強打の遊撃手、クローザー、新助っ人…データで導くセ・リーグ後半戦キーマン
広島(4位):復調が待たれるバティスタ
【データ提供:データスタジアム】
4番の鈴木誠也はリーグ全体で2位のWAR4.9を残すなど孤軍奮闘を続けているが、前後を打つ打者が振るわず打線を分断される格好となっている。せめて3番か5番のどちらかだけでも、鈴木と相乗効果を高められる打者を配置したいところだ。
広島はバティスタの復調が上位浮上に不可欠だ 【写真は共同】
バティスタは7月に外国人枠の関係もあって2軍への配置転換となったが、代わりに昇格したメヒアは2軍で見せていた長打力(19本塁打)を発揮できていない。5月のような快進撃を再現するべく、バティスタの復調が待たれる。
中日(5位):平田良介が健康に過ごせるか否か
【データ提供:データスタジアム】
後半戦のキーマンとして期待したいのは平田良介。前半戦のチームWARランキングで高橋に次ぐ2位を記録しているが、5月から6月にかけて約1カ月の離脱があったことを踏まえると、非常に高い貢献を見せている。
平田のプレーヤーとしての価値は、打率.308、OPS.847の打力もさることながら、外野手としての守備能力の高さとの両立にある。今季のUZRで9.7をマークし、これはリーグの右翼手(守備イニング100以上)の中で最も優秀だった。広い守備範囲に加えて、正確かつ素早いスローイングはチームへの貢献度が高く、たとえバットで快音が響かなくても守りでチームを助けられている。
プロ14年目を迎えてベテランの域に入り、近年は故障による離脱も増加傾向。平田が健康に過ごせるかどうかで、後半戦の中日の戦いぶりは変わるだろう。
ヤクルト(6位):小川泰弘に求められるもの
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セ・リーグの各球団の先発防御率がおおむね3点台となっている中で、ヤクルトは5.13と著しく悪い。ブレーク中の村上宗隆や“ミスタートリプルスリー”の山田哲人、ベテランの青木宣親などを擁する破壊力抜群の打線をもってしてもカバーしきれない前半戦だった。
投手陣が崩壊気味のヤクルト。ここはエース右腕の小川にチームをけん引してもらいたい 【写真は共同】
先発陣さえ安定すれば、持ち前の打力が生きて、勝利をつかむ確率は確実に上がる。投手陣のリーダーとして、小川は模範となる投球を見せることができるか。
(文:データスタジアム株式会社 野球アナリスト 佐々木浩哉)