京大卒の頭脳派はなぜ「金」をつかめたか 競歩・山西利和が他選手と違う2つの長所

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今村五輪強化コーチのガッツポーズが意味すること

長年競歩の強化に尽力してきた今村五輪強化コーチ(左)とっても悲願の金メダルだった 【写真は共同】

 20キロでのメダル獲得は、日本の競歩チームとしても悲願だった。50キロでは、前述の鈴木をはじめ、2016年のリオデジャネイロ五輪の荒井広宙(自衛隊体育学校、現富士通)が銅メダル、17年の世界選手権(ロンドン)でも2つのメダルを獲得するなど、五輪と世界選手権を通じて4大会連続でメダリストを生み出していた。だが、20キロでは世界トップレベルにありながらも、ここまでメダルがなかった。今回の獲得の意義について、日本陸連の今村文男五輪強化コーチはこう語る。

「来年の節目の(東京)五輪に向けて、スタッフやトレーナーを含めた今の強化体制がうまく回っているということと、それを来年に向けてもう一度再現できるということが、一番意義のあることだと思います。去年くらいから、(陸連の科学委員会が)測定した情報をうまく選手たちに渡して、どのように暑さの対策や暑熱の順化をしていけばいいのか、個別に生かせるようになりました。今回は男子50キロで金メダル、男子20キロでメダル、その他の種目で全員入賞という目標を掲げていましたが、想定以上のうれしい結果になりました」

 囲み取材の対応が終わった後、いつもは冷静沈着な今村コーチが、思わず両手でガッツポーズをとっていた。今回の山西のメダル獲得は、日本の競歩チームにとってそれだけの意味があったのだということを物語っている。

 代表を勝ち取った東京五輪へ向けて、山西は「また来年にもう一度勝つというよりも、さらに圧倒的な勝利を得られるようにしたい」と意気込んだ。「僕は僕のパフォーマンスに全力を注ぐだけ。それが見た人にどう届くかは分からないですけれど、気持ちを込めてレースをするしかない」。

 山西自身が、今回以上に「やり切った」と思うレースが東京で披露できれば、その真摯な思いはきっと観客の心に届く。

(取材・文:守田力/スポーツナビ)

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