今年の秋華賞は1番人気が危ない!? 当日オッズ次第で波乱の可能性高まる

JRA-VANデータラボ

秋華賞3番人気の成績(過去10年)

表4 ※3位から2位へ繰り上がり 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて3番人気に支持された馬の成績を見ていく(表4参照)。過去10年で4頭の勝ち馬が出ており、1番人気と変わらない。あとはブロードストリートが2着(繰り上がりによる)、昨年のカンタービレが3着に入った。こちらも前走成績がいい馬が多い。紫苑SやローズSの連対馬が大半だ。特に紫苑Sは重賞に昇格してから、出走馬のレベルが上がり、本番にもつながるレースへと変わってきた。

 一方、桜花賞馬のレッツゴードンキやマルセリーナは前走ローズSで4着以下に敗れ、本番でも苦しんだ。10年のサンテミリオンはオークス勝ち以来のぶっつけで、本番は18着と惨敗してしまった。

秋華賞で4番人気以下で好走した馬(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に、4番人気以下で好走した馬を見ていくことにする。勝ち馬はいないが、2着馬と3着馬がそれぞれ6頭いる。前走レースを見ると、ローズS組が8頭、紫苑S組が1頭、条件クラス組が3頭という内訳。まず、ローズS組を見ると、3着以内に好走していた馬が5頭もいる。同レースで大敗して巻き返したケースは、13年3着のリラコサージュしかいない。基本的には前走着順がいい馬が有力と言える。前走成績で人気を下げているわけではなく、単に人気になる馬が他に3頭以上いたと考える方が自然だ。同じような実績・力がありながらもやや人気がない馬を見つけたいところだ。

 前走条件クラス組も、当然前走着順はいい。実績的には格下ながら勢いがあり、秋華賞で中位人気に支持されるような馬が狙い目。昨年はミッキーチャームが5番人気で2着に好走。上がり馬としては、なかなか高い評価を受けていたように思う。

結論

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の秋華賞を占っていこう。出走予定馬は表6の通り。

 冒頭にも述べたように今年は桜花賞馬とオークス馬がいないことが早い段階からわかっていた。また、ローズS3着のウィクトーリアも残念ながら故障で引退と、上位人気に支持されそうな馬が次々といなくなった。よって、人気の予想は難しくなった。ただ、どうやら1番人気はダノンファンタジーになる可能性が高そうだ。

 ダノンファンタジーはメンバー中唯一のG1馬。クラシックで安定した成績を残し、前走はローズSをレコード勝ちした。実績的にはもちろん最上位で、力もある。ただ、オークスで5着に敗れたのは事実。焦点はこのタイプを「1番人気で買えるかどうか」につきる。近年の傾向からは、4着以下に敗れる危険があり、「買いづらい」と言える。

 問題は2番人気以下の人気順があまり読めないこと。仮にオークス以来の休み明けであるクロノジェネシスやコントラチェックが入ると、危ないパターンで、波乱の可能性が一層高まる。そうなると、ローズS2着のビーチサンバや紫苑S1着のパッシングスルー、同2着のフェアリーポルカがおのずと有力馬に浮上する。この手のタイプは2、3番人気であっても買いやすい。いずれにしても当日のオッズ次第だ。

 あとは、上がり馬にも注目。前走条件クラスで勝利している馬は4頭いる。その中ではエスポワールがやや人気を集めそうな雰囲気だ。当日5〜8番人気になるようであれば、積極的に狙ってみても良さそうだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント