森保監督「今できる最善のことはできた」 国際親善試合 キルギス戦後の会見
キルギス戦後、「アジアカップに向けて、今できる最善のことはできた」と語った森保監督 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
試合後、森保一監督は「アジアカップに向けていい準備ができた」と試合を総括。格下の相手との対戦にも「成長するための試合にするということを声を掛け合って、試合中も点差が開いてもチャレンジする姿勢を忘れず、自分たちで声を掛け合いながら意思統一してやってくれた」と、選手たちの試合に臨む姿勢に評価を示した。
また、「途中出場の選手がチームを活性化してくれたことは、チームとしての戦いとしてベネズエラ戦から修正できた」と収穫を語ると、来年1月のアジアカップに向け「今できる最善のことはできた」「スタートからチャレンジする気持ちでやっていかないといけない」と意気込みを語った。
アジアカップでも成長しながら結果を出す
試合はFIFAランクだけでいうと、キルギスのほうが格下ということで見られる対戦だと思います。選手たちには対戦相手がどこであれ、われわれが試合の中で高い基準で最後まで戦い抜くことをやっていこうと伝えました。選手は私が言わずとも、試合前から自分たちのレベルアップするための試合にする、成長するための試合にするということを声を掛け合って、試合中も点差が開いてもチャレンジする姿勢を忘れず、自分たちで声を掛け合いながら意思統一してやってくれたことは良かったと思います。
アジアカップ前の最後の試合となりましたが、準備としてどれだけものになったか分かりませんが、われわれがより高いレベルを目指して戦うことを選手が示してくれたことで、アジアカップに向けていい準備ができたと思います。アジアカップでも、大会期間中も成長しながら結果を出すことができればと思います。
──いいトライの機会だったと思うが、チーム作りの上でアジアカップに向けてどれくらいの手応えが得られたか?(田村修一/フリーランス)
親善試合ではありましたが、われわれにとってどれだけいいトレーニングになるかということをチームとして考えて、選手たちがトライしたことが今日の試合での成長につながったと思いますし、これからの自信につながった部分もあると思います。ただアジアカップに向けて、4−0という結果だけを見ると(そのスコアが)アジアカップでの成績を保証してくれるものではないということを考えなければならないと思います。
今日の試合は、ベネズエラ戦から先発を全員替えて戦いました。まずは日本代表をより強くするために、より選手層を厚くして、そこから選ばれた選手がアジアカップに臨む、他の大会にも臨むということができればと思っています。アジアカップに向けて、たくさんの選手が(A代表の試合を)経験してくれたことが、これからチームに戻ってさらなる成長に選手たちがつなげてくれると思っています。答えになっていないと思いますが、アジアカップに向けて、今できる最善のことはできたかなと思っています。アジアカップに向けては、スタートからチャレンジする気持ちでやっていかないといけないと思っています。
途中出場の選手がしっかり役割を果たしてくれた
途中出場の選手がさらに流れを良くするということ、試合を締めるという部分、あるいは試合を落ち着かせるとか、試合をさらに勢いづかせるとか、そういう途中出場の選手がチームを活性化してくれたことは、チームとしての戦いとしてベネズエラ戦から修正できたことだと思います。これからの試合に向けても、途中出場の選手がしっかり役割を果たすことを、チームとしてやっていければと思います。
選手起用の中で、すべての選手が同じレベルではないということは、グループの中でありえることです。まだまだ経験が足りない選手に関しては、力の部分でまだまだ足りなくても、まだまだ伸びしろの可能性がある選手たちということで、これからの結果と可能性という部分で招集している選手もいます。今はまだ実力的には足りない部分がある選手も、日本代表での試合経験を通してさらに伸びてくれると思います。試合をして気づいてくれた部分も自分のチームに持ち帰ってもらって、レベルアップにつなげてもらうことが、日本代表のさらなる戦力アップにつながると思います。
力の差があるにしても、現段階では当たり前というか、普通のことかなと思います。経験の浅い選手たちが、経験があるベテランの選手や実力差がある選手と同じピッチに立つことで、また相乗効果が生まれて両方の選手たちが成長や融合する。今チャレンジしていることは、これからもチャンスがあれば続けていきたいと思います。
──今年、監督になっていろいろなアクシデントもあった。この半年間の強化の手応え、そしてやり残したことがあれば教えてほしい。(大住良之/フリーランス)
本当に想定外のアクシデントがありました。まずは9月のキリンチャレンジカップでは北海道で大地震があり、われわれも被災した中で、選手たちだけでなく日本代表として活動しているすべての人間が、われわれを支えてくれる方がいて活動できている、ということを経験できたことが非常に大きいと思います。北海道の皆さんも被災している中で、試合はできませんでしたが手厚くサポートしていただいて、われわれが支えてもらっている中で活動ができることを強く感じさせてもらう経験ができたと思います。
大阪では試合はできましたが、台風21号で多くの方が被災した中で、日常生活が戻っていない中で試合をさせていただきました。われわれにとって、プレー以外の部分でしっかりとした活動をすることで、いろいろな方々に感謝のメッセージを送り続けなければならないという、活動の意味を考えさせられる機会となりました。
そして直近の大分でも(交通状態に巻き込まれて)準備時間が少ない中で試合をすることになったとき、選手たちがそこで動揺することなく、与えられた環境と時間の中で落ち着いて試合に臨むために何ができるかと最善を尽くすことをやってくれました。そういう中で、常にベストを尽くすことを選手、スタッフがやってくれたことは、これからも続けていきたいと思います。
今日の試合も、これまでの試合よりも長くボールを握って試合を展開することができましたが、試合の展開で油断したり相手にスキを与えたりしていたら失点していたかもしれないし、追加点を奪えなかったりしたかもしれません。4点目のあともチャンスを作り続けることができたのは、チームとして目指すべきところが常に高いところにあるということです。どんな環境の中でも最後までやり抜くということ、最善の準備をする、ベストを尽くすという今日の試合でもやってくれたことをこれからも続けてほしいと思います。選手たちにも、スタッフにもそのメッセージを送り続けたいと思います。
長々とすみません(苦笑)。想定外が起こらないほうがいいですが、いろいろなことがあって、それを乗り越えてやり抜いていく力が必要だと思うので、これからも何が起こっても最善の準備をして、最後まで戦うことをやっていきたいと思います。
──ウルグアイ戦、ベネズエラ戦で先発した前線の4人(南野拓実、中島翔哉、堂安律、大迫勇也)と、それ以外のメンバーのサッカーの質がまったく違っていた。ベストのカルテットに追いつける選手はあとどれくらいいると考えるか?(湯浅健二/フリーランス)
まだまだいると思います。国内だけでなく、海外でプレーしている力のある選手もいますし。ベネスエラ戦での前線の選手に追いつける選手は(他にも)いると思います。今言われて思ったのは、力の差がある部分はあると思いますが、トレーニングでいろいろ選択肢を出してあげて、選手にどれだけのトレーニングで働きかけることが(できるかが)自分自身の課題だと思っています。特にこれから伸びていく選手については、自分の責任だとも思っています。