魚油はダイエットに効く!?DHA・EPAの効果とは
【common 魚油でダイエット】
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魚に含まれているのは“良質な油”
魚には、「魚油(ぎょゆ)」という油が含まれていて、この油が健康にいい効果を発揮してくれるのです。油と聞くと、ダイエットにはマイナスなイメージがあるかもしれませんが、魚に含まれているのは、ダイエットの味方となってくれる良質な油です!
「魚油」は健康にいいだけでなく、ダイエットにも効果的。美味しく魚を食べるだけでダイエット効果が得られるなら、嬉しいですよね。
今回は、栄養学とスポーツ科学を専門とする筆者が「魚油」が健康やダイエットにいい理由を紹介していきます。「魚油」をダイエットに取り入れ方法もチェックしていきましょう。
なぜ魚油が健康に良いのか
【魚】
少し専門的な話になりますが、食品に含まれている油は、グリセリンという物質と脂肪酸という物質が結合した状態で存在しています。その脂肪酸は大きく分けて、オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸というものに分類することができます。
「エイコサペンタエン酸(EPA)」と「ドコサヘキサエン酸(DHA)」は、オメガ3系脂肪酸に分類されます。オメガ系脂肪酸は、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取で起こる炎症反応を抑える働きをしてくれます。
この他にも、「EPA」や「DHA」には、血栓の形成を抑制する働きがあります。血管の中で血栓が形成されると、血液が流れにくくなり、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となります。
オメガ3系脂肪酸を多く含むのは、えごま、亜麻仁、青魚など。オメガ6系脂肪酸を多く含むのは、コーン油、大豆油、グレープシードオイルなどです。
魚油の「EPA」や「DHA」は、ダイエットにも効果的!
脂肪というと、お腹に蓄えられる邪魔なもの、という認識があると思いますが、実はエネルギーを消費してくれる脂肪もあるのです。それが、褐色脂肪組織というものです。
実は、「EPA」や「DHA」には、褐色脂肪組織のようにエネルギーを消費する特徴を持つベージュ細胞という細胞を増やす働きがあります。つまり、「EPA」や「DHA」を摂取することで、より多くのカロリーを消費できるようになり、痩せることができます。
また「DHA」は、脂質の合成を促進させる「SREBP-1c」というタンパク質の発現を抑制することで、脂質の合成を抑制する働きもあります。
こうしたことから、「EPA」や「DHA」はダイエット効果を発揮してくれます。
魚油の「EPA」や「DHA」は、筋肉分解を抑える働きも!
そのため、筋肉をなるべく落とさずにダイエットすることが重要です。
「DHA」には、筋肉を分解するMuRF1というタンパク質の働きを抑えて、筋肉の分解を抑制する働きがあることが知られています。そのため、ダイエット中に魚油を摂取することで、筋肉量を維持しながら痩せることができます。
魚油の「EPA」や「DHA」で持久力も高まる!?
【トレーニングする女性】
体内で酸素を運ぶ働きを担っているのは、赤血球という細胞です。「EPA」や「DHA」を多く摂取すると、赤血球の細胞膜にもこれらが多く取り込まれます。
「EPA」や「DHA」が多い細胞膜は、変形しやすいという性質があります。つまり「EPA」や「DHA」が豊富に含まれる赤血球は、変形して細い血管も通り抜け、体の隅々まで酸素を運ぶことができるようになります。
実際に「EPA」や「DHA」を摂取することで、より少ない酸素消費量で一定の距離を走ることができる、つまりランニングの効率が上昇することも報告されています。
「EPA」や「DHA」はダイエットだけでなく、トレーニングを行っている方にも嬉しい栄養素なのです。
魚を食べてダイエットする方法
【魚料理】
理想的なDHAの摂取量は、一日に1g〜1.5g。焼いたサンマなら約1尾、小型のイワシなら約2尾です。刺し身であれば、マグロ(トロ)で2〜3切れ、ブリで4〜5切れになります。あるいは、脂肪の多い魚200〜300gを週に3回程度食べるのもいいでしょう。
手軽に摂取できる加工食品としてはお魚の缶詰が最高です。中でも、「さば水煮」「さば味噌煮」「さんま蒲焼」「いわし味付」などは、原料そのものにDHAが多く含まれています。缶汁の中にもDHAがたくさん含まれているので、調理方法を工夫して、捨てずに利用するようにしたいものです。
・サバ缶を活用
サバの缶詰1缶で1日に必要な魚油を摂取することができます。缶汁の中にも、「EPA」や「DHA」が豊富に含まれているの、捨てずに調理しましょう。ダイエットをするなら、糖質量の多い味噌煮や蒲焼より、サバの水煮がおすすめです。
・マグロのお刺身、煮物もおすすめ]
マグロのお刺身の場合は100gで1日分を補うことができます。煮て食べる場合は、丸ごといただきましょう。特に目の裏のゼリー状になった部分には、DHAが多く含まれています。
・サプリメントで摂取
「魚油」は、サプリメントとして販売されています。魚を調理するのが面倒だ、という方は、サプリメントからの摂取をオススメします。
魚油をサプリメントから摂取する際は、1日2gを目安に摂取しましょう。摂りすぎてしまうと、副作用が起こる可能性があります。サプリメントの瓶にも推奨量が記載されています。何でもそうですが、適量があるので、量を守って飲みましょう。
ダイエット中には魚を食べてみよう!
中野卓
大学では栄養学、大学院では運動生理学を専攻。現在はスポーツ科学の研究に携わる。プライベートでは筋トレが日課。ダイエットやトレーニングに関する情報を発信していく。
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