亀田興毅(元ボクシング3階級世界王者)がランニングを語る「ボクサーにとって走ることは仕事」

【【写真】軍記ひろし】

ボクシング世界王者として3階級制覇を成し遂げ、現在は会社の経営者として活躍する亀田興毅氏(32歳)。次男の大毅氏と三男の和毅選手も世界チャンピオンとなり、史上初の3兄弟世界王者としてギネス世界記録に認定されている。ボクシングの練習で走りこみをしてきた興毅氏は、ランニングについてどのように考えているのだろうか?

【【写真】軍記ひろし】

――ボクシングを始めるきっかけから教えてください。

亀田:親父からの影響で空手を始め、小学6年生の時に世界チャンピオンを目指してボクシングもやるようになりました。

親父は、「勉強をやったから、ボクシングで世界チャンピオンになれるのか?」という考えを持っていました。世界チャンピオンになれる確率は1%もないですが、当時は親父も自分も「100%なれる」と信じてやっていましたね。

【【写真】軍記ひろし】

――現役時代に辛かった練習はありましたか?

亀田:やってしまえば、練習は全て一緒だと思っています。1番しんどいのは毎日続けることなんですよね。どれだけしんどくても、誰でも辛い練習を3日まではできると思います。でも、それ以降できる人はなかなかいないですよね。

現役時代に10年以上毎日のように練習を続けるわけです。試合が終わって約10日間は回復のために休みますが、他の日は練習をしていますからね。ですが、頭の中は365日ボクシングのことを考えているので、休みという日はなかったですね。1日に体重計に何度も乗って、体重や体脂肪率などを計って練習メニューを組むことを細かく気にしながらやっていました。

【【写真】軍記ひろし】

――ボクシングの練習にランニングは欠かせないと思います。どれだけ重要なものとなりますか?

亀田:「ボクサーにとって走ることは仕事だ」と、毎日親父から言われていましたからね。ランニングはボクシングをする上で物凄く重要なものとなります。

プロボクサーになるために、毎朝7km走ってから学校に行く生活でしたね。学校から帰ってくると夕方まで練習をし、その後に空手の練習に通う日もありました。

根気強くやり続けると、16歳の時に世界チャンピオンとスパーリングするくらいのレベルとなっていましたね。今思えば、非常に危険なことをよくやっていたと思います(笑)。

【【写真】軍記ひろし】

――緊張を感じた時に、どのように乗り越えてきましたか?

亀田:緊張をおさめるために、とにかく練習をしていましたね。自ら追い込んで自信をつけるために練習をする。満足いく練習ができると、良い緊張に変わるんですよね。

試合前に控え室を出てリングまで歩いていく時が1番緊張をしますね。リングに上がって「今日いけるな」という自信があった時に、良い試合ができました。

――モチベーションの上げ方はありましたか?

亀田:世界チャンピオンとして3階級制覇をすることを目標に、モチベーションを上げていました。

世界チャンピオンになった時、3階級制覇をした時の景色ってどういうものだろうと思っていましたが、何も変わりませんでした(笑)。それよりも次の試合のことを考えていましたね。

【【写真】軍記ひろし】

――ランニングを続けるためのコツはありますか?

亀田:現役時代に毎日ランニングをできたのは、試合という目標があるからでした。続けるためには何か目指すものがあれば良いと思います。ただ単に走るとなると続かないですからね。

「1週間後に体重をこれだけ落とそう」とか、「距離を伸ばして走ろう」とか何でも良いと思います。実現しやすい目標に向かってコツコツと続けてほしいですね。

【【写真】軍記ひろし】

――これからの亀田さんにも注目をしています。目指しているものはありますか?

亀田:人生にはゴール、終わりがないと思います。「悔いのない人生を」と聞きますが、「本当にそうなのか?」と思いますね。僕はボクシングを28歳で現役引退しましたが、不完全燃焼だったので後悔しています。

やりたいことは一杯あります。現役時代はビッグマウスで有言実行型でしたが、今は何も言わず不言実行型でいこうかなと(笑)。結果で示したいですね。

――最後に亀田さんにとってボクシングとは何になりますか?

亀田:今の自分があるのは、ボクシングのお陰だと思います。ボクシングは自分の人生そのものなので、ボクシング界に何か恩返しが出来たらと思います。




【文章】佐久間秀実
【写真】軍記ひろし
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