つなぎ、走り、闘う。魅力満載の横浜FM めまぐるしい鳥栖との攻防は必見!

北條聡

「飲み放題付きチケット」で観戦準備は万端!?

横浜FMvs.鳥栖の試合は、めまぐるしい攻防が約束されたゲームだ 【(C)J.LEAGUE】

 ただ、この試合にベストの陣容で臨めるのかどうかは懸念点だ。直前まで代表活動に参加していたセンターバック(CB)の畠中槙之輔(日本代表)と三好(U−23日本代表)の2人が控え、あるいはベンチ外になる可能性があるからだ。いずれも攻と守のキーパーソンだけに、2人がスタメンから外れた場合の副作用は小さくない。

 特に三好はタイで開催されたAFCU−23選手権予選の遠征帰りだ。しかも、金曜開催ゆえに調整日が1日少ない。普通に考えれば、起用は見送られるだろう。三好不在となれば、キャプテンでもあるインサイドレフトの天野純にかかる負担が大きくなる。そのあたりの隙を鳥栖が突けるかどうか。

 前節で横浜FMに快勝した大分トリニータの戦い方は鳥栖にとって大いに参考になる。前線から人をハメ込んでパスワークを寸断し、横浜FMの死角である左サイド(大分の右サイド)を切り崩して、2点を奪った。

鳥栖はクエンカ(中央)経由の速攻で勝機を見いだせるか 【(C)J.LEAGUE】

 タフで粘り強いプレスを試み、横浜FMの攻撃を根本から破壊すれば、クエンカ経由の速攻で勝機は十分だろう。問題は、どこまでやり切れるか。鳥栖は磐田戦で退場処分になったCBの高橋祐治が出場停止で、最終ラインの強度には不安がある。自陣に釘付けとなれば、最後まで持ちこたえるのは難しいだろう。その意味でも、前線から中盤にかけてのプレスが勝敗の行方を左右しそうだ。

 欲を言えば、鳥栖の17歳・松岡大起を見てみたいところ。中盤から前線にかけて、あらゆるポジションをこなす万能戦士で、技術もさることながら、サッカーIQが高い。球際にも強く、度胸も十分。スタメンで使われるのも納得の逸材である。

 ただ、こちらも代表活動(U−20日本代表海外遠征)があったため、出場機会があるかどうかは流動的だ。出番があったら、もうけもの――くらいのスタンスで当日を待てばいいのだろうが……何とかならないものか。いや、愚痴をこぼせばキリがない。

 ともあれ、試合前にシューマイ弁当で空腹を満たせば観戦準備は万端。しかも、数量限定で販売される(3月28日まで)「飲み放題付きチケット」を手に入れておけば、試合中はハイボールでほろ酔い気分か。ただ、ひとたびピッチに目を移せば、確実に目が回る。それくらいめまぐるしい攻防が約束されたゲームだ。

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著者プロフィール

週刊サッカーマガジン元編集長。早大卒。J元年の93年に(株)ベースボール・マガジン社に入社。以来、サッカー畑一筋。昨年10月末に退社し、現在はフリーランス。著書に『サカマガイズム』、名波浩氏との共著に『正しいバルサの目指し方』(以上、ベースボール・マガジン社)、二宮寿朗氏との共著に『勝つ準備』(実業之日本社)がある。

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