連載:高校野球地方大会・全49地区展望

広島の本命はノーシード・広陵 地方大会の有力校を分析、中国・四国編

松倉雄太

香川

センバツで好投した香川を始め、高松商は豊富な投手陣を擁する 【写真は共同】

◎高松商
◯四国学院大香川西
△丸亀城西

 センバツ出場の高松商が大本命。エース左腕・香川卓摩(3年)は4月の高校日本代表候補研修合宿に参加し、全国の投手を目の当たりにして刺激を受けた。右の中塚公晴(3年)も実績十分。打線は6月の招待試合で横浜から9得点。全国でも上位を狙える戦力だ。

 高松商がセンバツで不在だった春の県大会を制したのが四国学院大香川西。4番で主将の広岡寿将とエース・青山友亮(いずれも3年)が投打の柱となる。昨春のセンバツを経験したエース・黒河竜司(3年)が残る英明や、三本松、丸亀などが同じブロックと実力伯仲。このブロックをどこが勝ち抜くかが大会全体のポイントになりそうだ。

 昨夏の代表・丸亀城西はノーシードだが甲子園経験者も多く、シード校と遜色ない力を持つ。津田のサンドゥ・シャーンタヒル(3年)は投打で注目を集める。尽誠学園の永尾斗摩(3年)も香川屈指のスラッガーだ。

徳島

◎富岡西
◯池田
△鳴門

 センバツ21世紀枠出場から、春の四国大会準優勝と着実にステップアップしている富岡西が大本命。第1シードを勝ち取り、4試合を勝ち抜けば甲子園出場という状況ができたことで、エース・浮橋幸太(3年)を全試合に登板させられる覚悟も固まった。甲子園を魅了したノーサイン野球も進化しており、6月下旬には大学相手の練習試合でも勝利した。初の夏切符をつかめるか。

 池田は27年ぶりの出場を目指す。エース・白川恵翔(3年)は140キロを超える本格派。捕手の小角翼(3年)が扇の要としてディフェンス陣を引っ張る。

 ノーシードの鳴門は西野知輝や塩唐松宏将、浦和博(いずれも3年)など昨夏の甲子園経験者が多く残る。鳴門渦潮と1回戦屈指の好カードが決まった。

 8年ぶりの出場を狙う徳島商は攻撃に自信を持つ。徳島北、生光学園なども上位候補。

愛媛

◎今治西
◯松山聖陵
△済美

 今治西は松山聖陵がセンバツで不在だった春の県大会を制した。エース左腕・村上滉典、右の沢田和希(ともに3年)の二枚看板は経験がある。攻撃面での課題を解消して、投手陣を楽にしたい。同じブロックに入った済美は昨夏の甲子園でもマスクを被った捕手・芦谷泰雅(3年)が残る。お互い勝ち上がれば3回戦で激突。どちらが勝ち上がるかが大会全体を占うことになる。このブロックには創部4年目の新鋭・聖カタリナ学園もいるのが興味深い。

 センバツ出場の松山聖陵は根本大蓮(3年)、平安山陽(2年)ら投手陣の復調がカギ。10年ぶりの代表を狙う西条と初戦で対戦する可能性がある。

 夏初出場を狙う帝京五は打線に自信を持つ。ノーシードの宇和島東、松山商などの伝統校も侮れない。

高知

◎明徳義塾
◯高知
△高知商

 春の四国王者で第1シードの明徳義塾が本命。昨春のセンバツでマスクを被った安田陸(3年)の経験豊富なリードは健在。投手陣は四国大会で1年生左腕の代木大和が台頭。層が厚く、馬淵史郎監督がどのような起用を見せるか。2年連続で夏の甲子園を逃すわけにはいかない。

 高知は噂の1年生右腕・森木大智の夏デビューになる。最速150キロの直球を主体にした投球術は、6月に練習試合をした龍谷大平安の原田英彦監督も絶賛した。参加チーム数が減り、第3シードでも最大4試合。加えて今夏から準決勝後にも休養日が設定された日程も味方するか。

 昨夏代表の高知商は山崎大智(3年)、西村貫輔(2年)ら甲子園を経験したメンバーが残る。課題だった投手陣は真城翔大(3年)が成長してきた。岡豊のエース・植田ジゲン(3年)も県屈指の好投手だ。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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