巨人・山口が「伝家の宝刀」武器に突出 アナリストが選ぶ月間MVP＜2019年6月＞
セ・リーグ新人部門：上茶谷大河（DeNA）
セ・リーグの新人部門は、ドラフト1位ルーキー・上茶谷大河（横浜DeNA）がトップに立った。6月は1日のヤクルト戦（横浜）でプロ初完封を挙げたのを皮切りに、4試合に先発して防御率1.32を記録。WAR1.1は投手部門でも2位と、新人離れした安定感を見せた。16日の福岡ソフトバンク戦（ヤフオクドーム）からはスプリットを多投して奪三振を増やしており、今後もさらなる活躍が期待できそうだ。
2位は、JX-ENEOSから2017年のドラフト6位で入団した若林晃弘（巨人）。今季初スタメンとなった6月6日の楽天戦（楽天生命パーク）でマルチ安打を記録すると、翌日のロッテ戦（東京ドーム）ではプロ初本塁打を放ち、一気にセカンドの定位置を勝ち取った。吉川尚輝の復帰にめどが立たない中、リーグ2位タイの月間5盗塁を決めた俊足とパンチ力のある打撃で、首脳陣の信頼を確たるものにできるか。
パ・リーグ新人部門：高橋礼（ソフトバンク）
パ・リーグ新人部門は、2年目の高橋礼（ソフトバンク）が制した。6月1日の楽天戦（ヤフオクドーム）で喫した6失点が響き、月間防御率は4.01に終わったものの、フライアウト16個に対してゴロアウト37個と、アンダーハンドから繰り出す速球でゴロを打たせるスタイルは不変。春先にやや目立った与四球も9イニングあたり2.55個に改善され、リズム良くアウトを積み重ねるピッチングが洗練されてきた印象だ。
2位は、僅差でドラフト1位ルーキーの辰己涼介（楽天）がつけた。田中和基の離脱後は完全に定位置をつかみ、6月も21試合にセンターでスタメン出場。とりわけ守備での貢献度が高く、8日の中日戦（ナゴヤドーム）や12日のヤクルト戦（楽天生命パーク）では安打性の打球をダイブして好捕し、14日の広島戦（同）では深い位置から二塁走者のタッチアップを阻止。首位を争うチームにあって、その俊足と強肩は欠かせない戦力になっている。
（文：データスタジアム株式会社 野球アナリスト 佐藤優太）
（文：データスタジアム株式会社 野球アナリスト 佐藤優太）