キンカメを継ぐ万能タイプ!? ルーラーシップ産駒の馬券傾向を分析

JRA-VANデータラボ

ルーラーシップ産駒の競馬場別成績(芝)

表3 ※2019/9/29開催終了時成績 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 次は競馬場別の成績を調べた。得意な芝に限定した成績は、表3の通りだ。勝率は新潟の13.5%がトップ。連対率と複勝率は函館がトップだった。同じ洋芝の札幌と比較すると、函館の方がいい。この2場の違いを一つ挙げるとすれば、スパイラルカーブの有無。函館の方にはスパイラルカーブがある。

 東京と中山では、かなりコース形態は違う。それでも成績はあまり変わらないというのが面白い。一方、中京と新潟では結構違う。同じ左回りのローカルでも、直線の坂の有無や芝状態(新潟は1年を通して野芝)に違いがあることは確かだ。

 京都と阪神の比較でも差が目立つ。京都の方が全般的に好成績だ。平坦の方がいいのかもしれないが、中山の成績は悪くない。平坦巧者とも坂が苦手とも言いにくい。

ルーラーシップ産駒の芝成績(連対率)優秀コース(10走以上)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 さらに詳しく調べるためにコース別成績も見ておきたい。表4はルーラーシップ産駒の芝成績が優秀なコース。10走以上のデータがあり、連対率が高い順番に並べた。全体的にはやはり中長距離のコースが目立つ。特に中山芝2200mは連対率が39.1%もある。この秋、リオンリオンがセントライト記念を制したシーンがすぐに思い浮かぶ。2018年のアメリカジョッキークラブCではダンビュライトが勝利した。また、京都芝2200mは【6.1.2.17】で勝率が非常に高い。2200mの距離が得意なのかもしれない。函館芝1800mや札幌芝1800mもランクイン。一方、G1が行われる東京芝2400mや東京芝1600mも入っており、大舞台でも心強い。

 サンプル数は少ないが新潟芝1000mにも注目したい。連対率は40.0%で、最も優秀。中長距離だけでなく直線短距離という特殊なコースでも好成績というのは面白いデータだ。

ルーラーシップ産駒の芝成績(連対率)不振コース(10走以上)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に、ルーラーシップ産駒が苦戦しているコースを見ておくことにする。表5は、10走以上のデータがあるコースについて連対率が低い順に並べた。一番成績が悪かったのは京都芝1600mの外回り。連対率は5.9%しかなかった。マイルチャンピオンシップなど大きなレースが行われる場所だが、非常に苦戦している。東京芝1600mとは対照的だ。東京芝1400mも未勝利で連対率も8.3%と厳しい。全体的にはマイル以下のコースがランクインしている。阪神芝2600mも苦しいが、サンプル数が少ないのでまだ何とも言えない。むしろ気になるのが中京芝2000mの成績。出走数はかなり多いが、連対率11.3%と平凡な成績だ。中京芝1600mも表5にランクインしている。表3で中京競馬場の成績がひと息だったのは、このあたりが影響しているようだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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