穴党注目、京王杯SCは今年も波乱か? 高配当運ぶタイプをデータで抽出

JRA-VANデータラボ

前走クラス別、主な前走レース別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走クラス別の成績を見ると、古馬のG2競走でありながら前走G3以下からの好走馬が多く、3着以内馬30頭中19頭を占める(以下、表6以降も含め前走地方競馬、海外競馬出走馬は除く)。特に好走馬が多いのは【3.5.3.34】のG3組だ。なお、重賞で好走馬を輩出しているのは表に挙げた6レースのみ。中では【1.3.1.0】の東京新聞杯組が特に目立っており、該当馬がいれば見逃せない。

前走東京新聞杯+ダービー卿チャレンジT組の前走着順別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 G3組で好走馬を輩出しているのは、東京新聞杯とダービー卿チャレンジTの2競走。このどちらかから駒を進めてきた馬の前走着順別成績を見ると、前走1〜3着馬が【2.4.2.7】複勝率53.3%の好成績。前走4着以下の【1.1.1.14】同17.6%とは大きな差があり、素直に前走好走馬を信頼したい。前走4着以下から好走した3頭は、2012年サダムパテック(重賞2勝、皐月賞2着)、13年ガルボ(重賞3勝)、17年クラレント(重賞6勝)と、かなりの実績を持つ馬でなければ巻き返せていない。

前走G1・G2組の好走馬

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて前走G1、G2からの好走馬を見てみよう。前走G1組の好走馬はすべて芝1200mの高松宮記念組で、同レースでの人気や着順はバラバラ。芝1400mの実績もさほど問われない。注目すべきは本競走での人気で、前走G1組で好走した6頭中5頭は2〜5番人気に推された馬だった。1番人気に支持された馬は【0.0.0.6】と好走なし、2〜5番人気は【2.1.2.4】複勝率55.6%、そして6番人気以下は【1.0.0.17】同5.6%となる。

 一方の前走G2組は、芝1400mでの実績がカギになる。サンクスノート、シルポート、そしてエールブリーズの3頭は、本競走と同じ東京芝1400mで2勝以上を挙げており、特にエールブリーズは3戦全勝での出走。残る2頭はサンライズメジャーが本コース未経験、ロサギガンティアは1戦1勝で、ともに他場の芝1400m・G2で連対実績を持っていた。2009年には1400m戦初出走のスマイルジャック(前走マイラーズC3着)が、1番人気で7着敗退を喫している。

前走オープン特別・1600万条件組の好走馬

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表8は、前走オープン特別と1600万条件から馬券に絡んだ8頭である。オープン特別組の4頭は、前走で5着以下に敗れたにもかかわらず、G2の本競走で7番人気以内とまずまずの支持を受けていた。オープン特別組全体では複勝率10.0%(表5)と劣勢だが、本競走7番人気以内の馬にかぎれば【1.1.2.8】複勝率33.3%、複勝回収率120%になる。また、4頭のうち2頭は重賞優勝実績馬、残る2頭は重賞未経験馬で、重賞に出走経験があれば優勝実績が必要になる。上位人気に推された馬では、2014年3番人気9着のシャイニープリンス、2015年3番人気6着のサトノルパンなどが「重賞経験あり・勝利なし」で掲示板外に敗退した。

 そして1600万条件組の好走馬4頭は、すべて5歳の牡馬。また、前走でメンバー中最速、または2位の上がり3ハロンタイムを記録し、勝ってきたことも共通している。この「5歳牡馬、前走1600万条件1着、前走上がり1〜2位」のすべてを満たした馬は【2.1.1.1】で複勝率80.0%。格下だと甘く見るのは禁物だ。

 以上、京王杯スプリングCの傾向を分析してみた。荒れ模様で、1番人気馬を候補から外すことで高配当を狙っていきたいレースではあるが、表1本文で触れたように単勝オッズが65倍以上にもなるような馬では苦しい。前走でG1やG2に「出走していた」だけではプラス材料にはならないため(表5)、前走G3以下の馬でも好走条件を満たせば積極的に候補に加えていきたい。また、馬単や3連単を購入する際は、枠順(表3)や馬体重の増減(表4)にも注意が必要だ。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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