GI馬2頭が再戦、NHKマイルCデータ予想 桜花賞馬vs.2歳王者 勝つのはどっち?
前走同距離馬・前走着順別成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
距離短縮馬・前走騎手別成績
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
芝1600m戦の複勝率別成績
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
芝1400m戦の勝利数別成績
表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
その点、今年のNHKマイルCで1番人気が予想される桜花賞馬のグランアレグリアは芝1400mに出走したことがなく、過去4戦すべて芝1600mで複勝率100.0%。もちろん重賞も勝っている。前走が同距離となるため、桜花賞で1番人気なら文句なしだったが、その点を除けば大きな瑕疵は見られない。さらにいえば、前走1600m1着から制した2頭がいずれも逃げ切りだったことを考慮すると、思い切ってハナを奪ったほうが持ち前のスピードを活かしやすいかもしれない。
2番人気はアドマイヤマーズになりそうで、同馬は皐月賞4着から距離短縮で臨むことになる。そして、距離短縮の場合は騎手が継続騎乗するほうが望ましく、引き続きミルコ・デムーロ騎手が騎乗予定というのは好材料だ。芝1400mには出走したことがなく、芝1600mでは4戦4勝とパーフェクト。データ的には、この馬のほうが隙はないぐらいだ。
そのほか、ダノンチェイサー、クリノガウディー、ファンタジストといった馬も距離短縮かつ騎手の継続騎乗が予定されている。ただし、このうちファンタジストは芝1400mの京王杯SCを制しているのがかえってマイナスで、芝1400m未出走のダノンチェイサーやクリノガウディーのほうが狙いやすい面はある。
前述したグランアレグリアを除く前走同距離の馬では、前走6着以下や前走6番人気以下だと好走率が大幅に下がる。アーリントンC組の5頭はすべてこの点に引っ掛かっており、狙うとすればニュージーランドT組のワイドファラオ(前走4番人気1着)とヴィッテルスバッハ(前走2番人気3着)か。
芝1400mで2勝以上しているプールヴィル、ハッピーアワー、トオヤリトセイトは今回のデータからは推奨しづらいところ。なかでも芝1600mにも2回以上出走して複勝率が50.0%に満たないプールヴィルは苦戦も予想される。
こうして見ると堅い決着になりそうな今年のNHKマイルCだが、10番人気以下が3着以内に入ることが多いレースでもある。表3で見た通り、過去2走以内に芝1200mで勝った馬や芝1800m以上の重賞を使っていた馬は要注意で、該当する馬として前走が毎日杯のケイデンスコールやマイネルフラップの名前を挙げておきたい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。