広島の主砲が守備・走塁でも高い貢献度 アナリストが選ぶ月間MVP<2019年5月>

データスタジアム株式会社

セ・リーグ新人部門:村上宗隆(東京ヤクルト)

【データ提供:データスタジアム株式会社】

 セ・リーグの新人ランキングでは高卒2年目の村上宗隆(東京ヤクルト)が8本塁打を放ち、僅差のトップ。リーグ最多の31三振に打率.233と粗さはあるものの、天性の長打力が最大の魅力。188センチ97キロと大柄な体格ながら俊敏な動きも可能で、走塁による得点貢献は平均以上のものがある。フライ打球27に対してゴロ打球26と長距離砲にしてはゴロの打球が多く、打球に角度が付けばさらに一発を増やす可能性を秘めている。

セ・リーグ新人部門で選出のヤクルト・村上宗隆。月間8本塁打を放ち、大器の片りんを見せつけている 【写真は共同】

 2位の大貫晋一(DeNA)は社会人を経てドラフト3位で入団したルーキー右腕。与四球率2.78と制球が安定し、ツーシーム、スプリットを中心にゴロを打たせていくスタイル。5月16日の中日戦では敗戦投手となったものの、自己最長の7回を投げて2失点。派手さはない中でも、らしいピッチングを見せた。

パ・リーグ新人部門:岩下大輝(千葉ロッテ)

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 パ・リーグでは岩下大輝(ロッテ)が新人ランキングのトップ。5月は4試合に先発して未勝利だったものの、防御率1.93が示す通り安定感のある内容で試合をつくった。平均144キロのストレートを中心とした力で押す投球が魅力で、決め球のフォークも空振りを取れるキレの良さがある。

パ・リーグ新人部門で選出のロッテ・岩下。勝ち星には恵まれなかったが、4試合先発で防御率1.93と安定感のある投球を見せた 【写真は共同】

 2位の榊原翼(オリックス)も5試合に先発して1勝2敗と白星には恵まれなかったが、すべてクオリティー・スタート(QS:6回以上、自責点3以下)を達成するなど優れた内容だった。同い年でチームメートの山本由伸がメディアに取り上げられる機会も多いが、5月のWARでは榊原(0.73)と山本(0.73)の間にほとんど差はなく、次なるスター候補生として注目したい新鋭だ。

(文:データスタジアム株式会社 野球アナリスト 佐々木浩哉)

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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