リーガとプレミア、どちらが最強か 圧倒的な結果とリーグとしての成熟度
マドリー、バルサを中心に多くのタイトル獲得も……
モドリッチ(写真)を擁するレアル・マドリー、メッシを擁するバルセロナを中心に近年のラ・リーガは結果を残してきた 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
長年ラ・リーガを代表してきたこの3人は、昨季まで5季連続、過去10年で7度のヨーロッパタイトルを独占してきたレアル・マドリーとバルセロナで中心的役割を果たしてきた選手である。
レアル・マドリーとバルセロナはクラブワールドカップでも過去10年のうち7度、14年以降は5季連続でタイトルを独占している。
この2クラブに加え、過去5シーズンのうち2度(14年と16年)の欧州チャンピオンズリーグ決勝にはアトレティコ・マドリーも勝ち上がり、レアル・マドリーとのダービーを実現している。過去10年のヨーロッパリーグを振り返れば、セビージャとアトレティコが3度ずつの優勝を果たしている。
これらの結果を見る限り、近年クラブレベルのフットボールシーンはほぼ常にスペイン勢が独占してきたと言えるだろう。
しかし、はたしてラ・リーガはこうした結果が物語る通りの世界最強リーグだと言えるのだろうか。これは長らく議論されてきたテーマであり、プレミアリーグの優位性を主張する人も多いはずだ。
プレミアは実力、経済力ともにクラブ間で拮抗
レアル・マドリーとバルセロナの2大クラブがプレミアリーグの上位6チームを上回る収益を上げても、それ自体はリーグ全体の利益には直接結びつかない。プレミアリーグがより競争の激しい魅力的なリーグとなっているのは、クラブ間の経済力にラ・リーガほどの差がないことが原因だからだ。
スペインではほぼ常にバルセロナとレアル・マドリーが国内のタイトルを独占し続けている。幸い近年はディエゴ・シメオネ率いるアトレティコがこの2強に迫りつつあるが、それでも過去10シーズンのラ・リーガを振り返ればアトレティコの優勝は一度だけで、あとはバルセロナが7度、レアル・マドリーが2度タイトルを手にしている。
一方、過去10年のプレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッド(最後の優勝は2013年)とマンチェスター・シティ、チェルシーが3度ずつ、そしてレスター・シティが一度優勝している。今季は現行のプレミアリーグではいまだ優勝経験のないユルゲン・クロップ率いるリバプールが首位に立っている。
つまりラ・リーガの優勝争いはバルセロナとレアル・マドリー、アトレティコのトップ3に限定されるが、プレミアリーグのタイトルはトップ6(マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、チェルシー、リバプール、アーセナル、トッテナム)によって争われていると定義できる。しかも6チームの実力が均衡しているため、毎年タイトル争いは極めて厳しいものとなっている。
今季のチャンピオンズリーグのベスト16にラ・リーガの3強とプレミアリーグの4チーム(マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リバプール、トッテナム)が勝ち残っていることも、両リーグの現在の力を表していると言える。