元メタボのランナーズハイ|『北海道マラソン2017』レポート(1) スタートまでのよもやま話

【みんアス】

2019年8月25日(日)に開催される「北海道マラソン」
今回は「北海道マラソン 2017」のレポートを3回に渡ってお届けします。
(編集部注※2017年12月16日に公開された記事です。)

プロローグ

 2017年8月27日AM9:00.

 札幌大通り公園に2万人近いランナーが終結し、夏唯一の日本陸連公認フルマラソン「北海道マラソン2017」が公式テーマソングGLAYの「ロングラン」に乗せてスタートしました。

「夏にマラソン?」北海道マラソンの話をするとかなりの確率でこう言われます(笑)。

 そうです(笑)、夏にマラソンです。それも42.195km、、、。またほかにも、ある程度の確率で(特にランニングにあまり興味のない人を中心に)「あ、でも夏でも北海道は涼しいからいいですね」と言われたりもします。いいえ(笑)、実は北海道マラソンには日陰のない一本道を折り返しを挟み15kmくらい走る名物「新川通り」が中盤の厳しいタイミングに現れるそれはそれは過酷なレースなんです。

 そんな北海道マラソン2017をレース前からゴール後まで今後参加される皆さんのために、書き綴りたいと思います。
 いざ北海道!

 北海道マラソンのエントリーは毎年4月の頭に行われます。

 私は昨年に続き2年連続二回目の出場。エントリーは他の人気大会にくらべ激しいクリック合戦というほどでもなくエントリー当日にしっかり申し込めば、まず出場は可能だと思います。とはいっても夏の人気大会。エントリーは数日で締め切られることがほとんどなので、参加したい人はエントリー開始当日に申し込みをしましょう。事前にFacebookの北海道マラソンのページを「いいね!」しておくとエントリー開始日を教えてくれます。

 が、しかしエントリー前に知ってもらいたい事があります。実は北海道マラソンの制限時間は5時間。しかも真夏の大会です。

 自己ベストよりも30分くらいタイムが落ちることがあります。つまり4時間半くらいで冬のレースを走れる力がないと、かなり厳しい大会であることは間違いありません。またレース前のトレーニング期間も夏。そうです、夏に厳しいトレーニングを積んでこないとこのレースは走れないんです。

 実際にランナーのみなさんならよくご存じの通称「30kmの壁」(レース30km地点で失速することを意味する)ですが、北海道マラソンの場合30km前後から脚を攣る人が続発します。
 
 実は私も昨年の北海道マラソンの30km地点で両脚の痙攣に襲われ失速。その後「生まれたての小鹿」のような状態で走らなければならなくなった苦い思い出があります。脅かすわけではないですが日陰のない一本道の真夏の太陽の下で脚の痙攣に襲われると、もう絶望の境地(笑)。

 しかしそれもまた北海道マラソンの醍醐味(マラソンをやる人って思考がSで肉体的にドMの人が多いですよね(笑))。そんな過酷なレースなだけに大会前日のエントリーの際に「誓約書」を書かされます(笑)。

 要するに「いいのか? 真夏のレースだぞ。大変なんだぞ、場合に寄っては命にかかわるかもしれないぞ! そのときはちゃんとリタイアするんだぞ! わかったらここにサインしろ!」こんな感じの誓約書です(大会関係者のみなさんごめんなさい。でもそんな感じですよね?)。

【みんアス】

 じゃあなぜ走るのか? それは一度走ればわかります。(いやわからない人もいるかもしれません。だって本当に過酷だから(笑))

 それでも走りたい。

 それはやはり達成感が一番大きいんです。

 北海道の抜けるような大きな青い空。途切れない沿道の応援。沿道での私設エイドのみなさんの差し入れ。完璧なまでに素晴らしいボランティアの皆さん。終盤に走り抜ける北海道大学とクラーク像。

 そしてなによりこの厳しい夏のフルマラソンを走り切って迎える最後の数百メートルの直線での大声援と大音量のテーマソング。ついに走り切ったその瞬間、練習を重ねてきた自分と走り切った自分への誇りと感動があふれだします。これこそが夏マラソン、いや北海道マラソンならではの醍醐味だと私は思います。

 もう一つ大きな理由があります。それは冬のレースで記録を狙うランナーにとって、夏の過酷なレースを走るのは肉体的にも精神的にもとても大切なトレーニングなんです。

 冬のここ一番というレースのスタート地点や苦しい場面で「あの過酷な夏の北海道を走った!」という自信。そして肉体的にも夏にレースを使って42km走をやれるのはとても貴重です。実業団の選手でもない限り、なかなか真夏に42km走を自分でやれる人はいませんからね。

 そんな過酷さを上回る余りある魅力溢れる北海道マラソンに参加するぞ! と、エントリーをしたら次はホテル探し。夏の北海道は観光客が大量にいます。しかも夏休み最後の日曜日に開催される大会。そしてさらに今年は某人気グループのコンサートとも重なり、札幌のホテルは大変な混雑となってホテルの取れない人が続出して、ちょっとした問題になったくらいです。

 ちなみに私は北海道を走ると決めていたのでエントリー前の冬の間にホテルを予約しておきました。そのくらいしないと、なかなかホテルは取れませんのでご注意ください。(しかも通常の二倍くらいの料金を取られます)

 さて、エントリーも済ませ、ホテルも確保し、夏のトレーニングも積んで。いざ北海道へ出発です!

 北海道マラソンは前日までにエントリーが義務付けられています。当日受付はありません。(ま、冷静に考えて道内の人でもごくわずかな人以外は朝9時に札幌で当日行く人はいないと思いますが)

 大通り公園に設置された大会EXPO会場で先ほどお話しした例の誓約書と交換でナンバーカードとランニングチップを受け取ります。

【みんアス】

 そして大会Tシャツを受け取りエントリーは終了。あとはEXPOを楽しむも良し、明日に備えてホテルでおとなしくするも良し、夜の街に繰り出して美味しいものを食べるも良し。過ごし方は自由です。

 しかし注意点があります。翌日真夏の42.195kmを走るんです。脱水にならないようお酒は控えたほうがいいです。しかも食あたりのリスクを考えると生ものも避けたほうがいい。ん? つまりせっかく北海道にきているのに蟹やお寿司を食べてビールを飲んで! ができないんです!!

 これは結構ショックですよ。

 したがってお金と時間に余裕のある人はレース後の月曜日にお休みをとって二泊し、楽しみは日曜日の夜に取っておきましょう。

 ちなみに私は昨年も今年もどうしても月曜日朝一の仕事を休めずレース終了後、飛行機に乗って東京に戻らなければならず、北海道滞在は土日のみ(涙)。昨年は夕食にジンギスカンとごはんをしっかりいただきましたが、飲み物はウーロン茶(涙)。

 お酒を飲む方ならわかりますよね、ジンギスカンはビールでしょ! ビールとジンギスカンは素晴らしい相性なんですよ! しかも周りのお客さんは美味しそうに飲んでるんです! サッポロクラッシックを(涙)。(注:サッポロクラッシックは北海道で飲める、サッポロさんのそれはそれは北海道で飲むと格別に美味しいビールなのです)

 そして今年はどうしたか? 実はちょっと体調が悪く、しかもウエイトがかなりオーバーな状態でして(前日まで福岡出張で美味しいものを食べすぎました)、ジンギスカンはちょっと無理そう。

 しかし飛行機が遅れた関係で朝、東京で朝ごはんを食べて以来なにも食べていない状態でその時間夕方4時半。この時間で北海道といえば「ラーメン」。ということで美味しい味噌ラーメンを頂きました!(ビールを飲まずに→しつこい)

【みんアス】

 そんなこんなで前日は過ぎていきますが、もう一点注意しなければならないのがホテルの朝食時間です。

 スタートが9時なので4時間前だと5時、3時間前でも6時です。正直なところホテルでゆっくり朝ごはんというわけにはいきません。

 そこでひとつアドバイスです。(コンビニごはんで平気な人はそれでいいんですが)しっかり朝ごはんを食べたい人はこの前日の間に百貨店やスーパーに朝ごはんの材料を買い出しにいってみましょう。

 私は昨年も今年も駅から少し歩いたところにある東急百貨店の地下食品売り場でうどん玉と即席みそ汁と豆腐を購入。で、東京から餅を持ち込み(洒落ではありません)、最後に大型のカップ麺を買いお箸をもらいます。これをどうするかというとカップ麺の中身は大変もったいないのですが廃棄。そしてホテルの電子ポットで沸かしたお湯をカップに注いでうどん玉を茹で、さらにお湯を沸かし先ほど空にしたカップ麺容器にうどん、みそ汁、餅、豆腐をいれて3分まてば、手作り力うどんwith豆腐! の完成です。

 腹持ちもよく、カーボローディングもバッチリで胃にも優しい! ぜひ覚えておいてください。

 そんなこんなでいよいよ当日を迎えます。ホテルは徒歩10分圏内にとっておけば、普段のレースと違いぎりぎりまでホテルにいることができます。レース経験者はピンときましたね(笑)。
 
 そうです、トイレにちゃんとホテルでいっておくことでかなりの余裕が生まれます。あまりにゆったりしすぎて二度寝さえしなければ、スタート当日の朝はわりとゆったりとした気分で過ごすことができるはずです。

 そしていよいよ会場へ! 荷物を預け、念のためもう一度トイレに行きスタートブロックに入ります。

 くどいですが北海道マラソンは、真夏のレースです。帽子、サングラス、日焼け止め、このあたりは必須アイテムです。そしてスタート前、ブロックの中で日陰になっている場所をできるだけ選びましょう。

 この時期の北海道の朝は日陰はかなり涼しいです。しかし日なたは本当に暑いんです。できるだけスタートまでは体力を温存しておきましょう。

 大会名物の男性MCのトークとGLAYのテーマソング。そしてテレビ塔の電光掲示板がカウントダウンをスタート! 上空はヘリが飛んでます!

 北海道マラソン2017、いよいよスタートです!

【みんアス】

【みんアス】

※本記事は「みんアス〜みんながアスリート」で公開された『元メタボのランナーズハイ』を再掲載したものです。
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著者プロフィール

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