「世代屈指」エタリオウの師が語った鍵は 淀3000mの決戦、菊花賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

今年のメンバーなら 上がり馬にもチャンスあり

久光「大波乱決着の皐月賞で始まった3冠路線ですが、ここにきてダービー馬も不在となったのであれば、改めて勢力図を見直さねばならないと思いますし、今年は条件戦上がりの馬にもチャンスがあるでしょう。中でも、グロンディオーズ。春先から菊花賞候補と睨んでいた馬が、無事に大舞台に辿り着きました。前走のスケールの大きな走りは春以上でしたし、まだまだ手応えを残して2着に3馬身差の大楽勝なら、1000万勝ちとは言え注目に値しますよ」

山崎グロンディオーズは、この中間も調教で素晴らしい動きを見せていますが、陣営に言わせると“けっして無理して時計を出しているわけではなく、それだけフィジカル面もメンタル面も春先より成長している”ということ。新馬勝ちこそマイル戦でしたが、元々陣営も“長距離向き”と認識していた馬で、折り合いにも全く心配のないタイプですからね。加えて、鞍上モレイラなら、失意をプラスのエネルギーに換えての大仕事もありそうです」

佐藤直「抜けた馬がいない状況で春のクラシック不出走組にチャンスがあるというのは、当然だけど、昨年のキセキがそうだったように、クラシック不出走組でもトライアルを使って、というのが正当路線で、中でも過去10年で8勝の神戸新聞杯を信頼すべきなんだ。そして、神戸新聞杯で逃げか先行で34秒台の上がりを使い3着以内だった馬は、3頭全てが本番で馬券対象というデータもあり、狙いはおのずとメイショウテッコンになるぞ」

細川メイショウテッコンは、とにかく気持ちの問題を陣営も強調していて“パドックで大勢のお客さんの前で落ち着いて周回できるか、無駄なエネルギーを使わずに済むかが鍵”とのこと。前走でも装鞍所までは良かったんですが、そこからスイッチが入ってしまったそうですし、距離自体には問題はないので、とにかく平常心でいられるかどうかだけでしょうね」

持木「僕はシャルドネゴールドで大穴狙いといきます。前走は先行馬に有利な流れだったことを考えると、2着でも十分な内容だったと言えますし、一叩きされて型通りにデキも上昇してますよ」

伊利「僕はユーキャンスマイルを。3コーナーで一旦は置かれそうになりながらも、そこから長く脚を使って後半1000m58秒5の激流を力でねじ伏せた前走の阿賀野川特別に、豊富なスタミナが見て取れたと思います。母の父ダンスインザダークの血が、菊の大舞台で花開く可能性も十分にあるでしょう」

坂倉グローリーヴェイズの、古馬相手に準オープン完勝という実績も、例年なら勝負になっていいレベルですよね。調教では先週ビッシリと負荷をかけ、今週は福永騎手に感触を確かめてもらった形ですが、“京都が合っていそうな走り”との評価をもらったそうですし、実際に春の京都での2戦の内容も悪いものではないですからね。“操縦性が高く、下り坂も上手に走れるので、好レースを”と、尾関師も期待十分のコメントでしたよ」

那谷アフリカンゴールドも、マークしておく必要があるぞ。前走の走破タイムは、同舞台の神戸新聞杯との比較で見劣るとはいえ、自身の上がり3ハロンはワグネリアンと同じ34秒2で、しかもラストは流していたことを考えれば、神戸新聞杯に出走していれば掲示板はあったのでは、と思わせる数字だよ。クラスが上がるにつれて2着との着差を広げて勝っている点も本格化の証と言えるし、血統的にこの距離がマイナスになるとも思えないからな」

大江原「2着に敗れたとはいえ、ラジオNIKKEI賞でポテンシャルの高さを示したフィエールマンも軽くは扱えないぞ。ぶっつけ本番になる点は、美浦に帰厩してすぐに追い切りを消化できたように、放牧先でハードに乗られていた証拠だし、ローテーションありきではなく馬の体調を優先したという点では、むしろ好感を覚えるほど。距離や経験値など不安な面を挙げたらキリがないけど、この馬の潜在能力を絶好調の鞍上が引き出すシーンも十分あるはずだよ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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