ジャパンの稲葉(篤紀)監督やソフトボールの宇津木ヘッドコーチにお越しいただき、盛り上げていただく予定でした。チケットの売り上げを見ても、予想以上の早い売れゆきで、お客さまの期待値がものすごく高いことがうかがえました。来場者全員に横浜スタジアムのペーパークラフトと、以前から考えていた『ハマスタの新たな歴史の1ページを刻む場所にいた』という観戦証明書をプレゼントする予定でした。ペーパークラフトは自宅で作れるように無料で展開図データを公開しましたが、やっぱり完成した球場をお客さまにお見せできなかったこと。そして、われわれもまだ一度もお客さまが入ったハマスタの姿を見ていない、そのことはやはり悔しいです。新たにできた『DREAM GATE STAND』、バックスクリーンの両サイドに開いた“穴”が何に使えるのかなど、お客さまが入った状態の新しいハマスタで何ができるのか、試したいことがたくさんありましたから」

インタビューに答えた木村副社長 【(C)YDB】

 今年の開幕は一体どうなるのか。やるとすればどういう制限がかかるのか。現状では全く見えない状態だ。ただわかっていることは、観客を入れる時はぶっつけ本番になること。

「シーズンが開幕して、球場にお客さまがお越しなれる状態になったとして、どれだけの数のお客さまに入っていただくことができるのか、応援のスタイルだってもしかしたら変えなければいけないかもしれない。これまで毎年やっていたYOKOHAMA STAR☆NIGHTなどのイベントは可能な範囲で開催したいと考えていますが、たとえばブルーライトを使うような演出も、満員ではキレイに映えても、1万人だと見え方として成立するのかなどわからないことばかり。その時その時の状況で考えていかなければならないでしょう。

 ただ、忘れてはいけないことは、どんな制約があろうとも野球の魅力自体がなくなるわけじゃない。それをどれだけ最大限に伝える工夫ができるかが、われわれが考えていかなければいけないことだと思っています」

(取材協力:横浜DeNAベイスターズ)

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著者プロフィール

1975年8月29日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。プロ野球とエンターテイメントをテーマにさまざまな雑誌へ寄稿。幼少の頃からの大洋・横浜ファン。

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