18歳・河村勇輝、確かな覚悟でB1挑戦 衝撃デビューも「悔しい」と語るワケ
高校No.1ポイントガードがBリーグの舞台でもインパクトを残している 【(C)B.LEAGUE】
彼は高2、高3のウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権大会)で福岡第一高を優勝に導いた。2019年11月の天皇杯2次ラウンド1回戦でも、千葉ジェッツから21得点10アシストを奪っている。高校No.1ポイントガード(PG)として、大きな注目を浴びてのプロ入りだった。それでもこの結果、鮮烈なプレーは周囲の期待を確実に上回っている。
ただし河村の立場は高校・大学のバスケ部に登録しながらBリーグでプレーできる特別指定選手だ。三遠でのプレーは東海大進学までの約2カ月間が予定されている。
インタビューの前編では日本バスケの新星が何を考え、B1の経験をどう受け止めているかを聞いた。河村が確かな意識と覚悟を持ってプロに足を踏み入れたことが、よくお分かりいただけるはずだ。
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一晩で頭にたたき込んだプレイブック
勝ち星に恵まれていないが、チームメートとかみ合ってくればチームも安定すると語る 【写真提供:三遠ネオフェニックス】
個人よりもチームの結果が最優先なので、悔しさが一番きています。チームを勝たせて、はじめてうれしいという気持ちがくる。だからうれしさはないです。
――間違いなくファンの期待以上のパフォーマンスを見せていると思います。個人のプレーについてはどうですか?
自分のいい部分、特徴をうまく出せている部分はあると思います。ただターンオーバー、ミスが少し多くて、そこは修正しなければいけません。チームメートとのタイミングを合わせて、自分のミスを減らしていけば、チームも安定するはずです。
――三遠の河内修斗ヘッドコーチが「河村選手にプレイブックを渡したら、翌日の練習ですぐその通り動けていた」と驚いていました。(プレイブック:チームの基本プレーが書いてある資料。少なくとも数十種類のパターンが載っている)
――すぐ覚えられましたか?
寮の部屋に戻ってわーっと読み返して、ご飯を食べたらもう一回読み直して、寝る前にももう一回読んで、次の練習の日の朝にもう一回目を通して……。それで一気にたたき込みました。短時間に区切って繰り返したほうが、覚えられるかなと思っていたのでそうしました。
――コーチから「明日までに急いで覚えるように」と指示はあったんですか?
全然ありません。「だんだんとやっていくうちに覚えよう。こんな感じだから」と言われたんですけれど、試合もすぐでしたし、自分は早くたたき込もうと思いました。練習までに全部覚えました。